苦難を糧に 飛躍を遂げろ/秋季リーグ戦総括

 今季から2部リーグAブロック(2部A)に戦いの場を移した明大。全日本大学バスケットボール選手権(インカレ)出場を掲げ歩み始めたが現実はそう甘いものではなかった。2部Aの高い壁に阻まれ、まさかの1勝に終わってしまい苦汁をなめた。それでも、泥臭いバスケを徹底し最後まで戦い抜いた経験は今後への大きな礎(いしずえ)となる。

苦しんだ先に
 「2部Aは全員が初めて経験する場で、自分たちが想像していた以上に相手が上回ってきた」(新林未悠主将・理工4=湯沢翔北)と現実は想像を超えるほど苦しいものだった。14戦でわずか1勝の最下位に沈み、持ち味の雰囲気の良さは影を潜めた。それでも、模索を続けたどり着いたのは原点だった。「明治のバスケは〝みんなで楽しむバスケ〟と全員で振り返った」(新林)とバラバラになったチームの矢印をそろえた。そして、臨んだ2部A・Bブロック入替戦。延長戦までもつれ込むシーソーゲームは、新林の3Pシュートが勝利を決定づけた。試合後には残留を決めた喜びから選手の目には嬉し涙もあふれた。

貫いたバスケ
 「自分たちはいつも出だしが課題。相手に流れをつくらせてしまう」(山本涼菜・文4=浜松開誠館)と語るようにリーグ戦を通して前半に安定感を欠いた。特に第1Qでリードを許したのはリーグ戦全14試合のうち12試合。持ち味のスピード感のあるバスケで相手を崩すも3Pシュートを決められずチームに流れを呼び込めていなかった。一方で後半は、前半やハーフタイムで交わした意見を基に自分たちのバスケを修正していった。そのため、連携に磨きがかかり得点力が向上。苦しめられたリバウンドで競り勝つ場面も見られ始めた。また、大きく点差が開いても最後まで明大女子バスケ部に〝諦め〟の文字はなかった。

来季への兆し
 今季は新林を始めとする4年生の活躍が目立ったが、下級生の活躍にも光るものがある。昨季からスタメン出場を続ける萩原加奈(文2=浜松開誠館)の活躍は今季も健在。スピードドリブルからのレイアップは、得点以上にチームに勢いを生み出した。また、ルーキー・尾花優心(政経1=下妻第一)、中植のん(理工1=鵠沼)もリーグ戦2巡目から出場数が増えてきた。2部Aのレベルを肌で感じたのは今後の成長の大きな糧になるだろう。この経験を来季へ。そして、目標のインカレ出場につなげていきたいところだ。「インカレも目指してほしいが(一番は)楽しくバスケをやってほしい」(新林)と新生明大バスケ部へ力強くパスが渡された。

[早坂春佑]

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