PSSで決着 激闘を制し中大に勝利/秩父宮杯関東大学アイスホッケー選手権

 秩父宮杯関東大学アイスホッケー選手権(春リーグ)のトーナメントを圧倒的な強さで勝ち上がった明大。いよいよ決勝リーグが幕を開けた。初戦の相手は、昨年度の日本学生氷上競技選手権で屈した中大だ。両者譲らない試合は、延長でも決着がつかず、PSSへ。最後は明大5人目のFW渡邉力輝(商3=埼玉栄)が強烈なシュートをゴールに突き刺し、熱戦に終止符を打った。

◆5・5~6・1 秩父宮杯関東大学アイスホッケー選手権(ダイドードリンコアイスアリーナ)
▼5・18 対中大戦(ダイドードリンコアイスアリーナ)
◯明大2{1―0、1―1、0―1、0―0}2中大
※PSSにより勝利

 第1Pは明大の守備力が光った。GK工藤授(政経1=駒大苫小牧)を中心としたディフェンス陣が安定した守りを見せ、相手にゴールを奪わせず。強力な中大フォワード陣を相手に無失点で第1Pを終えた。しかし、明大フォワード陣も相手の好守備に阻まれ、なかなかゴールを決めることのできない時間が続く。17分33秒に4人対3人の数的有利の状態からアタッキングゾーンでFW井口藍仁(商4=埼玉栄)、FW城野友咲(政経2=駒大苫小牧)とパスを展開し、最後はFW小桑潤矢(営2=埼玉栄)がゴール左上に決め、先制点を獲得したものの、相手を突き放すことはできず。1点リードで第1Pを終えた。

 第2Pは開始早々にゴール前の混戦からFW西脇颯(文4=武修館)がゴールを決め、点差を広げることに成功する。「得意の形だったので、押し込むだけだった」(西脇)。貴重な追加点を奪い、2点リードと優位に試合を進めた。しかし、7分57秒に中大にゴール前でパスをつながれ失点を許すと、第3P4分28秒に再び失点し、2点差を追い付かれてしまう。その間、追加点を奪いたい明大だったが、相手ディフェンスの好守もあり、ゴールを決め切ることができなかった。そのまま60分が経過し、2対2のまま延長線へと突入。井口の華麗な個人技で、ゴール前での攻防もあったが、ここでも得点を奪うことはできず。勝負はPSSに持ち込まれた。

 迎えたPSS。「延長戦やPSSは高校の時に何回かやった経験があり、自分の強みなので自信はあった」(工藤授)。GKの実力が試されるPSSで、ルーキーながら大役を任されたが、最後まで安定した守備を見せた。1本目に先攻のFW堤虎太朗(中大)にゴールを許すも、その後はゴールを決めさせず。明大の最後のとりでとして、鉄壁の守りを見せた。対する明大は、2本目にFW寺内理雲(政経2=駒大苫小牧)がゴールを決めて早々に追いつくと、5本目に渡邉がゴールに突き刺す強烈なシュートを決め、勝負あり。PSSまでもつれた熱戦に終止符を打った。

 厳しい試合となったが、中大相手に勝利を収めた明大。決勝リーグ初戦を白星スタートで飾った。次の相手は、昨年度のエイワ杯関東大学リーグ戦の最終戦で大敗を喫した東洋大だ。「東洋大はスピードが速いので、ディフェンスをしっかりしたい」(渡邉)。昨年度のリベンジを果たし、春リーグ制覇をより近づける。

[安田賢司]

試合後のコメント
西脇
——GKがルーキーの工藤授選手でしたが、PSSはどのように見ていましたか。
 「いつも練習で4年生のPSを止めてくれているので、安心して見ていました」

渡邉
——PSSを決めた時の感想を教えてください。
 「ほっとしました。一番はうれしかったです」

——今年から1つ目のセットに入っていることについてはいかがですか。
 「西脇さんも寺内くんも自分のプレーを生かしてくれるので、お互いが良いようにプレーできていると思います」

工藤授
——今日の試合を振り返っていかがですか。
 「今日の試合は苦しい展開でしたが、自分のプレーに集中して最後までやることができ、勝てたので良かったです」