試合後インタビュー 森川征那/第69回全日本学生選手権

2025.01.25

 昨年12月1日、大学王者を決める全日本学生選手権(府立)が開催。井上晴陽主将(法4=三井)率いる〝井上メイジ〟は大会連覇を果たし、創部70周年の節目の年に6年ぶりとなるグランドスラム(学生団体4大会を全て制覇)を達成した。今回は大会終了後に行われた森川征那(文4=三井)のインタビューをお届けする。
 1月23日発行の明大スポーツ第544号の終面に掲載された記事と併せてご覧ください。

――優勝した今の気持ちを聞かせてください。
 「ほぼ全勝。ほぼというか、ちょっと惜しいところもあったんですけど、やっぱりみんなが一人一人が気合いを入れて『4年生のために』と言ってくれて達成できたというのが本当に一番うれしいですね」

――試合全体を振り返っていかがですか。
 「合計すると2分も試合してないので、自分の中ではあっという間に終わってしまった最後の大会という感じだったんですけど。合計の2分間の中で、大学で培ってきた4年間というのが全て詰まった大会になっていたので、100点満点つけてもいいんじゃないかなっていうくらい今日の調子はすごい良かったと思います」

――大将としての試合出場が多かったですが、監督から言われたことはありましたか。
 「もういつも通り『どうせ勝つだろ』って言われて最初挑んだので。その言葉が変わらないというのは、本当に信頼されてる証拠かな、というところであるので。本当に監督の何気ない一言が、今自分の中で今後も忘れられない思い出になるだろうなっていうふうに思います」

――今回も得意技である組み技が多く見られました。
 「今年はけがばかりで、けがに泣かされた年で。組みしかできないんですけど、いろんな人のおかげで自分の組みは成り立っていると思うので、相手に対しても、指導者に対しても。組みをし始めたのは高校生の頃なんですけど、6、7年間日々やってくれた周りの人たちに本当に感謝しながら、今日は相手を投げていったので。感謝という言葉が大きいんじゃないかなと」

――後輩たちや同級生の活躍もありましたが、いかがですか。
 「自分はみんなが持ってきた波にただ乗っかっただけで、特に慢心もなく、誰が結果がどうなっても、結局自分はもちろん絶対に勝つつもりで勝負に挑んだので。勝ち負け関係なく自分のペースでやれたのかなっていうふうに思っています」

――同学年の井上主将と越智通友(営4=明大中野)選手に対してはどのような気持ちがありますか。
 「2人とも4年間苦楽を共にした仲なので、どういう気持ちで試合に臨んでるかというのも分かってますし。今大会に対しても、 井上は主将として、越智は一般生を代表して試合に臨んでいて、後悔のない試合ができたのかなっていうふうに思っていますし、心強い仲間がいて、今回最優秀選手になれたと思っているので。一生忘れられない奴らだなと思っています」

――個人としては最優秀選手を獲得されました。
 「毎年主将が獲っていたので、諦めるなんてこと(自体)も特になく。ただ自分の試合をするだけっていうふうに思って、特にそういうことは考えずにやりきったっていうところを向こうの方々(役員ら)が見てくれたのかなって思っていますし。自分の結果ではあるんですけど、やっぱり選ばれるのって他人の評価で。『絶対に評価されるような試合をやろう』というふうに思っていましたし、父にも監督とかにも『みんなの記憶に残るような試合をしてくれ』と言われたので、そのおかげで獲れたのかなと思っています」

――関根晋一監督への思いを聞かせてください。
 「僕が1年生の頃から4年間まで関根監督が監督で、優勝もしましたし、優勝逃した年もあったので。監督の悔しさというのもしっかり経験しているので、監督自身が一番今回優勝するまできつかったんじゃないかなと思っているので、そのきつさからこの1年間解放させることができてよかったなと」

――優勝が決まった後は終始笑顔だったのが印象的でした。
 「本当にうれしくて笑っていたのもありますし、笑顔で感動するタイプなので。卒業式とかもすごい笑顔で迎えるタイプなんですけど、やっぱり涙で終わるより笑顔で終わった方が、自分らしいかなっていうふうに思っているので。すごくニコニコして、カメラ向けられたらニコニコしながらポーズ。多分そういうポジティブな面が試合でも緊張とか打ち消してるような部分でもあるので。笑顔を大切にしていきたいなっていうふうに思っています」

――後輩たちに向けてはどのような期待をしたいですか。
 「決勝に出られたメンバーも出られなかったメンバーも、いっぱい(練習を)やっている人間だというのも自分はよく分かっているつもりなので。来年以降は特に心配することもなく協力し合いながらやってくれるのが一番かなって思っています。強い子も多いので、スポーツ推薦はもちろん努力して、一般生もスポーツ推薦に負けないように頑張るのを意識してほしいと。引退しても僕は練習にしょっちゅう行くつもりなので。僕も好きで続けていっていたので。拳法を好きになる必要はないですけど、拳法を楽しくやっていただければそれでいいかなと思っているので、楽しんでもらいたいです」

――最後に大学の拳法の総括をお願いいたします。
 「4年間戦った中で、1年生も府立優勝して、2年生はできなくて。3、4年生で優勝することができたんですけど、全体的に見てみると個人の力っていうよりかは、周りの力がやっぱり強いなっていう面もとても身に染みて感じているので。いつも『団体戦は 1対1の個人戦で、その勝ちで決まる』と言っているんですけど、一人一人が強いので、上級生になった時は、後輩からの追い上げに負けないように練習して、1年生の頃は先輩に追いつくように頑張っていきたい、と思った気持ちが多かったので。そういう気持ちがあってこそ今回の優勝、グランドスラムというところは目標を達成できたのかなと思ってますし、最優秀選手も、みんながつくってくれた道に僕が最後しっかり締める気持ちで、やっぱりみんながつくってくれた道を僕が基本的に進んでるような4年間だった気がするので。OBとしては今後新しい道を自分でつくっていきたいですし、他の後輩たちも自分たち道、新しい道を作っていってほしいなと思っています」

 「4年間、本当に長いようで短い4年間だったんですけど、拳法は死ぬまで続けようかなと思っているので。一般生も辞めちゃう子も、OBになって辞めちゃう人も多いんですけど、ただ、みんな『最高の4年間過ごせたな』というふうに思ってほしいので、今後もぜひそう思ってほしい。一番人生で記憶に残る4年間っていうの僕はつくったつもりですし、(みんなは)今後ともつくってほしいなって思っています」

――ありがとうございました。

[北原慶也]

森川 征那(もりかわ・せな)文4、三井高。174センチ、90キロ