巻き返しに燃える2日目 団体8位に終わる/全日本大学対抗選手権

 1日目終了時点で7位につく明大。例年激戦となる2日目、明大からは5人の選手が出場した。89キロ級の道畑陽識(政経4=常翔学園)がトータル4位に入るなど、団体3位という目標に向けてそれぞれが実力を見せた。

◆11・29~12・1 第70回全日本大学対抗選手権(サイデン化学アリーナ)
▼73キロ級
5位 木村(S119 J138 T257)
6位 堀口(S119 J137 T256)
▼89キロ級
4位 道畑(S132 J156 T288)
大久保 記録なし
▼102キロ級
7位 青柳(S127 J155 T282)
※S…スナッチ、J…ジャーク、T…トータル

 ともに今大会初出場となる木村梁(営2=紀北工)と堀口実篤(政経1=宇陀)が、この日の先陣を切った。「木村先輩に負けないように、目標として取り組んできた。超えられるように頑張りたい」と話した堀口は、スナッチの2本目で119キロを挙上。続く3本目では122キロに挑戦したが惜しくも失敗に終わり「練習では取れていた。一度しか成功していない重量を試合で再挑戦するのは難しいなと感じた」と悔しそうな表情を浮かべる。木村も119キロを成功させ、成績タイでジャークへ。どちらも2本目は体勢を崩し失敗に終わるが「監督やコーチの方に『ここを取らないと』と背中を押された」(木村)。最後に堀口を1キロ差でしのぐ138キロを挙上し、トータル5位、6位と並んでランクインを果たした。

(写真:試技を終え吼える木村)
(写真:スナッチを挙上する堀口)

 89キロ級には道畑、大久保直倖(法4=宇佐)の2選手が出場した。大久保は「アップ場ではスタートの124キロまで取れていたが、試合会場に行ったら一気に緊張が襲ってきた」と3本のスナッチを全て成功させることができず、悔しい結果となった。道畑は「1本を取ってから132キロへいく時に気持ちが足りなかった」と2本目に失敗してしまう。しかし3本目で132キロを挙上した。続くジャークでは、大久保は「確実に1点を取りに行った」と1本目の126キロを成功させるも、重量を増加させて臨んだ2、3回目では惜しくも力及ばず、トータル記録なしで競技を終える。道畑は「自分が勝たなければならない選手の1キロでも上に被せて、確実に順位を取れるように」と予定よりも重量を下げた156キロを挙上。3本目では161キロに挑戦したが上げ切ることはできず、トータル288キロで4位となった。

(写真:ジャークを挙上する道畑)
(写真:ジャークを挙上する大久保)

 102キロ級に出場した青柳昌孝(政経4=川口)は1、2本目を続けて挙上したが、3本目の132キロは体を持ち上げられず、127キロにとどまった。ジャークは1本目の155キロを成功させたが、2本目に挑戦した160キロはプレスアウトとなる。3本目も重量を変えずに臨んだが挙上し切れず、トータル282キロで7位となった。不調が続いた中でも「想定通りに試合が進むことが珍しい。今大会はうまくいっていない方だが、自分は難しいことを考えず、最後だからできる限りのことをしようと思った」と4年生として実力を発揮した。

 勝負の2日目は各選手がやるべきことをやり切ったものの、団体8位と表彰台への道筋は未だ遠い。3日目には重量級から2選手が出場する。+109キロ級の寺西洸志郎(営4=滑川)は東日本大学対抗選手権で個人3位に入賞するなど、今季の成績は明大でもトップクラス。最終日も選手たちの活躍に期待がかかる。

[松下日軌、大島菜央]

試合後のコメント
木村
――スナッチを振り返っていかがですか。
 「1本目をまず取れたことは一応良かったです。2本目の感覚的に少し重たくて前に取られて落としてしまったと思います。3本目でやっとかみ合って取れたという感じです」

――来年度に向けてどのような選手になりたいと思いますか。
 「気持ちとしては、明大で上位に入れる、点数が取れるような選手になれるように頑張りたいと思っています」

堀口
――試技の前のアップではどのような声掛けがありましたか。
 「先輩方が応援してくださいました。自分の中で緊張しすぎて固まってしまっていたのですが、先輩方に『今日めっちゃ軽そうだね』みたいな励ましの言葉をもらいながら、応援していただきました」

――インカレ初出場となった今回の結果を振り返って、率直にどう感じていらっしゃいますか。
 「やはり大学で一番大きな大会に1年生という立場で出場して、いい経験をさせていただいたので、来年度以降ではさらに今の重量よりも上げて頑張りたいと思います」

道畑
――以前ウエイトIQというお話もありましたが、具体的にもう少しお聞かせください。
 「もう7年間競技をやっている中で、クリーンアンドジャークがとにかく苦手だったので、それを克服するためにデットリフトで重心を意識したり、クリーンの際に必要な筋肉の筋トレを重点的に行ったりしていました。あとは基礎的な腹筋や細かな筋肉の筋トレもしていました。その中でスクワットなどでフォームを意識して、かなり重量も伸びてきたと思います」

――本日は何パーセントぐらいの調子まで持ってこれましたか。
 「試合直前までは90%くらいだったのですが、試合になった瞬間に脳筋に戻ってしまいました。50%くらいでしょうか。(原因としては)練度不足ですかね。もう少し早く、こういったクリーンのこつに気づけていたらもっといろいろと定着できたのかなと思います。それが直近すぎたので、いざというときにやはりそれに頼るほどの自信が少し湧かなかったです。やはり結局最後は筋肉に頼ってしまいました」

大久保
――大学生活の中で同期というのはどのような存在でしたか。
 「自分の中で一番存在として大きかったのは、やはり主将の小林(辰光・農4=常翔学園)でした。競技ではあまり関わってこなかったのですが、サポートとしてセコンドなどもしっかり就いてくれました。やはり主将として監督に怒られることもたくさんあったと思うのですが、そこを耐えて1年間乗り切ってくれたので、小林の存在はとても大きかったのかなと思います」

――今後の明大ウエイトリフティング部にはどんなことを期待していますか。
 「やはり3位を取ってほしいです。今年がどうなるかというのは分かりませんが、今年3位を取ったらそれを継続していってほしいし、3位を取れなかったら今年取れなかった3位というのを目指して、来年また頑張ってほしいと思います」

青柳
――今大会の試技を振り返っていかがですか。
 「2週間くらいあった調整で、スナッチは120キロもできない日があったり、 ジャークも150キロもできない日というのが結構あったりして調子が悪かったのですが、それでも記録が0にはならなかったので、最低限の仕事はできたと思います」

――4年間を振り返っていかがですか。
 「4年間を振り返ると、やはり自分は3年生の時が一番調子が良くて、やはり4年生になると 18歳だった大学1年生と違って回復はしないし、なのにケガも増えるという感じでした。他にも就活などどんどんやらなければいけないことも増えるので、本当に4年生で伸びるというのはすごいことだと思います。自分はそれができなかったので、もう最低限落ちるのを防ぐというか、自分の限界にあらがって練習をしていました。これからの後輩たちには3年生で伸ばすだけ伸ばして、4年生はそれをキープできるようにと言いたいです」