4年生ラストインタビュー(1) 大竹広記主将

 第1回はFW大竹広記主将(営4=白樺学園)のインタビューをお送りします。
(この取材は1月12日にオンラインにて行われたものです)

——1年間のシーズンを振り返っていかがですか。
 「シーズンの初めに主将になってからどういう1年間になるのかという不安はありました。ですが、その中でみんなが思うように付いてきてくれて、秩父宮杯関東大学選手権(春リーグ)は勝てました。そこから勝てない時期が続いたんですけど、いろいろあった中で最終的にはとてもいいチームにまとまってくれたので、良かったと思います」

——主将として大変だったことは何ですか。
 「慣れないことがいっぱいありました。ですが、こういう経験ができるのも1学年で一人ですし、主将に任命していただいたからには、やらなきゃいけないという思いがあったので、大変と感じるというより、貴重な経験だなと感じることが多くありましたね。でもやはり過去の日本学生氷上競技選手権(インカレ)を優勝し切った先輩方であったり、負けてしまったけどしっかりチームをまとめてきた先輩たちを本当に尊敬しました」

——インカレには中條廉さん(令5政経卒)と丸山詳真さん(令6商卒)も来ていらっしゃいましたが、何かお話はされましたか。
 「決勝戦の前日にちょっと話をしてもらって、緊張するけど思いっ切り楽しんでやってこいと送り出してくれました。覚悟はしっかりできていたんですけど、ちょっと緊張してしまって、体が硬くなる部分があり、最後負けてしまいました。試合が終わって2人に会ってからは、偉大な先輩を見て安心したと同時に2人のすごさを痛感しました」

——インカレ準決勝・法大戦では、エイワ杯関東大学リーグ戦(秋リーグ)の試合と展開が似ていましたが、インカレで勝ち切れた要因は何ですか。
 「法大戦は秋に敗北した雰囲気と似ていたので、自分自身、結構心配していました。その中で、仲間がしっかり奥でプレーをしてくれて、失点につながるようなプレーをしませんでした。奥で奥で行ってゴールに向かうというゲームプランの下で始めた試合だったんですけど、それをしっかり全員が全うしてくれたので、最後に勝ち切れたと思っています。スタッフであったり、自分たちが言ったことをしっかり全うしてくれた仲間のおかげだと思いますね」

——4年間で一番思い出に残ってる試合は何でしょうか。
 「自分個人としては、3年生の春リーグの中大戦で、オーバータイムで自分が得点を決めて、チームが勝った試合が思い出に残ってます」

——その試合を振り返っていかがでしたか。
 「リーグ終盤で大事な試合だったので、緊張していたんですけど、中大と接戦になりました。延長戦で監督が自分のセットを信じて井口(藍仁・商3=埼玉栄)と自分と村社(海莉・文3=埼玉栄)で出してくれました。そこで井口と(自分が)2対1になったんですけど、井口はとてもスキルのある選手なので、敵も完全にかわして自分にパスを出してくれて、自分は叩いてシュートを打つだけでした。やはりそういう場面で決め切れたことが自分の中でとてもうれしかったので、印象に残りました」

——4年間で一番辛かったことは何ですか。
 「自分は1年生の秋から試合に出始めたんですけど、1年生の春はずっとベンチ外でリンクの上から試合を見ているような状況でした。同期も一緒に外で見ていたことが多かったので、そこは辛かったです。ですが、やはりそういう期間を乗り越えてがむしゃらにプレーしたからこそ今があると思っています。なので、そういう辛い期間、下級生の時の試合に出れなかったような期間は、今の下級生にも伝えたいんですけど、本当に大事にしてほしいと思っています。そこで腐らずにがむしゃらにアピールし続けることの大切さもやはり感じさせられました」

——一番成長できた点はどこですか。
 「プレーの面でもですが、伝統ある明治大学のキャプテンをやらせてもらったことです。今まで好き勝手やっているような性格だったんですけど、自分自身がその中でチームのことを考えるような立場になって、考えることが増えて、精神的に本当に成長したなと思います。キャプテンをやらせてもらえたことで、自分の経験値として、とても成長したので、信じて主将に任命してくれたスタッフであったり、先輩には本当に感謝したいです」

——寮生活での思い出を教えてください。
 「寮生活では、下級生の頃には上級生である中條さんであったり、菅野さん(剣太・令5法卒)、丸山さん、石井さん(佑空・令6文卒)などにいろいろなところに連れてってもらって、本当に楽しい思いをさせてもらった思い出がとても強くあります。その反対に、上級生になったらそういうのを後輩にしてあげたいという思いがあったので、多くの人といろいろなところに行った思い出が強くありますね。やはりこの仲間たちと過ごした一日一日が本当に自分にとっての幸せな時間だったなと今振り返ってみたら思います」

——中村直樹監督が「自分は鬼監督だったと思う」とおっしゃっていましたが、大竹さん自身はどう感じられていましたか。
 「自分たちが1年生の頃からの監督でした。1年生の頃はちゃんと(定着して)試合に出てる人がほとんどいなかったです。そういう現状を見て、全体練習をやった後に1年生だけで陸上トレーニングなどをプラスアルファでやっていました。特に自分は運動量であったりスピードを持ち味としてるプレイヤーなので、1年目の練習はかなりきつかったんですけど、そこのトレーニングは今になってとてもよく響いていると思っています。確かに鬼監督ではありましたが、感謝することが多いです」

——これまでの競技人生を振り返っていかがでしたか。
 「東京でやって、高校で北海道の白樺学園に行って、そこから明大に入れてもらって、ここまで本当に成長できたと思っています。次もう一回人生をやり直すとしても同じ道を行くんだろうなと思うくらい、一つ一つ意味のあるところに進んで、自分自身が成長できたと思っています。今まで16年間関わって自分を応援してくれた方々に本当に感謝したいです」

——4年間一緒に戦ってきた同期への思いを教えてください。
 「同期はフルメンバーの時は出ていない人が何人かいて、そのうちの一人がDFの9番の蔵本(翔馬・法4=釧路江南)でした。メンバーチェンジが行われて、やっぱり蔵本が試合に出るっていうようになってから、蔵本の意識がすごい変わりました。それに影響されるように周りがとてもいいような傾向になって、チームがとてもいい雰囲気になったので、同期みんなに感謝したいんですけど、その中でもやっぱり最後の(カギになった)蔵本にはとても感謝したいです」

——同期へのメッセージをお願いします。
 「同期は1年生から4年生までずっと一緒に近い存在として助け合ってきた中で、やはりいろいろなことがありました。その中でも最後自分がキャプテンとして文句一つ言わず付いてきてくれて最後みんなで力を合わせて戦ってきた仲なので、本当に4年間通じて誰よりも深い関係になって、本当に8人が同期で良かったというふうに思っています」

——寮の同部屋の後輩(FW西脇颯(文3=武修館)、FW木村詠二(文2=埼玉栄)、FW天明海太(商1=北海道清水))にメッセージをお願いします。
 「部屋の後輩はとても深く関わった3人です。ディズニーランドに行ったり、温泉に行ったり、プールに行ったりして、もう本当に家族みたいな後輩たちです。自分はとても寝起きが悪いんですけど、そんな中で対応してくれたり、本当においしいご飯を作ってくれたり、本当に感謝してます。彼らはプレーヤーとしても、生活面でもとてもポテンシャルが高い人だと思っているので、来年度からもしっかりこの308号室を守って、3冠してほしいと思います」

——来年度の後輩たちに期待することを教えてください。
 「いい1年生が入ってくると聞いていますし、そして今残っている下級生たちはみんなポテンシャルが高くて、3冠を取れるような代だと思ってます。本当に一人一人が後悔ないような行動をして、結果を出してもらえるように、自分自身もできることがあればサポートしようと思っているので、本当に悔いのないように楽しんで頑張ってほしいと思います」

——ありがとうございました。

[中川美怜]