
大会後インタビュー③ 城澤・片庭組/全日本学生大会
全日本学生大会(全日本)で男女二段以上の部に出場し、優勝に輝いた城澤・片庭組。大会を振り返り、今後の展望についてうかがった。
(このインタビューは11月10日に行われたものです)
城澤大河(政経3=札幌国際情報)
――大会を振り返っていかがですか。
「全員が厳しい夏練習を乗り越えて、1年間修練してきました。部員一人一人の演武を見て、全員が気持ちの入った良い演武をできており、素直に感動いたしました」
――男女二段以上の部での優勝について、率直な気持ちを教えてください。
「男女二段以上の部は、私自身初めて出場する部門だったため、最初は手探りでしたが、片庭や先輩方のご指導のおかげで、最後は納得のいく形になりました。片庭(来美・商2=大産大付)とは、決勝のコートに入る直前に、もちろん優勝を狙いに行くけれど、自分たちの少林寺拳法を体現しよう、今までで一番良い演武をしよう、と声をかけました。誰よりも少林寺拳法を楽しむ、ということが達成できた結果、2位の組と5点差という圧倒的ともいえる演武ができたことをとてもうれしく感じております」
――演武構成でこだわったところはありますか。
「少林寺拳法の護身の技法を本気で体現すること、それを客観的に見やすく、評価しやすいように演武構成を決めました。具体的には5構成目の逆合掌投は、あえて飛受身を取らず、本気で投げて、転がされる構成にしました。一見、飛受身を取ると迫力があるように見えるところを、空中での受身を取れないように投げる、というこだわりを審判の先生に伝えられたと感じています」
――それぞれの強みは何でしょうか。
「片庭は剛法(突き蹴り)の動きがなめらかでスピードもあり、ここを伸ばせるように意識して修練をいたしました。私は投げ技が得意なので、片庭の剛法がよく見え、最後は私が投げるという形で演武構成を組み、魅せ切ることができました」
――片庭さんと組んでみて印象はいかがですか。
「片庭は四肢のうち、4分の3をケガした状態で、サポーターやテーピングをしながら私に付いてきてくれました。修練で技をかける中で、何度も痛めてしまい、先輩として申し訳ないという気持ちがありましたが、片庭は嫌な顔をせず、優勝のために貪欲に、何度も何度も繰り返してくれました」
――関東大会でも片庭さんと共に三人掛けの部に出場していましたが、そこからお互い成長したところはありますか。
「片庭は、7月の東京都大会で背の高いコーチの先輩と組んで修練する中で、より動きの大きさが身についたと思います。男女の部は、女子がどこまで男子と遜色ないパワーとスピードを出せるか、という部分が肝要なので、非常に動きやすかったです。私としては、動きの無駄を減らして、見やすい動きを身につけることができました。また、少林寺拳法の護身の技法を徹底して学ぶことで、演技ではない演〝武〟をすることができたと思います」
――幹部代の2人から学んだ事はありますか。
「本年は沢山の困難が続きましたが、常に前向きで、自分のことよりも部員、部活動のことを大切に考える姿に、心を打たれました。裏ではたくさんの苦悩や葛藤があった中、それを表に出さず、部員が安心して活動できるようにしていくことが大切だと学びました」
――次年度主将としての意気込みをお願いします。
「主将として、正しい判断力と決断力、そして部員との信頼関係、この三つを大切にしていきたいと思います。62代の先輩方が守ってくださったこの部を、私も命をかけて守り抜き、成長、進化できるよう引っ張ってまいりたいと思います」
片庭来美(商2=大産大付)
――大会を振り返っていかがですか。
「男女二段以上の部では、城澤先輩に引っ張っていただき優勝することができたのですが、女子団体の部や立会評価法の部など、予選で落ちてしまった部門もあるので、悔しい気持ちも残っています。また、今後後輩と組んで全日本に出場することが必ずあると思うのですが、その際に先輩方の様に後輩を引っ張ることが私にできるのかどうか、焦りと不安も少し感じています」
――男女二段以上の部の優勝について、率直な気持ちを教えてください。
「昨年も男女二段以上の部に出場し、3位で悔しい結果に終わったので、本年はそのリベンジをすることができてうれしいです」
――演武構成でこだわったところはありますか。
「城澤先輩が得意とされている、形だけではない技を魅せる投げ技を中心に、緊張感のある突き蹴りを行い、どの審判にも高得点をつけてもらえるよう意識しました」
――それぞれの強みは何でしょうか。
「私の強みは動きの滑らかさだと思っていますが、その分動きが流れて力強さに欠けて見える部分もありました。そこを城澤先輩のスピードと力強さで補っていただきました。また、私は受け身が得意なので、城澤先輩の強みである高レベルの投げ技をさらに映えさせることができるよう修練しました」
――城澤さんと組んでみて学んだことはありますか。
「優勝するには何が足りないのかを常に考え、徹底的に改善していく修練への向き合い方を教えていただきました。もちろん、技術面もたくさんご指導いただき、大きく成長することができたと思います」
――関東大会でも城澤さんと共に三人掛けの部に出場していましたが、そこから成長したところはありますか。
「城澤先輩は私から見て雲の上の存在なので、成長されている点は私には分からないのですが、技のキレとスピードと迫力は以前を大きく超えるものを感じました。私は関東大会から下半身の強化による突き蹴りの力強さを意識して修練してきたので、それを演武で少しでも表現できるよう頑張りました」
――幹部代の2人から学んだことはありますか。
「幹部の人数が少なく本当にお忙しく辛い中でも、誰よりも声を出して笑顔で、全力で修練されている姿を見て、部員全員が力をいただいていました。幹部だからといって威張ることは一切せず、確かな実力と修練への熱い姿勢で、どんな時でも部を引っ張ってくださいました。明大少林寺の誇りを再確認することができました」
――来年度、どのような先輩になりたいですか。
「今まで私が先輩方からご指導いただいたのは、人間性や全力の楽しさなど、技術だけではないと感じているので、それらの大切さを伝えられる先輩になりたいです」
――来年度への意気込みをお願いします。
「来年度から上級生になり修練を引っ張る立場になるので、卒部された先輩方の悔しさを晴らすことができるよう、一日一日を大切に、また全日本に向けて頑張ります」
――ありがとうございました。
[坂内咲月]
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