
全国の舞台で健闘見せるも明大勢散る/全日本学生室内選手権
全日本学生室内選手権(インカレインドア)本戦2日目。明大勢からは男子シングルス2回戦に3人、女子ダブルス1回戦に1組が登場した。どの試合も拮抗(きっこう)した展開を見せるも一歩及ばず。2日目にして全員が敗れる悔しい大会となった。
◆12・11〜15 全日本学生室内選手権(ブルボンビーンズドーム)
▼12・12
[男子シングルス本戦2回戦]
山中 1{6―3、3―6、4―10}2 寺島(法大)〇
川上 1{2―6、6―3、3―10}2 有本(慶大)〇
水野 1{1―6、6―4、11―13}2 岩本(関大)〇
[女子ダブルス本戦1回戦]
五十嵐唯・丸山組 0{4―6、5―7}2 石川・上林組(姫路大)〇
【男子シングルス本戦2回戦:水野惺矢(政経1=四日市工)VS岩本晋之介(関大)】

(写真:フォアハンドを打つ水野)
11月に行われた関東学生選手権(夏関)で1年生ながらベスト4という好成績を残した水野。「夏関からかなりいい調子できていた」と全国の舞台であるインカレインドアにも万全の状態で挑んだ。試合の流れをつかむ上で重要な立ち上がりで、自身のサービスゲームを難なくキープ。このまま先にブレークし勢いに乗りたいところだったが、その思いとは裏腹に相手に6ゲーム連取を許してしまう。「相手のプレーがかなり良くて、自分の調子が上がる前に取り切られてしまった」。猛攻を防ぐことができずゲームカウント1―6で第1セットを落とした。
「自分より強い相手だったのでファーストセットは思い切りいこうと思っていたが、セカンドセットはゆっくりラリーをして自分のペースでいくことを意識するようにした」。セット間で冷静に試合を振り返り、ラリーでの攻め方を変えて臨んだ第2セット。先に2ゲームを連取されるもすぐに1ゲームを取り返し、相手にゲーム差をつけられないよう食らいついていく。そして、第5ゲームでのブレークを皮切りに水野の調子が上がり、多彩な球種と鋭いフォアハンドストロークによる見事な攻撃で4ゲームを連取。「ファーストセットとは違うことをやろうと試していたことがうまくはまった」。そのままゲームを重ねていき、第2セットを6―4で取り返して見せた。
勝敗が決する運命のファイナルセット。今大会では2ポイント以上の差をつけて10ポイント先取した方が勝利となるスーパータイブレーク方式で行われた。そのため1ポイントの重みがかなり大きくなり、自然とプレーにも緊張感が走る。序盤からコート全体を使うハイレベルなラリー戦を繰り広げ、お互いがポイントを取られては取り返すシーソーゲームの展開に。カウント8―9で先にマッチポイントを握られる展開になるも、ネットプレーで決めに前へと出てきた相手の横を抜く完璧なパッシングショットでデュースへと持ち込み、試合を終わらせない。「サーブとリターンでしっかり集中して、ストローク戦に持っていくことを意識した」。得意のストロークで勝ち切る策を講じ果敢に攻め込むも、相手の強烈なサーブに苦しみ「大事なところでサービスエースを取られてしまった」。勝負強さやメンタルの部分で一歩及ばず。11―13という僅差でファイナルセットを落とし、初のインカレインドアは本戦2回戦敗退という結果に終わった。
【女子ダブルス本選1回戦:五十嵐唯愛主将(政経3=四日市商)・丸山愛以(商3=四日市商)組VS石川こころ・上林真奈組(姫路大)】
明大女子部から単複通じて唯一の本戦出場となった五十嵐・丸山組。「主将と副将で組んで本戦に出れたのが私たちだけだったので、明治の代表として一つでも多く勝って、チームに貢献したいという気持ちで臨んだ」(五十嵐)。
第1セット、互いにキープし合いゲームカウント1―2で迎えた第4ゲーム。サービスゲームながらミスが重なりブレークを許してしまう。しかし2―4となった第7ゲームで丸山がリターンエースを決めると、五十嵐が前衛の横を抜く正確なショットでブレークバックに成功。次のゲームもキープし、ゲームカウント4―4まで追い付いた。勢いに乗りたい五十嵐・丸山組だったが「相手のサーブが良かった。リターンゲームでなかなかブレークできなかったところが苦しい展開になってしまった」(丸山)と第9ゲームは1ポイントも取れずキープをされる。第10ゲームでは丸山の激しいラリー展開から五十嵐のスキを突いたボレーで点数を奪うも、取り切ることができず。ゲームカウント4―6で第1セットを奪われた。
続く第2セットで巻き返しを図りたかったが、いきなり3ゲームを連取されてしまう。その後キープし1―3となった第5ゲームは丸山の力強いリターンや五十嵐のボレーでブレークに成功。しかし次のゲームですぐにブレークバックを許すと、そのままキープされゲームカウント2―5と後がない状況に。それでも「サービスゲームをキープしてブレークを1回すれば追い付くと分かっていたから、気持ち的にはそこまで劣勢だと思わずプレーできた」(五十嵐)。代替わりをしてチームの中心を担う2人は、落ち着いたプレーを見せる。試合途中から2人で積極的に前に出てボレーをするスタイルでポイントを量産。3ゲームを連取しゲームカウント5―5まで追い上げを見せた。しかしその後はミスが続き、5―6で迎えた第12ゲームも相手がブレーク。粘りを見せるもセットカウント0―2で、悔しい本戦1回戦負けとなった。
[久保田諒、高橋佳菜]
試合後のコメント
山中朝陽(文3=四日市工)
――今試合を振り返っていかがですか。
「ファーストセットは相手のミスもありながら自分のプレーも良かったんですけど、セカンドセットから相手が立て直してきて、自分もちょっと落ちちゃった部分がありました。圧倒されてたわけじゃないんですけど、自分が付いていく展開になってしまったのがあって、それがファイナルセットの1ポイント目でも引きずっちゃって、自分が後手に回る展開が多かったです」
――今試合の課題点はありましたか。
「自分の体調管理の部分もあるんですけど、1週間前まで肺炎になっちゃってて、体力面であったりとかちょっとした感覚っていうのがまだ全然なくて。でも今の自分の現状を把握して、それに対応するというか、できるテニスっていうのをやるべきだったなっていうふうに思います」
――4年生として迎えるラストシーズンに向けて意気込みをお願いします。
「もうテニスやるのもあと1年なので、残り数少ない大会の中で自分の自己ベストを更新できるように頑張ります」
川上慶槇(法1=大分舞鶴)
――試合を終えてお気持ちはいかがですか。
「今回、ワイルドカード(主催者推薦枠)で、チャレンジャーとして全試合に臨ませてもらったのが良かったのかなと思っています。夏関で、1回戦負けで悔しい思いをして、本当にこの大会に出れると思っていなかったなかで、出れるってわかってからは、気持ち切り替えて、モチベーションも高く練習できました。試合も4試合やって、3試合はファイナルセットまでもつれ込んで、そのうち2試合をしっかり勝ち切れたので、気持ちの面で一番成長できたと感じています」
――今日の試合を振り返っていかがですか。
「ファーストセットは、会場の雰囲気もここに残っている選手も僕より全然強くて、圧倒されて、自分のできること以上のことをやろうとして、空回りしてしまいました。最初にポイントを離されてから、あんまりよくなかったんですけど、セカンドセットで気持ちを切り替えて、できることをやろうっていうふうにしました。相手は結構攻めてくるのに対して、しっかり我慢強く守れて、最後で攻守逆転できるような、ショットだったりを選択してできてたので、良かったのかなと思います。ファイナルセットは、セカンドセットを取って少し余裕が出てきて、攻め急いでしまったというか、気持ちが先走ってしまって、足が付いていってなかったところがありました。あとは相手はシードなのでまだ2試合しかしていないなかで、僕は4試合目だったので連戦で、予選から勝ち上がっていくことの難しさと、 1試合1試合短く終われるように集中して取り組むことの大切さを感じました」
――次戦への意気込みをお願いします。
「新進(関東学生新進選手権)では上位を狙うのはもちろんなんですけど、勝ち上がるっていく上で、ゲームを短く、ポイントを短く、どれだけ体力を消費しないで、誰よりも常にフレッシュないい状態で臨めるようなプレーができるよう意識していきたいです」
水野
――ラリーの中でスライスやロブを織り交ぜた展開が見られましたが、事前に意識していたプレーでしたか。
「そうですね。相手がバックハンドが得意なタイプだったのでフォアハンドを崩そうと思って、いろいろなボールを使って相手の苦手な部分を崩そうとしていました」
――相手は今大会の第3シードでしたが印象はいかがでしたか。
「夏にあったインカレでも競った試合を全部勝ってきていたし、大事なところでのサーブがすごくて、そこのメンタル面っていうのは学ばなければいけないと思いました」
――インカレインドアを総括していかがですか。
「全体的に調子がすごく良くて、この前秋にやった夏関からすごくいい調子できてるので、ここで一回オフシーズンというか試合があまりない期間に入る分、テニスだけじゃなくて体のことを考えていきたいかなという感じです」
五十嵐
――1セット目を振り返っていかがでしたか。
「1セット目はキープ、キープ、キープで進んでいたのに、最初にブレークされたことで、相手に流れがいってゲームを離されてしまったところが反省です」
――全体を振り返って良かったところと改善点を教えてください。
「良かったところは途中からお互いボレーに積極的に出れたので、そこでのポイントが良かったと思います。悪かったところは、最初にクロスの展開が多すぎてしまったっていうのと、最初からガンガン前に出れたら、もっといいペースで進んだのかなって思います」
――今後取り組みたいことを教えてください。
「今月末から合宿が始まるので最後追い込んでいい年明けにできるようにしたいと思います」
丸山
――どのような目標を立てて臨みましたか。
「去年は3位っていう記録だったので、その上を目指せるように五十嵐と組んで頑張ろうって思っていました」
――全体を振り返って良かったところと改善点を教えてください。
「改善点としては、相手はサーブが良くてファーストを結構入れてきたのに対し、序盤私たちはダブルフォルトから入ってしまったりとか、ファーストの確率がすごく悪かったところです。良かった点としては2―5にゲームが離されたとしても、そこから追い上げて三つ連続して取ることができたのは良かったかなって思います」
――今後の大会に向けて意気込みをお願いします。
「新進出るか出ないか分かんないんですけど、出たら優勝目指してダブルスもシングルスも頑張りたいです。来年の春関(関東学生トーナメント)とインカレ(全日本学生選手権)に向けてしっかりと準備して冬も追い込んでやっていきたいと思います」
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