(2)喜劇『十二夜』あらすじ

1999.01.01
(2)喜劇『十二夜』あらすじ

『十二夜』あらすじ

 舞台はイリリア。イリリアの公爵・オルシーノーは、伯爵家の女主人・オリヴィアに恋し、求婚を続けているも、オリヴィアは最愛の亡き兄の喪に服するため、オルシーノーからの求婚を拒絶し続けている。

 そのオルシーノーのお気に入りは、新入りのシザーリオ。しかし、シザーリオは男ではない。実は、双子の兄・セバスチャンとの航海中に船が難破し、命からがら生き延びた妹・ヴァイオラなのだ。生き別れたセバスチャンを死んだと思い込んだヴァイオラは、ひょんなことから『シザーリオ』と名を改め、男性になりすましてオルシーノー公爵に仕えることとなった。

 やがてヴァイオラは、心優しいオルシーノーに恋をするも、オルシーノーにとって自分はお気に入りの家来(しかも男)・シザーリオ。その思いをオルシーノーに伝えることができず、苦悩する。さらに、オルシーノーはシザーリオに、オリヴィアに求婚を再度申し込めと命じ、シザーリオはいやいやながらも命令どおりにオリヴィアと面会。なんと、オリヴィアは、シザーリオに恋をしてしまい、オリヴィアから告白されたシザーリオ(ヴァイオラ)はさらに混乱してしまう。

 一方、ヴァイオラの双子の兄・セバスチャンも助かっていた。彼を助けたアントーニオと共にイリリアに滞在するも、ここで事件が起こってしまう。

 オルシーノー、ヴァイオラ、オリヴィアの三角関係、瓜(うり)二つの双子・ヴァイオラとセバスチャンが引き起こす混乱、そしてそれぞれの恋の行方は…。お祭り騒ぎの喜劇が始まる!

演出・宮下くん(文2)インタビュー

 今回、演出を務めることとなった宮下仁くん(文2)に話をうかがいました。

――なぜ演出になろうと思ったのですか?
宮下:「昨年文プロに役者として参加したのが最初のきっかけです。本番では目の前に1000人もの観客の方がいて、本当にいい経験ができたと感じたのです。僕は文学部の演劇学専攻で、学問としても演劇を学んでいますが、学問ではないおもしろさを自分で作り上げてみたいと思って演出を希望しました」

――演目を『十二夜』に決めたのはなぜですか?
宮下:「まず、“観客を楽しませたい”と思って、自分のなかでは喜劇をやりたくて。その中で、『真夏の夜の夢』と『十二夜』がいいと思ったのですが、『真夏の夜の夢』は妖精が出てきたり、物語も非人間的だなって。一方『十二夜』はキャスト全員が人間で、内容も勘違いや恋愛劇で人間らしい。人間だけで巻き起こる恋愛劇や事件のほうが、観客の方にも身近に感じてもらえると思って『十二夜』に決めました」

―シェイクスピアの作品を演出することは初めてですよね?
宮下:「もちろんです。それに、シェイクスピアを上演することは、プロでもそうそうできることではない。それを学生ができる、というのは極めて珍しいこと。だからこそ、『自分にはどう表現できるか?』ということを常に考えていますね」

――演出をやる上で心がけていることは?
宮下:「コミュニケーションを大切にすること!今年は、例年に比べてキャストが若いんです。キャストに1年生や2年生が多くて、その中に上級生もいる、という。それに演出もいつもは4年生ですが、僕もまだ2年ですからね。年齢がバラバラだから、いろいろな発想が生まれて、いい案ができる。それをみんなで協力しながら作り上げていくことで、よりよい劇に仕上がっていくと思います」

――先ほど例年と違う点をおっしゃっていましたが、他にいつもと違う点はありますか?
宮下:「脚本が松岡和子さんのものから、三輪えり花さんのものになりました。これは、今まではセリフ重視で、脚本3ページ分の長セリフがあたりまえという感じでしたが、今年は喜劇で会話が重視される芝居ということもあり、コミュニケーション重視のものにしました。なので、長セリフも以前に比べたら少ないです。でも、その分コミュニケーション力が必要ですからね…。これからさらに磨きをかけていきたいです」

――最後に、上演への意気込みをお願いします!
宮下:「テーマは“挑戦”!400年間おもしろいといわれ、残されてきたシェイクスピア劇を、より現代的に、でもあくまで歴史あるおもしろいものとして表現できるか。いろいろなアプローチをしていきますので、ぜひ応援お願いします!!」
――お疲れのところ、ありがとうございました!

☆次回は、稽古場の様子やキャストへのインタビューを掲載します。お楽しみに!!