笑顔と涙の温かいアイスショー/明治×法政 on ICE 2025

 2月1日、ダイドードリンコアイスアリーナにて、明治×法政 on ICE 2025(明法オンアイス)が開催された。明法オンアイスは明大と法大の部員が主体となってつくり上げるアイスショーで、今年で7回目の開催となる。スケート部を卒業する4年生を送り出す場でもあり、笑いあり、涙ありの温かなアイスショーとなった。

◆2・1 明治×法政 on ICE 2025(ダイドードリンコアイスアリーナ)

 今年度の明法オンアイスは、例年行われているプログラムの販売に加え、Tシャツの販売も行われていた。選手自らが物販を行い、公演前から大きな盛り上がりを見せていた。演技は現役生、グループナンバー、卒業生の順に披露。選手の演技前のアナウンスや、製氷時のインタビュー動画などプログラム以外の時間にも楽しめる演出がなされていた。

[現役生の演技]
 現役生からは三浦佳生(政経1=目黒日大)、住吉りをん(商3=駒場学園)、吉岡希(法大)が出演した。トップバッターは三浦。左足のケガの影響から、演技前にはジャンプを跳ばない宣言をしていた。披露したのは、昨シーズンエキシビションで演じていた『Natural』。疾走感あふれる迫力のあるスケーティングや、力強いスピンで多くの観客を魅了した。

(写真:力強い演技を披露した三浦)

 2番目に登場した住吉は、今シーズンエキシビションで演じている『オー・シャゼリゼ』を披露。軽快なメロディーに合わせた、軽やかなステップとスケーティングを見せた。演技中盤の3連続ダブルアクセルのジャンプシークエンスも華麗に着氷。普段の試合とは一味違う、柔らかな笑顔で演じ切った。

(写真:華麗に舞う住吉)

[グループナンバー]

(写真:ポーズを決める佐藤(左)と丸山)

 明法オンアイスの大きな見どころであるグループナンバー。今回は、直前に国民スポーツ大会冬季大会(国スポ)があったことから、都道府県ごとにグループに分かれ曲を変えて演じていた。明大で初めに登場したのは東京都のグループ。『Fight Song』の優しい曲調に合わせ、住吉の華麗なイーグルで幕を切った。次に登場したのは千葉県と埼玉県の連合グループ。『Memories』の曲に合わせ、各選手が順番に技を披露した。大島光翔主将(政経4=立教新座)と佐藤駿(政経3=埼玉栄)は一緒に登場し、3回転ルッツとダブルアクセル2本のジャンプシークエンスで魅せた。続いて登場したのは神奈川県グループ。曲は『High Hopes』。三浦が中心で角度のあるイーグルを見せると、その後はグループ全員でダンスを披露した。フィナーレでは、全員が登場し、氷上を笑顔で飾った。会場も大きな手拍子が鳴り響き、盛り上がりを見せた。

(写真:ジャンプが決まり、ガッツポーズをする大島)

[卒業生の演技]
 明大からは大島、堀見華那(商4=愛知みずほ大瑞穂)が卒業生として演技を披露した。9番目に登場した堀見は、元榮愛子(商2=目黒日大)と恩師からのビデオメッセージを受け取ると、笑顔で氷上に立った。選んだのは、今シーズンのSP(ショートプログラム)である『エデンの東』。雄大な曲調に乗せた美しいスケーティングに始まり、持ち味である逆回転のスピンを披露。その後の曲が盛り上がる瞬間のダブルアクセルを華麗に決め、大きな拍手が湧いた。堀見にとってスケート人生で一番の思い出は「このプログラムを佐藤有香さんに振り付けしていただいた」こと。思いを込めて、スケート人生最後のプログラムを滑り切った。アンコールに選んだ曲は、昨シーズンと今シーズンのFS(フリースケーティング)である『La La Land』。クライマックスの明るい曲調に乗せ、笑顔でステップを披露した。

(写真:笑顔でプログラムを披露した堀見)

 10番目に登場した大島は、今シーズンのFSである『Desperado』を選曲した。「父に送るプログラムとして、今シーズンは滑ってきた。このプログラムには感謝だったり恩返しという意味が自分の中では強く含まれている。そういった意味では、明法オンアイスで明大や学生の期間に応援してくださったファンの皆さまだったり、両親に感謝を伝えるプログラムなので、今日は感謝の気持ちを込めて滑れたらいいなと思う」。感謝の気持ちを伝える場所で、特に思い入れのあるプログラムを披露することに決めた。日頃から共に練習に励む佐藤からは感謝の言葉と「ノーミスの演技を期待しています」といったプレッシャーのかかる一言が。コーチである父の大島淳さんからは「好きな道を楽しく歩んでいってほしい」とのメッセージがあった。ピアノのメロディーに合わせ、表情豊かに滑り始めると、3回転ルッツやトリプルアクセルのジャンプを着氷。思いを込めた情感あふれる演技を披露した。アンコールでは大学1、2年時にSPで使用していた『Real? By MIYAVI』を選んだ。久しぶりのロックスター登場に会場は大盛り上がり。『Desperado』の雰囲気とは一変、キレのあるステップやポージングで激しく踊り切った。

(写真:『Real? By MIYAVI』を披露した大島)

[卒業生のスピーチ、フィナーレ]
 明法オンアイスの最後には卒業生からメッセージが送られた。これまでのスケート人生を振り返り、今後についても語った。会場全体が卒業生を優しく包み込む時間に。中には感極まり涙を流す選手も。卒業生一人一人が、これまでの感謝と今後の決意を伝えた場となった。フィナーレには学年ごとに登場し観客に挨拶をした。会場内ではさまざまな選手のバナーでカラフルに彩られた。

(写真:熱いメッセージを残した大島)

 2019年から始まった明法オンアイスは今年で7回目の開催となった。明大、法大のスケート部員が主体となって実施されるこのアイスショーは、会場の設営から運営まで全ての業務を両大学のスケート部員が担っている。約2時間半のアイスショーで、これまで舞台をつくり上げてきた学生たちの努力が観客に伝わったに違いない。また、それと同時に観客からも選手たちを支える温かい雰囲気にあふれていた。選手の名前がコールされた際の歓声、演技中には手拍子で、演技後にはバナーやグッズを掲げ、立ち上がって選手を称える光景が見られた。フィギュアスケートという競技の魅力を存分に感じられる時間となった。

[髙橋未羽]

(写真:明大、法大の選手の皆さん)

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大島の公演前インタビューはこちらから
堀見の公演前インタビューはこちらから