
慶大に惜敗、ジュニア戦初黒星/関東大学ジュニア選手権
キックオフからわずか3分、先制トライは明治だった。それはまさに“縦横無尽”の名のごとく、FWとBKが一体となりグラウンドを広く使ってのトライ。だがこの完璧なトライはスローガンの体現と同時に、「初めからうまくいきすぎて気持ちが緩んだ」(山口真・政経3)の言葉通り、以降明治のリズムを崩す引きがねともなってしまった。
そのわずか3分後、慶大が得意の展開でサイドから突破をはかりトライを決めると、続けて15分にはスクラムからNo.8が抜け出して7-12と形勢逆転。その後も明治は自陣での苦戦を強いられチャンスに恵まれないまま、試合終了間際のペナルティーゴールでなんとか2ケタ台に乗り上げ、10-12で試合を折り返した。
後半も慶大の勢いは変わらず、No.8立石の力強いランや持ち前のスピード展開が光り5分、10分、20分とトライを連取され10-27と大きくリードを許す。完全にリズムをものにした慶大。しかしここから「追い詰められて火がついた」(松本)明治の猛追が始まる。25分ラインアウト後の展開から松本が中央を豪快に突破しトライを奪うと、続けて33分、密集から名嘉(政経2)がサイドを走り抜け追加点をあげ22-27とその差は1トライに。しかしこれに触発されたのか慶大も土壇場でその強さを発揮し37分、明治陣ラインアウトからの展開でトライを奪い再度明治を10点差まで引き離した。そして40分、ゴール前スクラムから再び名嘉がトライを決め意地を見せるも、あえなく試合終了となった。
結果内容ともに不満の残る今試合であったが、1本目のトライを筆頭に目指すべき“縦横無尽”のラグビーは局面で垣間見えた。「以前はゴール前でFWに任せきりになっていたが、BKでも積極的に回すようになった」(松本)。しかしそうした明るい変化の一方で、明治特有の立ち上がりの悪さが今回も尾を引き勝敗を分けた。「集中しなければならないところで集中できなかった」(山口真)「メンタル面の問題。相手にとられてからではなく初めから選手一人ひとりが自分を高めて、集中力を持続させなければならない」(松本)。
体力、筋力、技術、これらの向上に加え自分との戦いという見えない壁をクリアしなければ縦横無尽の実現は厳しいようだ。
~試合後の選手のコメント~
松本(法4)
「慶大は予想以上に強かった。スクラムハーフにプレッシャーがかかって自分たちのペースがつかめず、ラインアウトも精度を欠いていた。一人ひとりがもっと意識を高くもって集中していけばもっとよくなると思う」。
山口(真・政経3)
「タックルミスもあり、あと1トライでも止められれば勝てたと思うと悔しい。最初のトライは縦横無尽でとれてよかったと思う。しかしブレイクダウンで慶大の勢いがあり、後半は全然回せなかった。集中力の持続が今後の課題」。
渡辺(営2)
「圧倒されたから、うちのリズムで攻めることができなかった。焦ってしまい、大事なところでミスをしてしまった。まだまだ精度が低い。チームとしての完成度もあまり高くなく、意志統一もできていない」。
木暮(商1)
「夏に対戦していたので、絶対負けたくなかった。相手はパス回しが良かった。またタックルをしても一撃で倒せず、相手のアタックを許してしまった。スクラムは今日は組めなかった。ぐらついていた。個人としてはノックオンやパスミスなど基本的なところから改善していきたい」。
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