4年生ラストインタビュー①/黒田耕太郎

2025.01.10

 今年度、関東学生春季1部リーグ戦から苦戦が続き、入替戦も経験した明大ハンドボール部。それでも土壇場で踏ん張りを見せ1部残留を果たし、関東学生秋季1部リーグ戦では王者・中大を倒すなど、チーム力を示した。本企画では、ラストイヤーを終えた4年生たちの思いをお届けする。

第1回は黒田耕太郎(法4=幕張総合)のインタビューをお送りします。

(この取材は12月5日に行われたものです)

――今年1年間のチームの戦いを振り返っていかがでしたか。
 「試合の印象としては、正直勝ち切れない試合が多いというのがあります。前半で少し点数が離れた時に、チームの雰囲気とかあげることができなくてずるずるいっちゃうというのもありますし。あとは終盤まで競って、もう少しで勝てるなという試合を落とすこともありました。その一方で、割と強豪と呼ばれる大学と競り勝つこともできたというのは、みんなの中で自信になった部分もあります。そういった意味では、 練習の成果が出せた1年にもなったかなと思います」

――春の入替戦に秋の終盤。今年のチームは土壇場での踏ん張りが光りました。
 「そうですね。自分も同じふうに思っていて、ものすごく土壇場で、あと1試合負けたら終わりだみたいな試合をモノにすることができたというのはすごく良かったなと思いますけど、 正直本音を言えば、それを毎試合やれたら良かったなと思いますね(笑)。その原因がやっぱりいろんなところにあって、例えば普段の練習の中で少し気を抜いてしまう部分であったりとか、そういう慢心というところが、勝ち切れたり勝ち切れなかったりという波になってしまったなと思います」

――ご自身の活躍を振り返っていかがでしたか。
 「そうですね。初めて出場機会をこんなに多くもらえたので、本当に楽しい1年でした。 普段はチームを後ろから見ることの方が多かったので、もう少しこう、こうしたらいいなと思ったところを、結構積極的に言うようにはしていたんですけど、それでもやっぱ試合に出られない時間っていうのは結構、もどかしいというか。ここで自分が出て、もっと声出してチームを盛り上げればいいなと思ったこともあったので、そういう部分では少し悔しさも結構残るんですけど、初めて長いプレータイムをもらった1年間ではあったので、そういった意味では3年間の収穫はしっかりあったのかなと思います」

――昨年まではあまり出場機会に恵まれませんでした。モチベーションの調整法はございますか。
 「もちろんしんどい時もあったんですけど、基本的に自分に矢印を向けることをしていて、出られない時は、自分の筋トレの質が足りなかったとか、走りがもっと足りないとか、声も出てないとか、そういう自分の欠点に目を向けるようにしました。弱点をずっと見続けることで、モチベーションに左右されることなくやれてきたのではないかなと思います」

――印象に残っている試合はございますか。
 「二つあります。1個目は今年の秋の中央戦です。初めて先発で出た試合で、試合時間60分の中55分ぐらい出られたので、割と俺たちこんなにできるんだと、すごく感銘を受けたというか、 感激しました。個人としては試合を振り返ると、全然貢献できていないというか、最後に足がつってしまって(笑)。自分としてはもう反省しかないんですけど、試合はチームとしてはうまくいったのがすごく良かったです。二つ目がその後の立教戦です。最初から出て、最後残り5分で2点差、1点差。追われている場面で、最後から3番目ぐらいの得点かな。それを自分が決めたんですけど。(シュート)スペースが全然なかったんですよ。なかったんですけど、もうめちゃめちゃアドレナリンが出て、個人的な思いがすごく詰まったシュートだったんで、それが決まったのがものすごくうれしかったです」

――大学生活での心残りはございますか。
 「それも二つあります。1個目がすごく直近なんですけど、インカレの本当に直前で体調を崩してしまって、直前の練習試合もメンバー入れなくて、そのまま本番にいったんですけど、あれがなかったら2番手ですぐ試合に出られたんじゃないかなというのは思いました。あと一つは、結構長いスパンの話になるんですけど、2年、3年、4年というふうに年を重ねていくと、やっぱりトレーニングの質とか、ハンドボールに対する思いというのはどんどん洗練されていったんです。そういうのを考えると、4年生になって振り返った時に、1年、2年のあの頃にもっと質の高い、練習強度の高いトレーニングできたなと思ってしまうので、そこは仕方ないですけど、もう少しなんかできたんじゃないかと思いましたね」

――同期へのメッセージはございますか。
 「もう本当に感謝しかないですね。自分が最初入部した時は本当にがりがりで、なんでこんな下手なやつが入部したんだみたいな、多分そんなふうに思われたんですよ。それでも林原(空翔・商4=藤代紫水)とかキャプテンの尾谷(浩希主将・法4=愛知)とかは、ずっと笑わずにトレーニングとかを一緒にやってくれて、それがあったので、体育館の端の方で筋トレしていても全然恥ずかしくないし、結構同期にそういった面ではかなり助けられてきた4年間は感謝しかないです」

――期待している後輩はいらっしゃいますか。
 「3年生はもう全員です。(期待の)かかっていない人はいないという感じで。佑樹(近藤・農3=春日丘)にはそのままストイックに後輩を引っ張っていってもらいたいし、 タネ(外種子田渓汰・商3=国分)には全体を俯瞰できる力があるので。うまくまとめていってほしいと思います。細野(聖太・商3=春日丘)に関しては、すごいロングシュートが爆発したら絶対に強いので、もうあいつにもかかっていますし、後藤(圭汰・営3=高知中央)もすごくいいシューターで、身長高くて左利きというのは多分関東1部リーグではだいぶ少ないので。あいつのサイドシュートがあれば結構強くなるな と思います。あとは下の学年で言うと、2年生の小泉(涼太・農2=藤代紫水)ですね。やっぱり俺らの代からずっと試合に出ているというのもありますし、その経験を生かして頑張ってほしいなと思います。あと崎前(風諒・政経2=北陸)はケガしたんですけど、めっちゃ頑張っているので。頑張ってほしいなという意味で、結構期待しています」

――ありがとうございました。

[李翔恩]

♦︎黒田 耕太郎(くろだ・こうたろう)法4、幕張総合高。175センチ、75キロ。