前期を終えて<田中蔵馬>

 春の集大成として臨んだ関西学大定期戦を終え、前期の練習も終えたグリフィンズ。昨年学生日本一に輝いた関西学大との試合を経て、この前期をどう感じたのだろうか。

定期戦を振り返って

 昨年は1年生ながらもグリフィンズのQBを務めた田中蔵馬(政経2)。今年もスターターとして試合に出場している。先月14日に行われた関西学大戦では「気持ちで負けない」と目標を掲げ、試合に臨んだ。

 「(関西学大戦は)ランが思った以上に通ったのが感想です。後輩の1年生の活躍もありましたし。ただパスが問題。ランが通っているのにパスが通らなくて、攻撃のリズムをつかむことができませんでした」。

RUSHING PASSING
◆昨年の成績◆
回数 45 試投数 68
YDS 191 成功数 31
TD INT
LONG 38 YDS 486
平均 4.2 TD
    LONG 69
    成功率 45.6

 前半は関西学大相手に、ランを中心としたプレーにパスを織り交ぜ攻撃に徹したものの、後半に入るとアジャストされ本学は攻め手を欠いた。本学が得意とするテールバックのオープンプレーも思うようにゲインできず、パスプレーも相手ディフェンスによってレシーバーが完全に押さえ込まれてしまった。試合を終えてみればタッチダウンが1本と寂しい内容だった。

 「今シーズン初めての試合だからといって試すんじゃなくて、勝ちにいく選択をしました。オフェンスはできるだけタイムを使って、試合をコントロールするつもりでした。ランが結構出ていたから、もっとランを出していって点を取らないと駄目ですね。まだまだ力不足です」。

※関西学大定期戦の記事はこちら

オフェンスはQBの成長次第

 昨年はレシーバーに小薗翔太郎(平19営卒)という絶対的な存在がいたが、今年その抜けた穴は大きい。レシーバー陣は石井亮(政経4)、安田錦之助(営2)が中心となり、その穴を埋めようと必死に練習に励んでいる。今年、パスプレーに力を入れるグリフィンズにとって、またQBの田中蔵馬にとっては大きな課題である。そのことについて田中は言う。

 「レシーバーとQBの経験が例年以上に足りないから、これからもっと練習しなければいけない。僕は石井さんを一番信頼しています。頼りにしています。だから、問題はレシーバーどうこうではなく、僕のQBとしての成長次第だと思います」。

基本を押さえ、精神面を鍛えていく

 オフェンスは自身の成長次第と答えた田中。では、前期を終え秋のリーグ戦に向け、どこに力を入れていくのかを尋ねた。

 「練習でできたことが本番の試合でできないのは、まだビビッてるところがあるんだと思います。だから精神面を鍛えたいと思います。夏は基本プレーの精度を上げて、攻撃のバリエーションを増やしていきたいです。秋のリーグ戦ではすきのない、スピードのある自分たちのプレーができるよう頑張ります」。

◆田中蔵馬 たなかくらま 政経2 日大三高出 182cm・76kg