王者の意地見せられず 初戦スコアレスドロー/全日本大学サッカー選手権

2024.12.14

 全日本大学サッカー選手権(インカレ)初戦は鹿屋体大との対戦。前半、後半ともに流れをつかめず〝明治のサッカー〟をすることができない。両校得点することなく、引き分けという結果で終了した。

 ついに中村組最後の戦いが幕を上げた。初戦の相手は15大会連続27回目のインカレ出場となる鹿屋体大。序盤は相手にペースを乱され、明大らしい積極的な攻めを展開することができなかった。徐々に前線にボールをつなげるようになるも、相手のスキのない守備を前に突破口を見つけられない。「全然明治のサッカーができなかった。相手の守備が固くてなかなか点を入れられなかった」(内田)。厳しい状況を打開できず、勝負の行方は後半に託された。

(写真:ボールを持ち運ぶ熊取谷)

 0-0で迎えた後半。「『明治のサッカーをやろう。三原則が全然足りない。もう1回理屈とか戦術うんぬんではなく、自分たちの足元を見つめ直そう』という話を栗田さんからいただいた」(中村)。HTで改めてベースの意識を強めた明大は、積極的なビルドアップを見せる。「後半は人とボールが動くようになって、少しいいサッカーになった」(栗田大輔監督)。その後は何度もゴール前まで迫るが、チャンスをモノにできず。なかなか決定機が訪れない試合展開の中、ゴールへの執念が両校のプレーをさらに白熱させる。75分、激しい攻防の末、抜け出た相手の鋭いシュートが枠を捉えたが、明大の守護神・上林がギリギリではじきピンチをしのいだ。続く89分、明大も負けじと右からのクロスを熊取谷がつなぎ、受けた林が強烈なシュートを繰り出す。ついに待望の先制と思われたが、相手GKが決死のセーブを見せネットを揺らすことはできず。その後も得点は入らず初戦は痛み分けに終わった。

(写真:先発出場し、守備を担った大野)

 インカレ初戦を華々しい勝利で飾ることはできなかった。日本一をつかむためには今後、負けることは決して許されない。挑戦者ではなく、前年度王者として迎えた今大会。「本当に強いチームだったら、相手の『明治を食ってやろう』という熱量をさらに超えて勝てると思う。今日、勝ち切れなかったのはまだまだ自分たちの実力不足かなと思う」(中村)。次節は1勝を収めている大院大との対決となる。いざ3冠、連覇の達成へ。紫紺の戦士たちの最終章は始まったばかりだ。

[藤原茉央]

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