勝負どころで発揮した紫紺の意地/関東大学1部リーグ戦総括

 『インカレ優勝』という最終目標を前にリーグ戦上位を目指す明大は、オフシーズンで培った精神力を試合で発揮し、1巡目には筑波大や大東大といった強豪を撃破する。しかし強豪ぞろいの1部リーグで勝率5割を超えることは難しく、1巡目終了時点で8位につける。目標をチームで再確認し挑んだ2巡目であったが、課題の残る試合が多く続きわずか1勝に終わり、入替戦に突入する。入替戦では念願の1部昇格を目指す相手に対し意地を見せ勝利したが、課題の残るリーグ戦となった。

 オフシーズンで下級生が急成長し、戦力が離脱することなく万全の状態でリーグ戦開幕を迎えた。第1節の日体大戦では、相手の高確率のシュートや堅実なディフェンスに圧倒され、61-94と終始一方的な展開で敗戦した。しかし第2節の筑波大戦では、クラッチタイムで好調の針間大知(情コミ3=福岡大大濠)のタフショットがリングに吸い込まれ見事に勝利をつかんだ。その後は1部上位の強さを見せつけられ連敗するも、試合を重ねるにつれ成長していく姿を見せた。そして1巡目最後となる大東大戦を迎えた。これまで対戦歴は何度もあったが、勝ち切れていなかった明大。前半では森田稀羅(営2=北陸学院)の活躍が光り、相手をリードする。後半相手がオフェンスで奮起し一時逆転されるも、そこから一進一退の展開が続き延長戦へ突入する。延長戦ではディフェンスに重きを置き、リバウンドを奪取する作戦で挑み白星を挙げ、1巡目を勝利で締めくくった。

 好試合を繰り広げた明大は1巡目終了時点で8位と、リーグ上位を目標とする明大にとって上々の滑り出しだった。士気を高めて臨んだ2巡目では、ケガによる戦力の離脱や課題としていた試合の入りで苦戦する。また、なかなか勝ち切ることができない苦しい展開の試合が続き、1巡目では勝利していた相手にも敗北が続く。2巡目終了時点で勝敗は中大と同位置につけたが、得失点差で明大が下回ったことで入替戦への参戦が決まった。

 自分たちの立ち位置を受け止め、全てを懸けて挑んだ法大との2戦先勝の入替戦。第1戦では、主にインサイドからオフェンスを仕掛け優位につける。第4Qの相手のオールコートプレスに苦しむも、森田の3Pシュートで逃げ切り1勝目を先取した。勝てば1部残留が決まる第2戦では、相手の執念に焦りが出てしまい敗北を喫してしまう。後がなくなった明大は第3戦でチーム本来の力を発揮し、終始状況判断で相手を上回っていた。4年生の意地に下級生も応え、ルーズボールに迷いなく飛び込む泥くさいバスケットで勝利し1部残留を決めた。

 リーグ戦の最終成績は6勝16敗で10位と、目標としていたリーグ上位には届かず苦い結果となった。今季目立ったのは森田をはじめとした下級生の活躍。来年度は個人個人がスキルアップし、チーム力をさらに強めていくだろう。リーグ戦で出場機会が少なかった1年生の成長にも期待がかかる。

そして、12月4日には全日本学生選手権(インカレ)初戦が控えている。下級生の頃から注目度が高く、存在感を示してきた平松克樹(情コミ4=福岡大大濠)、伊藤治輝(政経4=桐光学園)、越田大翔(政経4=仙台大明成)らは有終の美を飾れるか。苦しみながらも懸命に戦い抜いたリーグ戦を糧に、最後は笑顔で締めくくりたい。

[平良有梨奈]