
個人4名が表彰台 着々と見せる成長/全日本学生ウエイトリフティング個人選手権
新チームが始動し、年内の団体戦における選手構成が視野に入りはじめる今大会。55キロ級の深見健(政経4=安曇川)を皮切りに幸先良く4名が表彰台へ登り、全体としてはやや悔しさをにじませながらも、着実な成長とこれからに期待を弾ませる結果となった。
◆5・17〜18 第71回全日本学生ウエイトリフティング個人選手権(はびきのコロセアム)
▼55キロ級
1位 深見(S95 J126 T221)
2位 角(S88 J115 T203)
▼61キロ級
2位 森本(S100 J125 T225)
▼67キロ級
2位 中野(S123 J143 T266)
▼73キロ級
5位 木村(S119 J145 T264)
12位 相馬(S119 J133 T252)
▼81キロ級
10位 堀口(S125 J141 T266)
13位 根岸(S110 J150 T260)
17位 坂口(S105 J130 T235)
▼89キロ級
7位 道幸(S125 J136 T261)
※S…スナッチ、J…ジャーク、T…トータル
55キロ級で出場した深見は、スナッチで95キロ、ジャークで126キロを挙上し、トータル221キロで優勝を果たし、昨年度に続く大会2連覇を成し遂げた。スナッチでは本来の実力を出し切れなかったものの、ジャークでは自己ベストを更新。優勝確定の後、昨年の自己ベストを1キロ更新する126キロに挑戦し、見事に成功。またこれまでの『大会終了の反動による増量』を抑えた減量方法を選んだ点も功を奏したかたちだ。「東インカレで、本当に戦わなければいけないライバルに勝つことが目標」と、視線を次へと向けた。
同じく55キロ級で2位に入ったのは、ルーキーの角琉斗(政経1=札幌琴似工)だ。スナッチで88キロ、ジャークで115キロを成功させ、トータル203キロを記録。肩の痛みなどに悩まされ不完全燃焼となったが「学年は少し離れているんですけど、深見先輩は同じ階級で、尊敬できる先輩なので。見本とする人がいるので、その人に付いていって一緒に練習で高め合っていけたら」と向上心も見せた。ルーキーならではの新生活の変化に翻弄されながらも「自分の弱点を見直して、チームを背負っていける選手に成長したい」と話し、これからが楽しみな存在となっている。
61キロ級では森本凌功(営4=紀北農芸)が2位の表彰台に上った。スナッチでは3本目に100キロを成功、ジャークでは125キロを決め、トータル225キロを記録する。勝負所では相手の重量に応じて自分の記録を上積みする戦略で逆転を狙う。「全体的に成功率の悪さが前回の全日本大学対抗選手権(インカレ)から目立っていて。次の7月に向けてもう一つパワーアップし、いい記録を取れるように頑張りたい」と省みた。
67キロ級に出場した中野龍斗(政経3=水島工)は、スナッチ123キロ、ジャーク143キロのトータル266キロを挙上した。「大学に入って初めての6本成功だった。100パーセントの力を出せた」と振り返るも、首位とはわずか1キロ差で優勝を逃す構図に。「100パーセントを出しても勝てない」悔しさも感じたが、しかし「ずっと右肩上がりで調整できている。ただ膝を少し痛めていて、スクワットができない分、立つのが重かった。早く膝を治してスクワットに取り組みたい」と、新たに意気込みを語った。
今回表彰台を逃した選手たちも、それぞれに課題と収穫を持ち帰った。73キロ級で5位の木村梁(営3=紀北工業)はジャークで安定した試技を見せた他、81キロ級の堀口実篤(政経2=宇陀)は6本とも成功させ大きく手応えをつかむ。根岸蒼空(営2=藤岡工)は自己新には届かなかったものの「減量していた中でよくやれた。次は(東インカレでの)メンバー入りを目指す」と奮起を誓う。
2日間にわたって開催予定の今大会。2日目は102キロ級から+109キロ級まで、計3階級から2名が出場予定だ。
[松下日軌]
試合後のコメント
深見
――トータル重量についてはいかがでしたか。
「(スナッチの)100キロが成功していたら、226キロで試合ベストにほぼ近い状態には持って行けたのかなと。もう少しスナッチの方も調整していけば、試合のトータルベストも更新できるとは思うので、油断せずにこのままスナッチもジャークもレベルアップしていけたらなと思います」
角
――うまくいかなかった要因としては何が挙げられるでしょうか。
「そうですね。自分は北海道から今年、東京に来て2カ月なんですけど、新しい環境とか、今までと練習環境が違ったり、寮生活になって親元から離れていろんな環境の変化とか、大学の授業とか、本当に目まぐるしい変化がたくさんあって、それで少し調子を崩していました。深見先輩や色んな先輩方の支えがあって、今回うまく試合に運べたのかなと思っています」
森本
――スナッチでは3本とも100キロへの挑戦となりましたが、なんとか挙上しました。
「練習ではいつやっても絶対に取れる重量だったので、そこからスタートして1本目を落としてしまったという自分のメンタルの弱さが目立ったんですが、3本目はしっかりと決め切れたので、良かったかなと思います」
中野
――今大会でのコンディションについて教えてください。
「自分はいつも減量を頑張っていたんですが、今回はほぼ減量をせず体にそこまでストレスなく競技に挑めたのが大きかったのかなと思っています。減量幅によってもそうなんですけど、体重67キロを少し超えるくらいだったので減量もほぼなくて、本格的に始めたのも昨日や2日前からなので。体にストレスなくいつも通りにできたので、そのおかげというのはありますね」
坂口遼(法4=舞子)
――今回に向けて課題や注力していたものはありますか。
「正直、前の試合が3月半ばで、2カ月ぐらいしか間がなかった中で、少し自分的にはうまく2カ月を使えなかったかなと思いました。その中で、自分的にはパワーを付ける練習という意味でスクワットをメインで入れてみたり、そういうところでパワーアップを意識しながら取り組んできました。(手応えは)今回もジャークは130キロを最初に取り組んで、自己ベストは133キロで。それがかなり攻めたスタートだったんですけど、1本目をしっかり取れて、105キロも1本目でしっかりと取れたので、そういった意味ではちょっとずつ安定して取れる重量が上がってきたのかなと思いますね」
堀口
――3月の学生新人選手権の成績を大きく上回りました。
「成長としては、やはり基礎ですね。フォームの練習を積極的に取り組んで、重い重量じゃなくて、フォームを安定させるという面で軽い重量から取り組んだのが、大きな要因だと思います。(フォームの安定に関しては、どのような意見やプレーを参考にしましたか)中野先輩からフォームや差しの指導を頂きました」
根岸
――ジャークでは惜しくも3本目を取り逃すかたちになりました。
「練習で150キロも触れていなかったのが今回取れたので、156キロもパワーが付けば全然取れなくない重量だと思いました。取れれば81キロ級の上位には食いつけるかなという感じだったので、今回は触ってみて重かったんですけど、今後に向けて結構ステップアップというか、頑張って取れるようなシナリオができたと思うので、しっかりそこは160キロ、81キロ級で取れるように頑張って練習していきます」
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