アルペン宮島が1本目トップ コンバインド西方優主将は「思い切り楽しめた」/全日本学生選手権

2025.02.24

 5日間にわたる学生選手権(インカレ)も折り返しを迎えた。アルペン部門回転では全体の約半数が失格という波乱のレースが展開される中、昨年度は同部門で25位と不振に終わった宮島太陽(政経3=北照)が1本目終了時点で1位を記録。コンバインドでは2人が入賞を果たし、ゴールラインの先は大学分け隔てなく敢闘を讃えあう選手たちの笑顔で溢れた。

◆2・19〜23 第98回全日本学生選手権(大鰐温泉スキー場他)
大会3日目
▼アルペン部門 回転(SL)
宮島――14位
青木――30位
野本――記録なし
浅川――記録なし
佐藤――記録なし
小川――記録なし

▼ノルディックコンバインド
成田――7位(ジャンプ3位
西方優――8位(ジャンプ9位タイ)
鈴木――12位(ジャンプ9位タイ)
菊池――15位(ジャンプ19位)

 アルペン部門回転は、出場87選手のうち約半数の42人が記録なしに終わる非常に過酷なレースとなった。明大勢も6人中4人が記録なし、2本とも滑り切ったのは宮島と青木理恩(営4=日大山形)のみだったものの、見せ場をつくったのは宮島。1本目を会心の滑りでトップ通過を果たす。2本目は失速し14位まで順位を落としてしまったが、厳しいコンディションのなかでも及第点の結果を残した。

 コンバインド競技では、前日のスペシャルジャンプで悔しさを吐露した成田健太(政経3=花輪)、今年度の主将を務めた西方優人(政経4=飯山)がそれぞれ入賞を果たした。成田はジャンプについて「自分の走力を考えると、ここでトップに立っておきたかった。実力は出せたが、結果は悔しい」と不完全燃焼の様子も3位。苦手とするクロスカントリーではコース1周目から後発の千葉(日大)へ食らいつき、優勝へ向け挽回を試みる。「1周目で死んでも(疲れても)いいと思った。最初から(千葉選手に)付いていかないという選択肢を採れば、まだ余力も残り順位は上がったと思う」と、一気に勝負をかけるも、後半力尽く。12位でゴールし、最終順位は7位入賞となった。

 また西方優は好調のジャンプで9位につけ、昨年よりも順位を一つ上げた。「会場のジャンプ台に入ってからいいジャンプを出せていて、自信を持って飛ぶことができた」(西方優)。癖のあるジャンプ台に苦悩する選手が多い中で、調整力を見せつけた。クロスカントリーでは集団に付き、途中やや失速する場面も見られたが、後半で先行していた選手を追い抜き粘り勝ち。部門5位の好タイムを叩き出し、フィニッシュラインでは拳を突き上げた。「いい感じで走れたというのもあるが、最後のレースとして、バテてゴールするより笑顔で居たかった」と、4年間の大学競技生活を笑顔で締めくくった。

 12位、15位にはそれぞれ鈴木一世(政経1=飯山)、菊池正汰(営2=花輪)ら下級生がランクイン。順位こそあと一歩という結果に終わったものの、最後まで他大学の選手に食らいつき、将来の得点源として勝負強さを覗かせる健闘だった。

[松下日軌]

試合後のコメント
西方優主将
――昨年のジャンプでは11位でした。
 「そうですね。昨年のインカレで悔しい思いをした分、修正点が明確になったので、そこを夏場のトレーニングで重点的に励んだことが、このようにインカレでの結果につながって、本当、素直にうれしいです」

――ご自身で意識していた選手などはいらっしゃいますか。
 「私が最高学年の4年生で、そもそも同期が少ない学年というのもあって、強い選手は4年生から3年生にかけて多いですね。特に中央大学の中澤でしたり、東海大学の森、中央大学の山崎は海外で試合をしていましたので、夏場よりさらに強くなってインカレに来ているだろうという意識はしていました」

――1年間キャプテンを務められました。
 「そうですね。去年の3月から主将を務めさせていただいて、最初は本当に慣れないことばかりで、どうやって人をまとめればいいんだろうか、どうやって監督とコミュニケーションを取っていけばいいんだろうかと思っていました。私はあまりこう上からモノを言うタイプではなくて、頭ごなしに言われると、やはり選手自身もやらされている感じがしてしまうので、そうじゃなくて自分で考えて行動できるようになってほしいなと思い、あえて私からは口うるさく言わないで、自分の行動で見せるように心がけてきました。今年の明治大学のスキー部は練習量も増えていましたし、一人一人の『頑張ってやるぞ』という思いがすごく伝わってきていて、良かったのかなと思っています」

――スキー競技は、大学以外の地縁によるつながりも大きいように感じます。
 「そうですね。私自身は長野県野沢温泉村出身なんですが、小学校4年生からこの競技を始めて、その時から久保田真知子さん(早大)と宮崎彩音さん(早大)とはずっと小さい頃から励まし合いながらやってきて、中学も高校も一緒で、大学は別々になっちゃったんですけど。ずっとその2人には励まされてここまで頑張ってこられたので、すごく感謝していますし、やはりその2人が居たから今の自分がいるのかなというふうに思いますね」

成田
――1年間を通して、インカレ以外にもさまざまな大会やパフォーマンスの場があると思います。これまでどのような手応えや成果がありましたか。
 「そうですね。自分、開幕戦とかは弱いタイプで、本来あまり結果やいいパフォーマンスが出せないタイプなんですが、今年は自分が入賞したことなかった開幕戦の大会なんかでも全然入賞できていました。大学生だけで数えても3番とかには確か入っていたと思います。今年はうまくいっていたと俺は思っていたんですが、みんなの状態が後半につれて上がってくるのに対して、自分のパフォーマンスを上げるというのが、あんまりしっかりとできなかったのかなと思います」

――ジャンプについてはいかがでしたか。
 「そうですね。前日はあまりいい感じで飛べなくて、立て直しを図ってジャンプしていました。前日よりはいいジャンプができたと思うのでそこはよかったと思いますが、少し自分が狙っていた順位には届かなかったかなと思っています」

――来年がラストシーズンになります。
  「インカレはやはり他の大会よりも目立てる、アピールできるいい大会なので。来年は絶対今年よりもいい順位、表彰台とか優勝とか、イチバンの姿をみんなにアピールしたいですね」