昇段目指し、5人の拳士が試験に臨む/昇段級審査会

1999.01.01
 22日、本学リバティタワー内のスポーツホールで昇段試験が行われた。試験の合否は、形の審査と試合形式による防具審査から判断される。本学からは矢島(文3)、神田(理工1)が三段、浦口(文2)、富安(政経2)が初段、西村(政経1)が三級に挑んだ。

 午前に行われた形試験。この日に備え、本学は週1回、青学大で開かれる形講習で練習を積んできた。浦口・富安ペアは二人形で「掛かり役が上手くできなかった」(浦口)と、息が合わず満足のいくものを見せられなかったが、「早い段階から練習に取り組んでいた」と、西村は堂々とした一人形を見せる。矢島・神田ペアも「講習の成果が出た」(矢島)と、流れるような演武を披露。防具審査へ望みをつなげた。

 続く午後の防具審査は級、段によって形式を多少変更して行われた。3分五本勝負の三級審査で、本学の先陣を切った西村は「緊張したが冷静に動けた」と初の試験にもおくすることなく前へ出続ける。右面突きを決めるなど、五本を先取しうれしい勝利を飾った。
 
 初段受験の浦口、富安は2試合に臨んだ。矢野杯、級の部で浦口は4位、同じく高幡不動尊奉納試合、級の部で富安はベスト8に輝くなど、活躍を見せた両者はこの日も好調を維持。浦口は勢いある拳法で5―0の勝利、富安も得意の左面突きで一本を重ねて勝利をもぎ取り、形演武での失敗を見事に挽回(ばんかい)してみせた。

 そして迎えた三段の防具審査。矢島、神田はそれぞれ三本勝負を4試合行った。戦力不足が叫ばれる今季、主力となるべく練習に励んできた二人は前季の大会に抜てきされ、大きな経験を得てきた。試合では清水監督の期待に応え、「この二人は前季の収穫。秋でも戦える」と言わしめるほどの成長を見せた。矢島、神田は防具審査でも前季で培ってきた己の実力をいかんなく発揮する。初戦こそ落としたものの、矢島は力強い右面突き、神田は組んでからの投げを武器に白星を重ねていき、技術の高さを審査員にアピール。「良い試合を見せることができた」(神田)と納得の内に試験を終えた。

 試験後、審査員である松田氏が「今回は厳しく審査した」と語るように、昇段争いはし烈を極める。今年度、唯一の一般生であり、拳法の歩みを始めたばかりの西村、一般からのレギュラー入りを見据える上で初段でつまずくわけにはいかない浦口、富安、そして秋の大会に向け、「昇段して自信を付けたい」と口をそろえた矢島 、神田。いずれの5人にとっても、絶対に落としたくない今試験。ここでの昇段を後季への弾みとしてほしい。試験の合否は日本拳法連盟のウェブ上で近日中に発表される。発表を待て!