リーグ最終戦で早大に敗北し、明大悔しい5位/関東大学2部リーグ戦

1999.01.01
 リーグ最終戦の相手となったのは早大。2部とはいえ早明戦ということあり、会場はいつになく熱く盛り上がり、選手の熱い思いが、会場をさらに熱くした。この試合が4年生にとって最後のリーグ戦とあり、勝利で最終戦を飾りたいところだ。

 そんな中、まず登場したのは、田河(商3)。「体調が万全ではなかった」と本人が語るように、序盤から苦しい試合展開となる。なかなか自らペースを作ることができず、相手に先手を許し、パンチをもらう場面が多く見られた。そして2Rになっても、相手ペースは変わらず、田河は2R1分18秒RSC負け。厳しいスタートとなった。

 次に登場したのは友松(営3)。1R開始から早々、両者激しい打ち合いとなる。ほぼ互角の戦いで1Rを終える。2Rになると、相手の動きを見て、落ち着いて的確にパンチを打ち込む。左中心で攻めるかと思いきや、右のストレートを打ち、決して単調にならず、友松のペース。だが3Rになると、再び激しい打ち合いとなる。「3R目は相手の戦い方が良かった」と試合終了後に監督が言ったように、相手にペースを掴まれ、判定負け。「思い通りにいかない局面があった、切り換えて修正をしたが遅かった。勝てた試合だと思う」と、試合を冷静に振り返った。さらに、「楽しく試合ができ、やる気がでた」と来年に向け、早くも意気込んでいた。

3人目は前回の専大戦でデビューした及川(政経1)。試合前に及川は鈴木(文4)から、「相手はフックが多い」というアドバイスを受け、「焦らずに対処できた」と言った通り、落ち着いて相手をかわす。攻撃面では、左を効果的に使い手数を多く出し攻める及川。だが相手の時折見せる、激しいラッシュでパンチをもらうシーンもあった。それでも、屈することなく応戦し、徐々にペースをつかんでいく。迎えた3R、変わらず攻めの姿勢を崩さない及川。疲れも見えたが手数は減ることなく攻め立て、手数で相手を圧倒し、結果は判定勝ち。デビュー2戦目にして初勝利を飾った。試合終了後に及川は、「気持ち良かった」と初勝利に喜びを見せ、「4年生が最後のリーグ戦なので、負けられないという気持ちだった」と語り、その思いが及川を勝利に導いたか。

 次に登場したのは伊達(政経4)。1R目は上手く攻められたが、「悪い癖がでて、相手を倒しに行ってしまった」と語るように、2Rになり自分のペースを見失ってしまう。そこを相手にうまくかわされ、パンチを多く受けてしまい、2R・RSC負け。試合終了後に伊達は4年間を振り返り、「試合の出られない時期があり、試合に勝ちたかった」と悔しさをにじませていた。そして後輩に対し、「いつも一生懸命に練習している、活躍に心から期待している」とエールを送った。

 4階級の戦いを終え、3つ負けているため、勝利のためにも、ここで意地を見せたい。この状況で登場した酒井(文2)であったが、1Rから相手のパンチを多く受け、ペースを握られる。2R、3Rになっても依然として相手ペースは変わらず、3回・判定負け。酒井はこの試合について、「直前で相手選手が変わり、戸惑った。しかし、新しい経験になった」と話した。
 
 この時点でチームは負けとなってしまったが、次にリングに上がったのは小田(文1)。「これまでの試合より手数は出せていた」と本人が語るように、1Rからペースは小田。相手の動きもよく見えているようで、左・右と的確にパンチを打ち込む。2Rも小田のペースは変わらなかったが、3Rになり相手が勢いをとり戻す。相手から距離をつめ、前に出てくることで、ペースが徐々に相手に傾き、相手のパンチが多く入る。それでも逃げ切ったかと思われたが、僅差で判定負け。惜しくも負けた小田は、今後の課題について、「パンチが単発で終わってしまうことがあるので、コンビネーションを打てるようにしたい」と語った。

 開幕戦では負けたものの、その後3連勝と、チームの柱として奮闘してきた金原主将(法4)。不甲斐ない試合でも主将として“勝つ”ことでチームを引っ張ってきた。この試合が大学ボクシング最後の試合とあってか、金原は開始から積極的にパンチを繰り出し相手を圧倒する。そのパンチは的確に相手をとらえ1R・KO勝ち。見事な勝利であった。終了のゴングが鳴り、コーナーに戻り、丹下監督に肩を抱かれる金原の目には、涙が浮かんでいるように見えた。試合後にボクシング生活を、「道を学べた。人に対して素直になれるようになった」と振り返った。そして後輩に対しては、「ボクシングに情熱を持ってほしい。練習云々ではなく、最終的には気持ちの勝負になる」と熱くアドバイス送った。

 最後まで主将としての役目を果たし、自らの戦う姿で、最後まで諦めない姿勢を見せた金原。その姿が後輩の目にも、映っていただろう。戦う気持ちやスタミナの強化など、課題の残るリーグ戦。先輩の勇姿に感化され、この先も、今までと変わらず練習に励み、さらに成長していく選手を追っていきたい。