2年連続総合3位! 古豪から復活遂げる/日本学生氷上競技選手権スピード部門

 日本学生氷上競技選手権(インカレ)が開幕。大会を通して1,2年生の活躍が際立った。特に佐々木翔夢(政経1=小海)が初日に行われた1500メートルでリンクレコードを塗り替えるとその後も勢いそのままに出場した競技全てで表彰台に登った。また、他にも多くの選手が入賞を果たし明大は2年連続となる男子総合3位に輝いた。

◆1・5〜7 第97回日本学生氷上競技選手権(富士急ハイランドコニファーフォレストセイコオーバル)

[1日目]
▼男子10000メートル
菊原颯(政経2=市立長野)――3位、14分33秒81
田原秀真(法3=長野工高)――16位、15分21秒75
原暁津(政経1=佐久長聖)――17位、15分23秒57

▼男子500メートル
水口浩斗(政経3=池田)――14位、37秒10
由井雛斗(政経2=嬬恋)――16位、37秒33
狩野亜聞(政経4=嬬恋)――21位、38秒22

▼男子1500メートル
佐々木翔夢(政経1=小海)――1位、1分49秒71(リンクレコード)
佐藤太陽(法2=帯広三条)――6位、1分52秒94
船崎優太(政経1=駒大苫小牧)――7位、1分53秒89

[2日目]
▼男子5000メートル
佐々木――1位、6分46秒60(リンクレコード)
菊原――9位、7分0秒72
佐藤――16位、7分11秒14

▼男子1000メートル
由井――10位、1分14秒35
船崎――11位、1分14秒45
狩野――17位、1分15秒41

[3日目]
▼男子2000メートルリレー 明大――6位
▼男子チームパシュートレース 明大――2位
▼男子総合 明大――3位

 男子10000メートルに出場した菊原は「菊池健太選手(専大)に前に来てもらって、全力で後を追う展開をつくろうと考えていた」と語る。その戦略通り、全日本学生距離別選手権10000メートルの王者である菊池の後方を巧みにキープ。効果的な集団走が身を結び、見事3位で表彰台入りを果たした。

 男子1500メートルではルーキーの佐々木が圧巻の滑りを見せた。レース序盤からハイペースを維持し、ゴール直前のコーナーで2位の笠原光太朗(専大)を抜き去ってフィニッシュ。1分49秒71の好タイムでリンクレコードを更新した。「リンクレコードを目標にしていた。その目標があったからこそ、攻めのレースができた」(佐々木)。記録が出にくい屋外リンクにもかかわらず、昨年12月の全日本選手権での自身のタイムに2秒差まで迫り「難しい環境の中、結果を残せてうれしかった」と笑顔を見せた。同じく明大からは佐藤と船崎が入賞し、層の厚さを印象づけた。

 男子5000メートルでも佐々木はリンクレコードを更新。男子1500メートルに続き2冠を達成したものの「あまり納得していない。もう少し速いタイムを出せると思っていたが、最後ペースを落とし過ぎてしまった」と悔しげに語った。今シーズンは、競技中にリズムを崩し不安定なレースが続いていた佐々木。「いかにペースを落とさないレースができるかが大切になってくる」と話し、課題克服への決意を示した。

 大会3日目、最初に挑んだのは男子2000メートルリレー。バトンゾーンをオーバーすると失格となるため、スピードとバトンパスの精度の両方が問われる種目だ。明大は第1走者から勢いに乗れず他大に差を付けられてしまう。それでも息の合った連携でバトンを第4走者の佐々木までつなぐと、3日連続出場の疲れを感じさせない滑りでタイムを縮めることに成功。しかしレース序盤のつまずきが響き、6位と悔しさの残る結果となった。

 ラスト競技の男子チームパシュートには、佐々木、船崎、菊原の3人が出場。「(本番までは)3人での練習も少なく、やりたいようなレースができなかった」(羽田光希監督)と語るものの、序盤から一糸乱れぬ快走を見せる。後半に入ると徐々に疲れが見え始める中、最後まで気合のこもった滑りで2位に輝いた。この結果に「元々補欠だったので心の準備ができず、足を引っ張ってしまう部分はあったが、2位になることができて良かった」(船崎)と悔しさをにじませつつも喜びを口にした。また急遽のメンバー変更が行われた中で、この順位は選手たちのポテンシャルの高さがうかがえる。

 全種目を終了し、明大は2年連続となる総合3位に輝いた。「チーム一丸で調子を上げて3位を取ることができて、(個人ではなく)チーム力を見せつけることができた」(菊原)。また、今大会をもって4年生は引退となった。ラストイヤーで優勝は果たせなかったものの、インカレ制覇の夢は確実に後輩へと引き継がれた。来季こそ表彰台から違った景色を望むことができるか。

[武田隼輔、早坂春佑]

試合後のコメント
羽田監督
――2年連続総合3位という結果についていかがですか。またその要因は何だと考えますか。
 「完璧なチーム状態でやれていたらもう少し上に行けたのかなと欲が出てしまいますが、なかなかうまくいかないのがインカレなので仕方ないです。要因はみんなで仲良く練習していることだと思います。何をするにしても、楽しいと思ってやることが一番強くなるので、もしつまらなかったら(今回の)結果もついてこなかったと思います」

――来年に向けての意気込みをお願いします。
 「この大会を通して学んだことや悔しさを糧に周りの専大や健大(高崎健大)の優勝予想を覆していってほしいです」

菊原
男子10000メートル
――コンディションを教えてください。
 「1週間ぐらい前から会場入りしているのですが、入った直後はメンバー入りが危うくなるぐらい調子が悪かったです。監督やコーチに『気持ちの面で負けているところがある』と言われて、自分に負けないように努力しました。日を追うごとに調子が上がっていき、3位という結果につながったと思います」

――3位という順位をどのように捉えていますか。
 「3位は最低限の順位として目指していたところでした。欲を言えば2位になりたかったですが、とりあえず3位になれてほっとしています」

佐々木
男子1500メートル
――最後まで笠原光太朗選手(専大)と競り合ったレースを展開しました。振り返っていかがですか。
 「笠原さんは同じナショナルチームで、1500メートルに強いのを知っていたので、入りのラップから先行することを意識しました。最後は危ない場面もありましたが、気持ちで勝ち切れたと思います」

男子5000メートル
――レースの振り返りをお願いします。
 「1周31秒をキープして回ろうと思っていましたが、最初攻め過ぎてしまい、後半に失速してしまいました。2位の菊池健太さんは1周32秒を維持していて、これが自分にとって理想のラップキープなので、ちょっと悔しかったです」

船崎
――チームパシュートのレースプランを教えてください。
 「(佐々木)翔夢が世界でも滑っていて実力もある選手なのでチームを引っ張っていって自分が後ろを押していくという戦術で臨みました」

――今大会を総括していかがでしたか。
 「調子の波も大きく実力不足を実感しました。来年はもっとしっかり練習して頑張っていきたいと思います」