4年生ラストインタビュー⑤/北川雄聖

2025.01.14

 今年度、関東学生春季1部リーグ戦から苦戦が続き、入替戦も経験した明大ハンドボール部。それでも土壇場で踏ん張りを見せ1部残留を果たし、関東学生秋季1部リーグ戦では王者・中大を倒すなど、チーム力を示した。本企画では、ラストイヤーを終えた4年生たちの思いをお届けする。

 第5回は北川雄聖(農4=二松学舎大附柏)のインタビューをお送りします。

(この取材は12月30日に行われたものです)

――北川選手がハンドボールを始めたきっかけを教えてください。
 「私自身がボールを投げるのが好きだったのと、親が野球をやっていたこともあって、中学校で野球部に入ろうと思っていました。ただ、自分が中学生の頃の野球部は坊主が強制だったので、それがちょっと嫌だなって思ったんです。それで、他にボールを投げる競技を探したら、市内で唯一ハンドボール部のある中学校に通っていたのでハンドボールを始めました」

――明大を選んだ理由を教えてください。 
 「高校最後の大会がなかったので、大学で競技を続ける道はないと思っていました。でも、運良く明大から声をかけていただいて、世代別日本代表の先輩がたくさんいるところで自分も成長したいと思って選びました」

――明大で過ごした4年間を振り返っていかがですか
 「自分の4年間の中で一番濃い4年間でした。人間関係の面で言えば、大学生は同じメンバーと4年間一緒に過ごす中で深い関係を築ける年齢だと思っています。競技面では、自分は他の同期と比べて高校時代は無名の選手でした。明大に入った時はすごく練習の強度が高くて、体格を合わせるために、食トレや筋力トレーニングに取り組んだのですが、無理がたたって1年生の時に骨折をして半年ぐらい棒に振ったんです。でも、2年生の時にU‐20の代表合宿に参加できる機会に恵まれました。ケガ明けで結構きつかったのですが、コンディションを調整して、アジア大会に出て2年生の時に優勝することができました。無名の選手から上がってきたのでうれしかったと同時に、優勝したことで世界選手権に出られたので、3年生の時に世界選手権で初めてヨーロッパに行っていい経験ができたなと思います」

――4年間の中で印象に残っているプレーはありますか。
 「アジア大会の決勝です。自分はディフェンス専門の選手だったんですけど、均衡した場面で自分のボールになりました。ディフェンス専門の選手はシュートが苦手なので、そういう場面でよく外すんですけど、そこで1点決めた時は、監督も『よくあそこで決めたな』と言ってくださったので、自分の中では一番印象に残っている得点です」

――今年度の春季、秋季リーグ戦は苦しい戦いが続きました。
 「選手の能力としては、他の大学にも全然負けていないようなメンバーが集まっていると思うんですけど、チームがまとまって機能してワンシーズンを通して戦い切れなかったなと思います」

――全日本学生選手権(インカレ)での戦いを振り返っていかがですか。
 「今年度のインカレは、シーズンの中でも特に悪い試合内容というか、チームの悪い部分がたくさん出てしまった試合でしたね。言葉にすると難しいんですけど、緊張感とかシーズンを通して修正できなかった部分がちょっとずつ出てしまって、最終的に後半でゲームが崩れてしまった感じです」

――今年度主将を務めた尾谷浩希(法4=愛知)選手は北川選手から見てどんな主将でしたか。
 「素晴らしい主将でしたよ。元々は結構いろいろなことを気にしたり、周りを見ることのできる優しいやつなんです。でも、チームのことを思って怒る場面もあったし自分のことよりもチームを意識して1年間頑張っていたという印象です」

――加藤良典監督にはどのような思いを伝えたいですか。
 「無名の自分を見つけて大学に呼んでいただいたおかげで、日本代表チームも経験させてもらいました。加藤監督が高校の時に誘ってくれなかったら、大学で多分ハンドボールを続けていないと思うのですごく感謝しています」

――来年度に向けて期待している後輩はいますか。
 「期待している選手ですか…向谷内(海都・営2=氷見)ですかね。真ん中のディフェンスは身長が大きい選手が頑張るところなんですけど、自分と林原(空翔・商4=藤代紫水)が一気にいなくなった後に引っ張っていくのは向谷内だけだと思っているので、頑張ってもらいたいなと思っています」

――来年度のチームに向けてメッセージをお願いします。
 「4年間は意外と短いので、過去の成績は関係なく自分たちが目標とするところまで行けるように、悔いのないように頑張ってもらいたいです」

――ありがとうございました。

[松原輝]

◆北川 雄聖(きたがわ・ゆうせい)農4、二松学舎大附柏高。189センチ、90キロ。