
(女子)住吉総合8位、江川総合20位と悔しい結果に/全日本フィギュアスケート選手権
全日本フィギュアスケート選手権(全日本)最終日。20日に行われた女子SP(ショートプログラム)から1日が空き、女子FS(フリースケーティング)の演技が行われた。SP7位発進の住吉はジャンプでミスがあったもののまとめ切り総合8位、SP15位発進の江川はジャンプの回転に抜けが出るなど本領を発揮することができず、総合20位で今大会を終えた。
◆12・19〜22 全日本フィギュアスケート選手権(東和薬品RACTABドーム)

SPで上位6人が70点以上を記録する非常にハイレベルな戦いとなった今大会。「自分以上を求めるのではなく、自分のできる精一杯を出せるようにしたい」と意気込みFSに挑んだ住吉。勝つために大技4回転トーループを投入しないという強気の構成で挑んだ。ダイナミックな『Adiemus』の音楽に合わせ、冒頭のダブルアクセルを華麗に決めると、その後の3回転ルッツとダブルトーループも着氷した。しかし、その後の3回転ループは若干の乱れがありながらの着氷となり、続く3回転サルコーで転倒。「ループが危なかったところで集中が少し途切れてしまって。得意なはずのサルコーで力んでしまった」とミスを分析した。それでもその後は大きなミスなくジャンプを決め切った。夏の間にこれまで以上に練習を積んだというステップは最高難度のレベル4を獲得し、GOE(出来栄え点)は1.34を記録。スケーティングでも魅せた。
「おととし、昨年と笑顔で終わることができなかったので、笑顔でキスクラに戻ることができたというのは、すごく自分にとって成長」と試合後口にした住吉。ミスの後に演技で大きな乱れが起きなかった点も含め、精神面での成長を実感していた。この先を見据え「1年後の全日本までに残り365日、一日一日を大切にして、やり切ったと思える演技を全日本でできるぐらいの強さを持ちたい」と心強い言葉で締め括った。

今大会で8位以内を目標に取り組んできた江川。SPでは、自身の持ち味でもあるスピンで思わぬミスがあり、悔しいスタートとなった。FSは「昨年よりも練習ではすごく安定していて、その自信のまま挑んだ」と振り返る。冒頭の3回転ルッツでミスが出ると、その後の得意とするダブルアクセルもシングルジャンプとなるミスが続いた。「不安なジャンプが大きなミスになってしまって。その少しの不安をあまり気にせず思いっ切りやるという最後の気持ちが足りなかったのかな」と悔しさを口にした。
今大会前には最近の課題を「表現面で点数に表れていない部分」と挙げた江川。点数として評価してもらうために、スケーティングの正確さなど基礎的な部分を重点的に取り組んできた。スケーティングの面では緊張がある中で「東日本よりはすごく成長したプログラムを見せることができた」と確かな手応えを感じた。「ジャンプやエレメンツに関しては悔いの残るものになってしまったが、それ以外の面においては自分がしたい演技はできたと思っているので、この舞台で演技できてすごく幸せっていう気持ちも、悔しさとは別に感じられた試合になった」と笑顔で振り返った。
両選手悔しい結果となるも、成長を感じられる部分や今後の改善点を見つけ、さらなる成長の手がかりをつかむ大会となった。来シーズンの全日本はミラノ・コルティナダンペッツォ冬季五輪の選考が懸かるさらに重要な大会となる。全日本という大舞台で真価を発揮できるか。
[髙橋未羽]
試合後の囲み取材より
住吉
――2024年の最後の大会になりますが、ここまで振り返っていかがですか。
「200点台をグランプリシリーズで出すことができたりだとか、国内大会でも少しずつ、本当に一歩一歩自分の成長を感じることができた1年だったなと思います。今シーズン、メンタルの部分で自分のルーティンや臨み方を変えたシーズンで、それが少しずつ成長を感じることができた1年になったかなと思います。ですが、まだまだ弱いなということも再確認できました」
――今年は自己変革の年ということで、これまでの歩みを今振り返って、この全日本という場でどのように生きたと思いますか。
「一つミスがあった時に崩れてしまうのが今までだったかなというふうに思うんですけど、その点、これまでにやってきたことが正しかったということを感じられる演技にはなりましたし、正しい方向性になったからこそ、まだまだ弱いから、弱いところを強くしなきゃいけないなというふうに、再認識できた試合にもなりました」
江川
――今日ここは頑張れたという部分や、全日本という舞台だからここは絶対やりたかったこと、自分を褒めたいと思うところはありますか。
「FSはラストのステップがすごくお気に入りの部分なので、そこをしっかりお客さんに伝える演技というのを一つの目標にしていたので、それに関しては達成できたのかなと思います」
――数々のスケーターが滑ってきているこの曲で、自分なりのトゥーランドットにしたいとおっしゃっていたと思います。ここまで振り返っていかがですか。
「やはりこの曲はすごく難しい曲で。これを選択して良かったのかなというふうに少し思うこともあったりしたんですけど、それも自分の選択が合っていたというか、間違ってなかったなって思える、そういうプログラムにしたいという思いもすごく強かったので。そこはまたジャンプとは別の課題ではあるんですけど、今季頑張ってこれたかなと思います」
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