
木戸組惜しくも準決勝敗退/全国大学選手権
全国大学選手権(選手権)・準決勝の相手は前回王者・帝京大。2トライを先制されるも12ー14で前半を終え後半に望みをつなぐ。しかし帝京大の圧倒的な攻撃に耐えきれず連続失点。最終スコア26ー34でノーサイドとなった。
明大キックで試合が始まると拮抗(きっこう)した戦いとなった。試合が動いたのは前半5分。パスが乱れ敵陣後方まで追い込むもスキをつかれ失点を許す。また、続く16分にもハイパントの処理でミスが起こり0―14と突き放される。「対抗戦で連続トライされて相手のペースでやられたという反省点があったので今回は長めに話し合い、崩されているわけではなかったのでもう一回詳細にこだわろうと話した」(スクラムハーフ柴田竜成・営3=秋田工)。流れを断ち切りたい明大はキックを使いラインを押し上げる。すると19分、敵陣ゴールライン付近でボールを奪うと右ウイング白井瑛人(商1=桐蔭学園)が5人を惹きつけ最後は大外にいた左ウイング海老澤琥珀(情コミ1=報徳学園)がグラウンディング。反撃ののろしを挙げた。さらに29分、相手ボールスクラムでペナルティを誘うとモールからフェーズを重ねる。帝京大の強烈なディフェンスで徐々にラインが下がるもフルバック竹之下仁吾(政経2=報徳学園)が鮮やかなキャリーを見せ、白井、海老澤とつながり最後に待っていた左プロップ檜山蒼介(情コミ2=尾道)がトライ。「これこそみんながつないでくれたトライ。取れてよかった」(檜山)。12―14で後半に望みを託した。
「前半最後の流れはよかったため後半もその流れを切らさないで最初から自分たちから仕掛けようと話した」(右ロック佐藤大地・法4=国学院栃木)。言葉通り積極的な前に出るディフェンスで守る明大だが帝京大のFWとBKが連動したアタックを止められず後半のみで0ー20と差を引き離される。しかしこのまま終われない明大はラインアウトでスチールを決めると、スタンドオフ伊藤龍之介(商2=国学院栃木)が独走。ゴールライン手前で止められるも走り込んできたしナンバーエイト木戸大士郎主将(文4=常翔学園)がトライ。そしてラストワンプレーではフェーズを重ね左ロック田島貫太郎(政経4=東福岡)が相手を蹴散らし意地のグラウンディングを見せた。最終スコア26―34で木戸組は準決勝敗退となった。
「試合としては負けてしまったが、春と比べて僕たちがペナルティを取るくらいのスクラムをしたり、ラインアウトのクオリティもはるかに上がってきていたので自分たちの成長は見れたと思う」(佐藤大)。1年間の集大成となった今試合。『奪還』とはならなかったものの、木戸組の最後に相応しい明大のラグビーだった。悲願の『奪還』は次の世代に託された。
[保坂啓太郎]
関連記事
RELATED ENTRIES