
明大勢躍動 決勝進出&自己新多数で期待高まる/ジャパンオープン2024
日本トップクラスの選手を始め、パリ五輪金メダリストなど海外の強豪も参戦する今大会。明大勢からも多くの選手が参加し、計6個のメダルを獲得した。冬に入り、現在は強化期間。その中でも来年度を担う3年生以下の決勝進出者も数多く、上がり調子の選手も見られ2025年への期待が膨らむ結果となった。
◆11・29~12・1 ジャパンオープン(東京アクアティクスセンター)
◆1日目
▼男子1500メートル自由形タイムレース決勝
1位 田渕 15分08秒17
▼男子200メートルバタフライ
2位 上川畑 1分56秒45
4位 川野 1分57秒39
▼男子200メートル自由形
3位 清水 1分48秒34
▼男子100メートル背泳ぎ
2位 栁川 54秒78
5位 西村 55秒34
▼男子100メートル平泳ぎ
6位 小嶋 1分01秒00
◆2日目
▼男子400メートル個人メドレー
6位 上川畑 4分16秒38
▼男子50メートル平泳ぎ
6位 小嶋 27秒80
▼女子400メートル自由形
7位 長尾 4分15秒63
▼男子400メートル自由形
5位 庭野 3分52秒55
7位 清水 3分53秒50
8位 田渕 3分57秒32
▼男子200メートル背泳ぎ
5位 栁川 2分00秒10
▼男子100メートル自由形
2位 五味 49秒48
◆3日目
▼男子800メートル自由形タイムレース決勝
3位 田渕 7分58秒19
▼男子200メートル個人メドレー
5位 渡辺 1分59秒70
▼男子100メートルバタフライ
5位 成嶋 52秒57
6位 五味 52秒77
▼男子200メートル平泳ぎ
6位 川島 2分12秒30
8位 吉田 2分13秒66
[1日目]
明大勢最初のメダルを獲得したのは田渕海斗(情コミ4=日大藤沢)。男子1500メートル自由形で圧巻の泳ぎを見せた。レース序盤から優勝候補筆頭の今福和志(枚方SS)の後につけ、650メートルの地点で1位に浮上。そして今福をどんどん突き放し独走状態に。そのまま安定したラップを刻み続け、見事優勝。加えて自己ベストを5秒以上縮める驚異のタイムもたたき出した。「意外と早くてびっくりしている。まさか(15分)8秒台が出るとは思わなかった」と本人でも驚くほどだった。今月10日からはブタペスト(ハンガリー)で行われる世界選手権(25m)にも出場予定。勢いそのままに躍進を果たしたい。
男子200メートルバタフライ決勝。上川畑英(政経2=桐光学園)は落ち着いた入りで100メートルを5位で折り返す。そこからギアを上げ、後半にかけて伸びる。「後半で巻き返すのは自分の得意な形」。150メートルを3位でターンすると最後の50メートルで1人抜かし、パリ五輪代表・寺門弦輝(セントラルスポーツ)に続いて銀メダルを獲得した。さらに自己ベストを約1年半ぶりに更新。「やっとベストが出た。ずっと言ってきた自己ベスト更新ができて良かった」。それでも「最初の50メートルでもう少しスピード上げていけるような練習を増やして、離されないようにしたい」とさらなる高みを見据える。また同じ決勝の舞台には後輩・川野博大(商1=武南)の姿も。「去年や今年はインカレ(日本学生選手権)で得点を取れているのが自分だけだったので、こうやって200メートルバタフライで同じ大学の中で戦える選手がいるのはうれしい。川野も11月の大会で高校生ぶりに自己ベストを出していたので、追いかけてきてくれる後輩がいてうれしい」と刺激も感じていた。
[2日目]
大会2日目は13人が予選を突破。上川畑は前日の200メートルバタフライに引き続き、400メートル個人メドレーで決勝に進出するも6位に終わる。「バタフライのレベルはすごく上がってきているのを実感しているが、残りの背泳ぎと平泳ぎの強化が必要だと感じた」とバタフライ以外の泳法も底上げを図り、来る3月の日本選手権に挑む。
男子400メートル自由形では庭野直樹(商3=埼玉栄)、清水博斗(政経3=日大藤沢)、田渕の3人が決勝へ。それぞれ5位、7位、8位と表彰台入りとはならなかったものの、インカレ、日本選手権(25m)ではかなわなかった3人決勝を実現させた。着実に力をつけている明大勢。田渕の卒業後も、決勝の舞台で彼らが再集結する姿が待ち遠しい。
「最近のレースは泳ぎのフォームが崩れてしまっていたのできれいな形で泳げるように意識した」と振り返るスコット龍海(情コミ2=湘南工科大)は100メートル自由形予選で自己ベスト更新し、B決勝に出場。勢いそのままに49秒を狙うも50秒24とタイムを落としてしまった。同じくB決勝でレースをともにした渡辺裕太(営2=日大藤沢)は今大会に向けて水中での反り腰を改善してきたが、生かすことができず、「うまくはまらなかった」と悔しさを口にした。
決勝に姿を現したのは五味智信(商4=湘南工科大)。松元克央選手(平31政経卒・現ミツウロコ)を追いかけ2位につけた。「カツオさんはこの(強化の)時期でも(世界水泳選手権の)派遣に近いタイムを出しているので、彼について行って一緒に来年夏のシンガポール(世界水泳選手権)のメンバーに入れるように頑張りたい」と自らを奮い立たせた。
[3日目]
この日唯一メダルを獲得したのは田渕。初日の男子1500メートル自由形優勝に続き、中長距離で強さを発揮し男子800メートル自由形で3位に輝いた。「1500メートルに向けてしっかり追い込んできたことを確認できた。しかし、出力が出ないという課題も見えた」と振り返り、「自分の得意種目である400メートル個人メドレーと400メートル自由形に特化して、ウエイトトレーニングなどで筋肉に刺激を与えながら出力を引き上げる」と今後の課題を明確にした。
男子100メートルバタフライでは成嶋義徳(政経2=八王子学園八王子)が5位、五味が6位に入賞した。インカレでこの種目優勝を果たした成嶋は、「自己ベストからはかけ離れてしまった」と悔しさをにじませながらも、「ストローク数の改善という成長を実感。「ワンストロークで進む距離が増えたのは収穫。これを次につなげたい」と前向きに語った。3月の日本選手権での代表入りを目指し、挑戦は続く。
渡辺は男子200メートル個人メドレーで5位入賞を果たした。「バタフライが遅くて、ずっと課題としていた。今回、初めてバタフライで5秒台に入れてとても嬉しい」と笑顔で振り返る一方で、「持ち味である自由形は調子が悪かった。決勝でタイムを落としたのが悔しい」と語った。それでも、「この反省点を生かして、冬場にしっかり追い込む」と今後への意欲を見せた。
男子200メートル平泳ぎでは川島朝陽(商2=淑徳巣鴨)が6位に入賞した。前日の400メートル個人メドレーでは納得のいかない結果に終わったこともあり、「今日は背水の陣のつもりで泳いだ」と語る。レースでは、前半から積極的な展開を意識し、「隣の選手と競り合う良いレースだった」と手応えを感じつつも、「最後、結構きつくてバテてしまったのが悔しい」とラストでの失速を反省した。インカレ以降は持久力の強化と効率的な泳ぎの追求に取り組んできたと言い、日本選手権では、ユニバーシアードの代表権獲得と自己ベスト更新を目標にしている。
3日間にわたるジャパンオープンでは、明大勢が各種目で持ち味を発揮し入賞を果たした。一方でさらなる飛躍のための課題も明確となった。それぞれが見つけた課題と成長を糧に次なる舞台でさらなる成長を目指す。
[末吉祐貴、杉本菜緒、寺井和奏]
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