女子硬式野球クラブが関西学大と定期戦を開催/第1回明関戦

2025.03.27

 3月18日、関西学大女子硬式野球部と明大女子硬式野球クラブとの定期戦が行われた。2022年に創設され、東京六大学初の女子硬式野球部創部を目指す明大女子硬式野球クラブ。4―15で負けを喫したものの、生き生きとした姿がグラウンドにはあった。

◆3・18 第1回明関戦(明大内海・島岡ボールパーク)
 明大4-15関西学大◯

 先に守る明大の先発・小室瑶紗投手(総合1=明大八王子)は1、2回と3点ずつ献上し6失点と厳しい立ち上がり。しかし2回裏、小室の内野安打で無死満塁の好機を演出すると、相手投手の制球が乱れ1点を奪う。続く打者の内野ゴロ間でさらに1点を追加し、2―6と点差を縮めるも、次の回に2点を献上し2―8と試合は再び6点差に。なんとか食らいつきたい明大はこの回の裏、4安打の猛攻撃に成功し2点を追加する。

 これ以上は点を与えたくない場面だが、小室が4回表に2本の三塁打を含む5安打を浴びる。さらにバッテリー間の失策が絡み、この回一気に6点を与え4―14と関学大の打線は止まらない。5回表にも1点を献上した明大だが、点差を縮められず4―15で試合終了。悔しい5回コールド負けとなった。

 若杉紗良主将(法3=都立立川)は「いいポジショニングができていたら防げた失点がある」と大量失点の要因を分析した。「『勉強も続けたいけど野球もやりたい』という子たちの選択肢の1つに」(藤﨑匠生監督)と活動をする彼女たちの目標は全国大会出場。体育会には所属しておらず公認サークルであるため、週に1度だけグラウンドでの練習が行われ、その他はバレーコートでの練習という十分とは言えない環境で白球を追う明大女子硬式野球クラブ。それでも六大学初の女子野球部創部を目指し続けられるのは父母会からの支援やクラウドファンディングなど手を貸してくれる人がいるから。「野球ができる感謝の気持ちを忘れずに」(若杉)進み続ける。
[小松錦葵]

試合後のコメント
藤﨑監督
――今日試合をするまでの過程はどのようなものでしたか。
 「なかなか練習場の確保が難しくて、各自自主練を家でどれだけできるかというので選手に任せていた部分はあったのですが、実戦形式の練習がなかなかできていなかったので、そこが試合に出たのかなと思います」

――監督として采配の関与はされましたか。
 「試合中はもうほぼノーサインです。今回僕たちは勝ち負けとかいうよりも、楽しく最後までやりきるという目標でやっていたので、僕の中ではもう満足ですね。最後出た未経験の子のバットにボールが当たってフェアゾーンに飛んだのも、すごく成長した部分でしたし、それは自分の中でも感動する場面でした」

――試合は敗れましたが、試合を最後まできたということに関していかがでしょうか。
 「ゲームセットまでこぎつけられるか不安もあったので、本当に選手がみんな頑張ってくれたなと思います」

若杉
――今年度のチームはいかがでしょうか。
 「強みはバランスがすごくいいところだと思います。仲の良さもそうですし、実際、打撃面と守備面どちらも同じくらいの実力なので、みんなで伸ばせていけたらなと思います」

――未経験の方の出場もありましたが、入部を考えている方に向けて伝えたいことはございますか。
 「野球が好きというのはみんな一緒ですし、チームの雰囲気がすごくいいので経験者も未経験者も仲良しです。練習中はしっかり練習するとかメリハリがしっかりあるので経験者から未経験者に教えてあげる環境が整っていると思います」

松本麻代(農2=椙山女学園)
――女子野球の経験はございますか。
 「大学2年から。去年のこの時期から始めました。監督の匠生さんが、YoutubeとかSNSで女子野球の魅力を発信してるいのを見て、男子だけではなくて女子も野球やれる楽しさを自分で実感したいのと広めたいなという思いで始めました」

――ここまで実際にやってみていかがですか。
 「元々ソフトボールを中学から始めて、女子がよくやるスポ―ツとしてのソフトボールとはまた違った楽しさがあります。今はどんどん楽しくなっている最中です」

小室
――普段はどういう場所で練習していますか。
 「普段は、日曜日は生田のキャンパスのバレーコートで基本的なことをしっかりやる感じで、火曜日にグラウンドで全力で練習をする感じです」

――先発として登板されましたが、振り返っていかがでしたか。
 「元々ピッチャーをそんなにやったことがなくて、初めて大会とかで先発したので緊張もありました。軟式を中学校までやっていたので硬球を投げるところからまず難しかったです」

――個人、チームとして今後どのような目標を立ててやっていきたいですか。  
 「今後は内野手もやりたいなというのはすごくあるので、内野手としても全部のプレーで向上できるように練習一つ一つを頑張りたいなと思っています。環境も当たり前ではないので、匠生さんに感謝しながら練習していきたいなと思います」