3位決定戦で逆転勝利! チーム一丸で表彰台入り/関東大学バスケットボール選手権

 残り1枠の表彰台の座を懸け、日大との最終戦に挑んだ。入りで流れに苦戦すると、相手のパス回しに苦い時間を強いられる。それでも、千葉天斗主将(法4=明成)の2桁得点をはじめ、多くの選手がチームに貢献。一時は10点に開いた差も第3Q中盤で巻き返した。その後は一進一退の攻防を繰り返す熱戦となるも、確実なリバウンドが花開く。コートもベンチも応援席も、一丸となった末につかんだ悲願の1勝となった。

4・29~5・4 第74回関東大学バスケットボール選手権(駒沢オリンピック公園総合運動場 屋内球技場他)
5・4対日大戦(国立代々木競技場 第二体育館)
〇明大65{14―24、21―16、16―15、14―6}61日大

 スターターはPG千葉天斗、SG針間大知(情コミ4=福岡大大濠)、SF武藤俊太朗(政経3=開志国際)、PF鬼澤伸太朗(国際3=福岡大大濠)、PF塚田大聖(政経3=土浦日大)。

 長きにわたる大会もついに最終日。一昨日には10年ぶりにベスト4を決めたものの、準決勝では白鷗大相手に奮闘も実らず。表彰台への行く末に立ちはだかるのは、昨年度全日本大学選手権王者・日大となった。そんな3位決定戦は両者3Pシュートでの激しい攻防からスタート。そのまま勢いに乗るかと思われたが「自分を含め、4年生でチームを引っ張れず、いい入りができなかった」(千葉)と相手の大きなパス回しに翻弄(ほんろう)され、主導権を握られる展開に。それでも「今年は点差が離れても、我慢してついていけるチーム。トーナメントが始まってから第4Qで突き放す試合が多かったので焦りはなかった」(武藤)とチームは気持ちを切らさなかった。途中出場のSF白澤朗(国際4=開志国際)のバスケットカウントや、針間と武藤の連携シュートを中心に徐々に勢いを取り戻し、とどめはPG湧川裕斗(政経1=福岡大大濠)の迫力満点のブザービーター。この試合の盛り上がりは最高潮に達した。

 運命の後半戦。第3Q中盤、武藤からのPG山際祐希(営3=新潟商業)のタップシュートで獲得した2点でついに同点に追い付くと、その後は白熱のシーソーゲームに。残り4分20秒時点でとったタイムアウトでは「ここをもう一つ頑張ろう。出し切るまでやろう」と主将がチームを鼓舞。そんな手に汗握る展開の中で明大を勝利に導いたのが、昨年まで課題としていたリバウンドだった。「昨年までは体を張ることができず、リバウンドを支配されるシチュエーションが多かったが、留学生相手にもリバウンドを取れたことは非常に良かった」(針間)と試合終了間際まで続いた接戦は、リバウンドを制した明大に軍配が上がった。

 今年度の明大バスケットボール部は、団結力が一味違う。「チームの雰囲気がすごく良くて、(コートに)出ている5人もベンチもベンチ外も、一つになって試合に気持ちをかけているので、最後まで気持ちを切らさずに戦えている」(武藤)と言うように、チーム全員が得点をともによろこび、粘り強く戦う姿が印象的だ。チームの司令塔となる千葉主将自身も「今年は結束力のあるチームを目指そうと話してシーズンをスタートした。チームみんながチームファーストで考えて、特に僕以外の4年生のみんながチームファーストで、縁の下の力持ちになってチーム支えてくれているところが大きい」と団結力の重要性を口にした。

 個々の力を一つにまとめ上げた明大の力強さが証明された今大会。「創部100周年の年に、強い明治にしていこうというのは常に考えている」(武藤)。‶強い明治〟へ。トーナメント3位は、まだ始まりにすぎない。

[寺井和奏]

試合後のコメント
千葉
――個人的にはどのようなことに‶チャレンジ〟しましたか。
 
「プレーで言えば、昨年までは個人として苦手なことにあまり向き合えず、先輩にフォローしてもらってきたのですが、最上級生になるので自分がプレーでも少しは引っ張れるように頑張りたいなと、そこにチャレンジしたいなと思っていました。出場していない時間はチームをキャプテンとして鼓舞する、苦しい時間もベンチで声を出してチームを支えるということにチャレンジしました。今大会を通して、このチャレンジは実ったと思います。ですが、シーズンは始まったばかりですし、まだまだ足りない部分がたくさんあるので、もっと日頃からチャレンジしていきたいです」

――応援してくださった方々へ一言お願いします。
 「本当に日頃から応援してくださる皆様のおかげで、この3位という結果を収めることができたと思います。本当に応援ありがとうございました。強い明治を取り戻していけるようにこれから日々精進してまいりますので、今後もご支援、ご声援のほどよろしくお願いいたします」

針間
――ビハインドの展開が続く中でも、チームの雰囲気が崩れなかった要因はどこにありますか。
 
「昨年までだったら、少しでも劣勢になるとベンチも黙って、だんだん悪い流れになってしまったのですが、今年はベンチにいる人がまずしっかり声を出すことで、コートにいる人も声を出すという風にすごいいい流れができていたことだと思います」

――3位という結果はどのような意味を持ちますか。
 「そもそもベスト4に入るのも10年ぶり、ベスト8も9年ぶりなので、大会前に4年生で話した際‶優勝〟と簡単に言っても、そのビジョンが見えず、どこを目指せばいいか分からない状況でした。その中でまずはベスト8を目標にしていたので、それがトーナメントで3位までいくことができたというのは、優勝を目指す道しるべになりましたし、明確になったと思います」