
団体7位 不完全燃焼で閉幕/全日本大学対抗選手権
いよいよ迎えた全日本大学対抗選手権(インカレ)最終日。109キロ級ではこれまでの階級から重量を変更した新井陽生(政経3=尼崎工)、+109キロ級では4度のインカレ出場を数える寺西洸志郎(営4=滑川)が出場した。両選手の奮闘によって会場は盛り上がりを見せたが、チームとしては団体7位と、部の悲願であった団体での表彰台入りは来年度以降に託される結果となった。
◆11・29~12・1 第70回全日本大学対抗選手権(サイデン化学アリーナ)
▼109キロ級
7位 新井(S131 J153 T284)
▼+109キロ級
3位 寺西(S135 J181 T316)
▼団体
7位 明大
※S…スナッチ、J…ジャーク、T…トータル
これまで96キロ級を舞台に戦ってきた新井だったが、今大会は109キロ級への大幅増量で臨んだ。スナッチでは130キロの挙上を目標にしており、2本目で127キロを成功。続く3本目も好調の中「恐れずに自信を持った」と、131キロを選択した。「3回ある試技の中で、しっかり点数をもぎ取りたい」と話した新井は有言実行、目標を上回る成績で喜びのガッツポーズを見せた。ジャークの3本目こそ失敗に終わるが、2本目で153キロを挙上。「増量して付いたパワーを生かし切れた」と、初出場ながら確かな手応えを感じた。

大会のラストを飾るのは、インカレ経験豊富な寺西。1年時からメンバーに抜てきされ、常に重量級をけん引するエースであり続けた。苦手とするスナッチでは、2本目までを成功。3本目の140キロでは体勢を崩し、あと一歩届かなかった。巻き返しを図るジャークでも、2本目まで成功し運命の3本目へ。1位と開いた6キロの差を逆転するため、この日全体の最高重量となる188キロに挑んだ。「監督、コーチ、自分含めた3人が『絶対にやれる』という気持ちでいた」(寺西)。しかし、悔しくも成功とはならず。スナッチ、ジャークともに全本成功を逃し3位入賞。舞台を転がるバーベルを目前に、悔しさをあらわにした。

今大会をもって、4年生は引退を迎える。「みんな悔しい。来年どれだけ戦えるのかまだ分からないが、後輩たちには後悔のないように頑張ってほしい」(小林辰光主将・農4=常翔学園)。部を去る4年生の思いを受け継ぎながら、ウエイトリフティング部の新たな歩みが始まる。
[松下日軌]
試合後のコメント
新井
――ジャークの3本目についてはいかがでしたか。
「3本目は試合前に何度も何度も挑戦して、ずっと失敗してきた重量で。これを取るために試合に来たみたいなところがあったので、最後自信を持ってやったんですけど。失敗してしまったので、次試合に出るときは必ず取れるようにしたいなと思っています」
――1年間を振り返っていかがでしたか。
「この1年間、下級生から上級生に上がって立場がガラリと変わりました。練習や試合で一回一回の責任もかなり重くなったので、それをしっかりと意識できた1年間でした」
――これまで重量級を率いてきた寺西選手も引退となります。
「今まで寺西先輩や青柳(昌孝・政経4=川口)先輩が重量でもしっかりと引っ張ってくださったんですが、2人とも4年生なので。僕と辻本侑矢マキシム(法2=家島)でその穴を埋めていくというか、引き継いでいこうかなと思っています」
寺西
――大会を終えた今の率直な感想をお願いします。
「スナッチ、ジャークどちらも3本目が取れていたら1位があり得たんですが、そこを取り切れないというのがあって。3本目落とした時にとても悔しい気持ちになりました」
――インカレは4度目の出場になりました。
「1、2年生の頃は最後の10人目のメンバーとして選ばれて、それで出させてもらう以上は頑張ろうと思っていました。2、3年では中でも得点源となるような、責任のあるメンバーになってきて今年はもう4年生ってことで、一番点数を取らなきゃいけないという責任があったのでプレッシャーを感じつつも、今まで4年間やってきたことを出し切ったという感じですかね」
――大会の最後にプラットに立った選手となりました。
「今日は新井と自分の2人がとても調子が良かったと思います。新記録を取っても団体3位には届かないことが点数を見て分かっていたんですが、中田監督からも『8位よりも7位、7位よりも6位。できるだけ順位良く終わらせよう』という気持ちで、3位に届かなくても絶対に上の点数を取る。あとはチームが厳しいなら個人で1位を狙いにいこうという気持ちで臨みました」
小林辰光主将(農4=常翔学園)
――厳しい状況の中で、どのような振る舞いを心がけましたか。
「やはりこの競技はチームのためを思ったとしても、個人としてしっかりやらないといけないですし、逆に言えばチームのことを思わなくても、選手一人一人がしっかりすれば、おのずと結果がついてくるものだと思います。試合の時は『自分の試合にしっかり集中し、出せる力を精一杯出すことに集中しろよ』というふうに声を掛けました」
――東日本大学対抗選手権(東インカレ)で団体3位入賞を達成し、達成したことで逆に目標に向けた記録の維持、調整には難しさが生まれたと思います。
「東インカレでの調子が良すぎたというか、うまくいき過ぎていましたね。自分たちは『いけるんじゃないか』という雰囲気の中で、やはり途中でケガをしたり、調子が上がらなかったり、風邪を引いて練習ができなくなったり。そういうところがどんどん東インカレからインカレの間にあって、それが徐々に不安を大きくしてきたのかなと。『本当にできるんだろうか』『本当に3位取れるのかな』という気持ちがどんどん大きくなってしまったのかなと思います」
――今年度は例年とチームカラーが異なると聞きますが、どのようなチームを目指してきましたか。
「みんながやりやすい環境というのはかなり意識していて、1年生でも2年生でも、4年生と変わらずにしっかり練習できるようにということを意識していました。その分、少しでも意見しやすいように1年生には頻繁に話しかけて仲良くなっていったり、それをしっかりくみ取ること、そういうのはみんなで頑張ろうと話しました」
中田健太郎監督
――1日目では深見選手も表彰台に登りました。
「彼はケガが2つ、そして直近では他の大会の役員、減量という他の選手に比べて四つの課題がありましたが、ほとんど事前予想点数と同じ獲得点数ですので、本当に誇りに思うというか、感謝しています」
――1年間を振り返っていかがでしたか。
「今年は非常に4年生がリーダーシップを発揮できていて、手がかかりにくい、というか信頼してなんでも任せられました。下級生の面倒見も良くて、学生内での雰囲気は非常に下級生と上級生、ある意味風通しが良くていいチームだったんじゃないかなと思います」
――見つかった課題はございますか。
「来年さらなる戦力アップをしなければいけないんですが、何とか勉強との両立もできていますので、少しずつ練習の量や質を高めて全体的な底上げをしたいなと思います」
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