戦い続けるおじいちゃん――明月
「戦うおじいちゃん」――馬場馬術競技に欠かせない馬、明月を柘植(法3)はこう評価する。そんな明月の年齢は22歳。第4回で紹介した総合馬・明商(めいしょう)と並ぶ高齢馬だ。
馬場のエース
「息切れしながら頑張っている」(柘植)と22という年齢が邪魔をし、体がついてこないこともある明月。しかし明月は長い間、馬場馬術競技でタイトルを獲得してきた経験豊富な馬だ。さらに試合になると「本気を出すところを知っている」と、長い経験が物を言い、試合において心強い存在だ。
馬場馬術競技は決められた経路で馬を運動させ、いかに馬を従順させられるか、美しく運動させることができるかを競うもの。人馬一体となった技術と美しさを競う競技だ。常勝明治が得意とする馬場馬術において、勝負に強い明月はなくてはならないエースだ。コンビを組む柘植も「気持ちも若いし勝負ができる馬」と明月の実力を認めている。
年齢的に劣る体力など、心配が尽きない明月だが、まだまだ勝つことのできる馬として必要とされている。
コンビ力
練習時も柘植は、その日の練習で決めた課題を明月とともに特訓。「これを頑張ろうと思ったところに明月は変化してくれる」と、明月と柘植のコンビは共に成長してきた。自身についてきてくれることもあってか、そんな明月を柘植は「かわいい」と愛情を注いでいる。また他の部員たちも「柘植さんとのコンビだと勝てる」と柘植と明月のコンビを高く評価している。
「最近は調子もいいし勝ちにいける」(柘植)。未だにエースの座を保持し続ける明月の次なる舞台は関東インカレ。戦い続けるおじいちゃんとコンビを組む柘植が見せる馬場馬術ならではの優美ある歩様が、常勝軍団に勝利をもたらす。
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