対抗戦開幕!成蹊大に完封勝利も課題残る

1999.01.01
 昨年に続き、ナイターでの開催となった対抗戦初戦。成蹊大を相手に49-0と大量得点で白星発進するも、内容的には課題の残る試合となってしまった。

 まず最初の見せ場は、開始早々のファーストスクラムだった。成蹊大FW陣はホイールでかわそうとするも、重戦車の圧力に耐えられずズルズルと後退。今季も早速強力FWが存在感を見せ付ける。ここからFW陣が持ち前の突破力を発揮し、ボールを持つと敵陣に向かって突進。トライ量産体制に突入か・・と思われたが自分たちの反則に加えて「ボールに対して2人目、3人目の入りが遅くてハーフ団にプレッシャーが掛かった」(藤田監督)こともあり、パスがつながらず、なかなかトライを奪うことができない。

 ようやくトライを奪ったのは前半15分。敵陣ゴール前でのスクラムから、NO.8杉本(博・商2)が持ち込みトライ。スクラムトライで今シーズン一発目のトライを奪うと、ようやく明治フィフティーンが本来の攻撃力を発揮する。18分には、CTB山口(真・政経3)が抜け出し、トライを奪う。その後も立て続けにトライを奪い、前半を28-0で折り返した。

 そして迎えた後半。前半と同じく開始直後からチャンスをつくるも、BKまでなかなかボールをつなぐことができず、得点できない時間帯が続く。しかし、11分そんなイライラを吹き飛ばすかのように、FL西原(政経3)がハーフウェーライン付近から独走トライ。そして35分には、今試合で縦への突破力が光った山口(真)の突破からHO原田(商4)がトライ。終了間際には、LO杉本(晃)主将(政経4)が成蹊大DFを振り切りトライ。呉(政経3)が今日7本目のゴールキックを決め、49-0と大量リードのまま試合終了。開幕戦を白星で飾った。

 結果的には成蹊大を完封するも、完勝とは言えず課題が残る試合となった。スクラムでは圧倒したものの、ラインアウトではミスが目立った。ブレイクダウンの場面ではうまく連携が取れず、ハーフが成蹊大DFに絡まれてBKまでテンポ良くパスが回らなかった。「チームの完成度は60%」(杉本主将)というように、チームの目指す「縦横無尽」なラグビーの完成への道はまだまだ遠い。

 次の立教大戦まで約3週間。時間はまだたっぷりある。9月16日~19日までは八幡山で強化合宿を行い、フィットネス中心の練習で走力アップを狙う。また、NEC、リコーとトップリーグのチーム相手に出稽古に行き、格上の相手に胸を借りる予定だ。藤田監督も「生きた球を出せることによって縦横無尽というテーマに沿ったゲームコントロールができると思う」というように、選手をまだまだ追い込んでいく。次回の立教大戦までに、どれほど「縦横無尽」なラグビーを体現できるか。それはこれから3週間の間に、個人個人が残りの40%をどれだけ埋めていけるかに懸かっている。

[西村元英]

1.PR 松浦 雄樹(商4) 12.CTB 山口 真澄(政経3)
2.HO 原田 開(商4) 13.CTB 溝口 裕哉(政経1)
3.PR 土井 貴弘(政経4) 14.WTB 奥田 浩也(政経4)
4.LO 鎌田 祐太郎(法3) 15.FB 鈴木 元(文4)
5.LO 杉本 晃一(政経4) 16.RE 鈴木 亮大郎(政経1)
6.FR 西原 忠佑(政経3) 17.RE 城 彰(政経2) 
7.FR 山本 紘史(政経4) 18.RE 吉住 仁志(法4)
8.NO.8 杉本 博昭(商2) 19.RE 千布 亮輔(政経2)
9.SH 金澤 章太(情コミ3) 20.RE 田原 圭佑(政経4)
10.SO 呉 基烈(政経3) 21.RE 安部 亮佑(法3)
11.WTB 大須賀 健太(農4) 22.RE 田村 優(文2)

~試合後のコメント~
藤田監督
「自分たちがやろうとしていたことができなかった。ボールへの2人目、3人目の寄りが遅くてハーフ団にプレッシャーが掛かり、ゲームのテンポが上がらなかった。完封できたということはDF面では収穫だと思うし、暑い中でボールも滑りやすかったが選手はよく頑張ったと思う」。

杉本(晃)主将
「ミスが多く、練習でできていないことが試合でも出てしまい修正もできなかった。現在のチームの完成度は60%。残りの40%はゲームコントロールと、選手の個人個人の戦術理解度。これからは一つひとつのプレーの精度を高めていきたい」。

原田
「チームが完成していないと感じた。しかし、FWで押せたことは収穫だったと思う。ラインアウトは自分のスローイングミスもあって良くなかった」。

土井
「スクラムでは圧倒できたが、ブレイクダウンに入る人数が少なく、ハーフに負担が掛かってしまった。今日は自分たちが目指していたラグビーはできなかった。集中力が足らず、後半ミスが多かったし、ラインアウトが安定しなかったのも今後の課題。今日の課題をしっかり克服し、次は縦横無尽というテーマを実現させたい」。

西原
「チームがどうという以前に、まず自分のことができていなかった」。

山本
「初戦ということで練習でやってきたことを出していこうと話していたが、ノックオンなどのミスも重なり、様々な課題が露呈した試合だった。チームの完成度としてはまだまだこれからだと思う」。

杉本(博)
「今日の試合はミスが多くて、目指していることの60%しか達成できなかった。八幡山合宿ではスキルアップできるよう頑張る」。

金澤
「こっちのミスが多かったので、出来としては悪かった。相手はプレッシャーが強く、裏をかいてきたので注意してプレーした」。


「今日の出来はとしてはまだまだ。個人的には、やってきたことがなかなかできていない。もっとCTBやFBにボールを出せたはずだった。(今日ゴールキック成功率100%について)2本目を蹴った時に今日は調子がいいと感じたから狙っていった」。

大須賀
「明治はあまり点の取れるチームではないと思うけど、今日はまだ取れたと思う。セットプレーは安定していないし、ブレイクダウンに入る人数も少ない。また、BKもうまく機能していない。ボールも滑っていたが、それは集中力が足りないのと、『繋ごう、繋ごう』という焦りの気持ちがそうさせたのかもしれない。BKにボールが回ってきても大歓声でお互いの声が聞こえにくかったが、それは自分たちのコミュニケーション不足。回そうとするときと勝負するときのメリハリを付けたい。またもっと強いチームと戦うためにもっと精度を上げ、激しくしていかないといけない」。

奥田
「今日はボールタッチも少なかったので、個人的には30%の出来。個人で圧倒できて、FWがどんどん前へいってくれたのは良かったが、同時にミスも多かったのでそれがトライを奪えず停滞した時間を作る要因になったしまった。今後はもっとトライをとる意識を持って臨みたい」。

千布
「成蹊大のタックルが低くて、やりたいことができなかった。今日は思い切りやると決めていたが、ミスが多くハーフにプレッシャーが掛かりプレーが続かなかった。これからはプレーの精度を上げ、しっかり走れるよう頑張る」。