
表彰台に上るも、笑顔無く/全日本ジュニア体重別選手権
1回戦シードの4選手と、初戦を一本勝利で飾った木下が挑んだ2回戦。4選手は順調に次の試合に駒を進めたが、試合終了直後に効果のポイントを奪われた木下は巻き返しを図るもあと一歩及ばず、無念の2回戦敗退となった。
その後も順調に勝利を重ねる海老沼、上川の2人が決勝戦へ。そんな中、81kg級では波乱の展開が訪れる。組み合わせの結果、決勝進出をあと一歩のところで逃した吉井と、敗者復活戦を勝ち上がった鈴木(敏)が3位決定戦で激突。同門対決となった注目の一戦は、両者一歩も譲らず一進一退の攻防が繰り広げられる。試合はゴールデンスコア方式の延長戦にもつれ込むが、両者ポイントを奪えないまま終了。勝敗は判定にゆだねられ、2-1で吉井が白星をつかんだ。
そして始まった決勝戦。キレ味抜群の技を武器に危なげなく勝ち上がってきた海老沼だが、この決勝戦は序盤にリードを許す苦しい展開となる。徐々に試合の流れをつかみ始め反撃に出るが、なかなか大きなポイントが奪えないまま試合は終了。敗れた海老沼はがっくりと肩を落とし、決勝の畳を後にした。
各階級の王者が次々と決まっていく中、大会の最後を締めくくる100kg超級の決勝戦は昨年と同じ顔合わせとなった。ここまでオール一本勝ちと波に乗っていた上川だが、なかなか技に持っていくことが出来ず、時間だけが過ぎてゆく。延長戦に突入した試合が動いたのは試合時間残り約2分だった。相手選手のかけた大内刈りが有効となり、上川の優勢負け。高校時代からの大会連覇はならなかった。「海老沼に関しては、本質的な柔道の力は持っている。2人とも試合に勝ち切ることが出来なかったこと、自分の100%の力を出し切れなかったことが今後の課題。それが出来るようになれば、2人とも世界を狙える選手になる」(園田助監督)。
入賞こそ果たしたものの、表彰台に上る3人の顔に笑顔は無かった。それぞれの選手たちに足りなかったのは“対応力”だ。「どんな相手にも、試合展開にも臨機応変に対応できる選手は強い。一生懸命の状態でも、頭の中で冷静に考えられる力をつけなきゃいけない」(園田助監督)。
来月には、個人インカレも控えている。残された時間は少ないが、今大会の悔しさと経験を糧に、今度こそ笑顔で表彰台に上ってほしい。
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