FW戦で関西王者撃破 準決勝進出!/全国大学選手権

2024.12.22

 全国大学選手権(選手権)・準々決勝の相手は関西王者・天理大。試合開始後は自陣でのプレーが続いたが、明大が徐々に主導権を奪い返していく。前半は天理大をノートライに抑えると、後半開始後も連続得点で点差を突き放した。試合終盤は天理大に連続トライを許すも、逃げ切った明大が最終スコア2421で2年連続の準決勝進出を決めた。

◆12・22 全国大学選手権(三重交通Gスポーツの杜鈴鹿)
▼対天理大戦
◯明大24{10―0、14―21}21天理大

 最初に流れをつかんだのは天理大だった。前半3分、スタンドオフ伊藤龍之介(商2=国学院栃木)のフリーキックがインゴールまで伸び、天理大のゴールラインドロップアウトで再開。ボールをキャッチした右フランカー福田大晟(商4=中部大春日丘)を中心にフィールド中心でフェーズを重ねるも、ノットリリースザボールで好機を生かすことはできなかった。その後は自陣でのプレーが続いたが、相手のペナルティーで万事休す。試合が動いたのは20分、相手のハイタックルでペナルティーキックを獲得した明大は一気にゴールラインまでの前進に成功した。マイボールラインアウトでは、ジャンパーの左ロック田島貫太郎(政経4=東福岡)から左フランカー最上太尊(商3=仙台育英)にボールが渡り、小規模のモールを形成。そのまま速攻し、福田が先制トライを決めた。「天理さんのサインを丸パクりにしたプレー。自分たちがしっかりそれを再現してFW一人一人が役割を果たせたので、FWのトライだと思う」(福田)。その6分後にも、ゴールライン付近でのラインアウトの後、抜けたフッカー金勇哲(営4=大阪朝鮮)がゲイン。サポートに付いた左プロップ檜山蒼介(情コミ2=尾道)がもう一度押し込みグラウンディングを決めた。前半終盤は、自陣にボールを寄せ付けない圧倒的な攻撃力で、天理大アタックを封じ込める。試合を10―0で折り返した。

 後半も明大優位の試合展開となった。8分、自陣10メートルラインで檜山がジャッカルに成功しチャンスメーク。続く敵陣ゴールライン付近でのラインアウトでは、モールを形成後に右方向へ展開していき、FW陣でブレークダウンを重ねた。しかしトライは取り切れず、アドバンテージで再びラインアウトで再開。その後、天理大が3連続のオフサイドでシンビン判定となり、明大が一気に流れを手繰り寄せる。そして4度目のラインアウト。同様にモールを展開し、金勇がインゴールに飛び込んだ。「何回も相手が反則していて何回もスローしなければならなかったので、ちょっと緊張していた。でもしっかりいいところに来れて、モールもトライにつながったので、チームに貢献できて良かった」(金勇)。18分、敵陣フィールド左側で相手ボールラインアウトを押し込みマイボールとすると、右側にフェーズを重ねナンバーエイト木戸大士郎主将(文4=常翔学園)が追加点を決める。前節・東海大戦で欠場していた木戸が、復帰戦で雄たけびを上げた。しかし、これを機に明大のスコアは動かず。29分、33分と連続トライを献上。「試合終盤になって気の緩みが出てきてしまった」(右ウイング白井瑛人・商1=桐蔭学園)。試合終了間際、明大のノックオンによる相手ボールスクラムからパスを左右に展開され、勢いに乗った天理大が追加得点。そこで試合終了のホイッスルが鳴り響き、24―21でノーサイドとなった。「自分たちのペナルティーで失点する場面が多かった。後半になっても前半からやってきたことを継続できるようにしたい」(最上)。

 次戦は1月2日。迎える相手は帝京大だ。「夏合宿も対抗戦(関東大学対抗戦)も負けている分、相手は余裕を持ってくると思うので、しっかり準備していきたい」(白井)。正月越えを果たした木戸組が目指す場所は『奪還』ただ一つだ。 

[森口絵美理]