(3)明大ヨット部
本学ヨット部は、昭和16年に創部。OBに俳優の小林隆氏(昭59文卒)らがおり、小林氏が4年のときには関東インカレスナイプ級を制した伝統ある部だ。しかし近年は、日大・早大が常に明治の前にいる状況で、一昨年の全日本インカレで総合3位に入賞した時も、上には日大と早大がいた。
そんな中、本年度の主将に就任した近藤は、北京五輪に出場する姉・愛選手と同様の実力者だ。中学生のころから数々の国際大会で上位に入賞している。そんな近藤主将が乗るスナイプ級は、昨年の全日本大学選手権でトップクラスの力を発揮。レース中に風が止まるというアクシデントさえなければ、優勝も夢ではなかったほどだ。今年は、経験豊富な近藤主将、窪田(理工4)、星野(商4)の4年生3人を中心に、下級生を引っ張っている。
一般部員も1人入部して、秋のシーズンへ向けて活気づいている明大ヨット部。まだまだ新入部員募集中で、希望者はヨットの試乗も体験できる。悲願の全日本インカレ総合優勝へ向け、今日もホームグラウンド(?)の八景島でトレーニングに励む彼らとともに、大自然を味わってみてはいかが?
☆本紙記者のヨット体験記☆
自分はヨット部の担当記者になり、これを機にヨットのことを知ってみようと思い、部員たちの計らいで、試乗させてもらった。自分は、今までに一度もヨットに乗ったことがない、まさに未経験だった。
乗る前は、「船が勝手に前に進むのだろう」と思っていた。だが、それは予想を超えていた。実際ヨットに乗ってみると、艇の軽さに驚いた。ヨットに乗り込むときには、緊張のあまり「生まれたばかりの馬のように足が震えていた」(星野)という。
風の動きを読んで走行するヨットの操縦は、予想以上に難しかった。最も複雑だったのは、帆を操ることだった。特に、ジブセール(小さな帆)の操作が難しかった。ジブセールには、ひもが二つあり、その二つをバランスよく操作しなければならないのだ。難しさのあまり、自分の操縦ミスで転覆しかけて、ズボンがびしょぬれになった。まさに、ヨットのレースは、帆の操作と船のバランスが勝敗を分けると思った。
最初は、おぼれてしまうのではないか、というのが正直な感想だ。しかし、星野の優しい指導で徐々にコツをつかみ、最後はうまく操作できるようになった。自分が試乗した時は、あいにくの曇りだったが、潮風がとても気持ち良かった。ヨットに乗るまで分からなかったが、己の力だけでなく、風の力を受けて、前へと進むところがヨットの魅力なのだと分かった。
3回にわたって連載したヨットの紹介はいかがでしたか?今後Yacht八景では、大会前などに、日々練習に精進する明大ヨット部の素顔に迫り、随時更新していきます。
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