(33)1年生の一日/‘08ルーキー特集

◆平日
5:30(冬季は4:00) 起床・掃除

 早朝、目覚めてからすぐに「1年生の仕事」は始まる。風呂・脱衣所、お手洗い、用具庫から部の車(部車・ぶしゃ)まで、1年生それぞれに割り振られた担当場所を毎朝掃除する。春に割り振られた担当場所は、1年間変わることはない。

 およそ15分間かけて「(お手洗いならば)汚れだけでなく臭いがなくなるまで」(木村・文1)念入りにみがきあげる。もちろん手抜きがあれば、後で先輩から注意を受けることに。

6:45~8:45 陸上トレーニング

 1年生は15分前の6時半までに整列し、先輩を待つ。

 プレー中の持久力を付けるため、今年から短距離走を中心としたメニューに変わった陸トレは、高校時代の厳しい練習から間もない1年生ですら最初のうちは吐いてしまう者がいたほど。ただその効果は着々と出ているようで、「(短距離走の)タイムもどんどん縮まっている」(梁取アイスホッケー部門主将・政経4)という。

(冬季)6:30~8:00 氷上練習

 氷上練習の時季は、まだ日も昇らぬ4時半に始発電車に乗り、西東京市のDyDoドリンコアイスアリーナへ向かう。上級生は部車で行くが、1年生は乗ることができない。用具のみ部のトラックに乗せて、およそ1時間半電車に揺られる。

 藤井監督の指導の下みっちり氷上で汗を流した後、1限がある者以外は寮へ戻り、前述の掃除に取り掛かる。

9:00~19:00 授業

 体育会員といえども、本業は学業。疲れの残る体で和泉校舎へ向かい、1日あたり3コマくらいという、一般学生とあまり変わらない数の授業を受ける。教職課程を取る者はさらにコマ数が増える。

 基本的に練習より授業が優先だが、試合前となれば授業に行けないこともしばしば。どちらを優先するかは、梁取部門主将の裁量となる。「体育会に理解のない教授の授業は大変」(木村)。しかし寮生活の部員にとって、部外の友達と過ごす貴重な時間だ。

19:00~ 寮での自由時間

 寮の門限は19時。授業後友達とのんびり遊ぶ暇もなく、食料などの買い物を済ませ寮へと戻ってゆく。

 このあとは各学年1人ずつの4人部屋で自由時間。「朝が早いので部屋では寝ていることが多い」(角橋・政経1)、「先輩と雑談を楽しむ」(木村)、「PSPで遊ぶ」(石橋・政経1)など、それぞれ思い思いに過ごす。

 スケート部の他部門や競走部などと同居の寮には食堂もあるが、アイスホッケー部門の夕食は部屋で自炊する。4人分をまとめて料理してみんなで食べる部屋もあれば、それぞれに炊飯器などを持っていて自分の分だけつくる部屋もあるなど、部屋の個性が表れる。

 木村の部屋と木谷(商1)の部屋はそれぞれに料理する部屋。「米は2合くらい炊いて、少し残して冷凍する。おかずは野菜炒めが多い。野菜も食べないとやっていけない」という木村のこの日の夕食はやはり野菜炒め。一方、たまねぎを刻む木谷は「先輩に頼まれた。何を作るのかは分からない…」

22:00 予定の伝達

 1年生が梁取部門主将から翌日の予定を聞き、22時半ごろにすべての部屋へ伝達する。

 なお、1年生と上級生との会話にもいくつか決まりがある。
・入室するときは、部屋にいる上級生の人数だけ「オス!」という。
・話しかけるときは「失礼します、○○さん」と言い、返事されるまでは話し始めてはならない。
・もちろん敬語で話す。ただし「いや…」ではなく「いえ…」、「いいですか」ではなく「よろしいですか」と言う。

 予定を聞く際だけでなくすべての会話をこの通り進めなくてはならないが、同じ高校の出身同士では免除されることも。

(冬季)用具の積み込み

 翌日の氷上練習に備え、前夜に部のトラックへ用具を積み込む。このときも、下級生の荷物を下、上級生の荷物を上にして積み込んでいく。

就寝

 消灯時刻は決められていないので何時まで起きていてもいいが、翌日は早い。「0時半までには寝るように心がけている」(木村)。

 こうして八幡山の1日が終わり、日の出からまた規律正しい1日が始まる。

◆土日

 1週間失敗なく過ごせば、土日は「フリー」となる。寮を出て遊ぶことのできる貴重な2日間だが、1年生1人は「フリー番」として寮で留守番をしなくてはならない。「順番とかじゃなく、じゃんけんで負けた奴がやることになってます。厳しいですよ(笑)」(木村)。

希望に満ちた大学生活。彼らは“プライド”をかけて氷上に立つ
左から高橋(政経1)、草森(政経1)、石橋、角橋 あまりに過酷に見えるかもしれませんが、体育会指折りの厳しさの寮生活で鍛えられることで、1年生たちは全国トップレベルの氷上の戦士へと成長していきます。 「厳しい練習の中、普段の生活から自己管理が大切」(木村)と、1年生もしっかり意味を理解して日々取り組んでいます。この冬、自らを鍛えた1年生の活躍に大いに期待!