
大竹組最終戦 中大に及ばず2年連続インカレ準優勝/日本学生氷上競技選手権アイスホッケー部門
日本学生氷上競技選手権(インカレ)の決勝戦を迎えた。試合序盤から攻め込む時間が続いたが、第1Pにキルプレーから先制点を許すと、その後も失点を重ね、無念の敗戦。大竹組の最終戦は悔し涙で幕を下ろした。
◆12・24~29 日本学生氷上競技選手権(テクノルアイスパーク八戸他)
▼12・29 対中大戦(テクノルアイスパーク八戸)
明大3{0―1、2―4、1―3}8中大◯
試合の序盤は拮抗(きっこう)した展開となった。両チームのGKが好守備を見せ、互いに失点を許さず。しかし、第1P残り1分15秒でキルプレーから失点。続く第2Pも序盤で立て続けに失点を許し、3点を追う厳しい展開となる。その中で、流れを変えたのがDF成瀬翼(商4=埼玉栄)のゴールだ。アタッキングゾーンからのフェイスオフで始まり、一度は相手にパックを取られるも、成瀬が奪い返し一人でそのままゴールに流し込んだ。ゴール後には、仲間や観客を鼓舞するパフォーマンスを見せた成瀬。このゴールで勢いに乗った明大は、約1分後にFW西脇颯(文3=武修館)のシュートリバウンドをFW城野友咲(政経1=駒大苫小牧)が決め、1点差まで迫った。
この勢いのまま同点に追い付きたい明大は第1セットを出場させたが、この作戦が裏目に出てしまった。シュートリバウンドを相手に拾われ、速攻からディフェンスをうまくかわされて痛恨の失点。「一旦追い付きかけた時に粘り切れなかった」(大竹)。この後さらに点差を突き放されるゴールを決められ、再び3点差の厳しい状況で最終第3Pを迎えた。第3P開始直後にパワープレーからFW小桑潤矢(営1=埼玉栄)がミドルシュートを相手GKの肩口に決めるも、その後立て続けに3失点。最後までゴールを狙う姿勢は見せたものの追い付くことはできなかった。
試合終了の合図と同時にうなだれ涙を浮かべる選手たち。「素直に終わったなというのが率直な気持ち」(FW大竹広記主将・営4=白樺学園)。日本一奪還、そして3冠の夢は後輩へと託された。来年度のインカレは東京で開催される。2年続けて八戸の地で悔し涙を流した明大。2年連続決勝で敗れた先輩たちの無念の思いも胸に、3年ぶりの日本一へ奮起した姿を見せてくれるに違いない。
[安田賢司]
試合後のコメント
中村直樹監督
——今の率直な気持ちを教えてください。
「2年連続準優勝だからね。勝って終わりたかったというのは正直なところです」
——今大会の良かった点を教えてください。
「1年生が非常に成長しました。城野、寺内(FW理雲・政経1=駒大苫小牧)、小桑、そして今まで出ていなかった香田(FW龍冴・文1=白樺学園)。その辺が本当に成長したので、来年に向けてすごくいい形になれたかなと思います」
——大竹選手はどのような主将でしたか。
「高校でキャプテンを経験していない選手でしたが、陸トレからチームを引っ張ってくれました。インカレ前も4年生だけでミーティングしてどのようにしていこうかというのを話し合っていたので、本当によくやってくれたなと思います。本当にありがとうという感じです」
——来年の4年生にはどのようなことを期待していますか。
「来年の4年生は6人ですが、6人とも個があって上手な選手ばかりです。それをどうまとめるのかがポイントかなと思います。6人がバラバラになってしまうとチームとして勝てないと思います。それをどうまとめていくかというのが私の仕事であり、キャプテン、副キャプテンの手腕にかかっていると考えています」
大竹
——ピリオド間や試合中にはどのような声掛けがありましたか。
「第1Pが終わった時は、チャンスもあって、失点も反則だけだったので、とてもいい流れでいけているという話をしました。第3Pに関しては、最後やるだけなので、全力を尽くそうと声を掛けました」
成瀬
——今の心境を教えてください。
「チーム状況が上手くいっていない中で、まず決勝の舞台に後輩を連れてくることができたことが一番の収穫です。そこで優勝させてあげたかったのですが、体調不良者とかも出ている中でよくやってくれました。準優勝で納得いっていない部分もありますが、みんな本気を出して力を出し切ったので悔いはないです」
——試合前のチームの雰囲気はいかがでしたか。
「チームの雰囲気自体はすごく良くて、僕たち4年生もあまり緊張することなく試合に臨めました」
GK吉田尋(法1=北海道清水)
——今の心境はいかがですか。
「今年1年通して試合に結構出させてもらった中であまりいいプレーができなかったです。今大会も無失点できていましたが、最後の試合はあまりチームに貢献できなかったなというプレーで、そこがどうしても悔しい気持ちでいっぱいです」
——GK渡邊周(文4=武修館)のプレーはどのようにご覧になっていましたか。
「責任や重圧があったと思いますが、それを全て受け止めてチームがきつい時でもいいセーブをして活気づけてくれました。周さんのおかげで勝ったというゲームが今年はたくさんあり、その背中を見て自分も見習わないとなと思いました」
中條廉さん(令5政経卒)
——試合を見ていく中で、どのようなチームだなという印象を受けましたか。
「自分たちの時と似ている気がしました。4年生も頑張っていますが、下級生もすごく頑張って成り立っているチームだなと思います」
丸山詳真さん(令6商卒)
——4年生のプレーはいかがでしたか。
「去年は今の4年生もまだまだ気持ちを前面に出してプレーする年ではなかったと思います。ですが、今はみんな4年生としての自覚がプレーでも見られたので、そこはやはり強い思いがあるのだろうなと思いました」
関連記事
RELATED ENTRIES