試合後コメント/全日本学生王座決定戦

2024.11.26

寺本裕明監督
――今日の試合は監督の目からどのように見えていましたか。
 「小林がここまでの練習で結構調子が良くて、昨日の付矢も良かったものの、今日の朝からほとんど中っていなくて、どうしたのかなと思っていました。特にずっと中っていた小林が調子を落としていることと、細川がここにきて(調子が上がってきていたが)スタートで出遅れたから大丈夫かなという感じがありましたが、元々リーグ戦に相当ウエートを置いていて、王座は棚ぼた的なもの。そのような中で、かつ他の大学の半分しかいない人数なので、今の戦力だとぎりぎりだったかなという気はします」

細川
――どのような心境で王座を迎えましたか。
 「入替戦という1部降格が懸かった試合にも行ってしまって、精神的にも全員が切り詰めた状態でリーグ戦期間は厳しい状況にありましたが、王座となればまた違って、今までの力を全力で出していいという状況だったので、主将としては明大の力をたくさんの人に見せることができるとわくわくしていましたし、かつ自分は最後の伊勢神宮ということで、絶対優勝で締めてやるという思いで臨みました」

――このメンバーで弓を引くことについてはいかがでしたか。
 「明大は男子が13人というぎりぎりの状況で戦っていたので、 他の大学と比べると交代できる可能性が限りなく少なくなってしまっていて、出場しているメンバーに負担をかけすぎてしまったというのが現状です。それでも2年生と3年生をはじめ後輩たちが中続けてくれたおかげで、何とか8人でも戦えたと思っています」

――後輩にメッセージをお願いします。
 「彼らは純粋に弓道を楽しんでいて、様々な悩みもある中で頑張ってくれているので、ただただ僕は楽しみです。頑張ってほしいですし、彼らだったら来年、新たなメンバーをそろえて優勝できるのではないかと期待しています」

小林
――王座を振り返っていかがですか。
 「勝っても負けても最後の試合で、満足のいく集大成を飾ろうと思って頑張ってきましたが、ベスト4に終わってしまって悔しい気持ちしかないです」

――長丁場の試合ですが、インカレと戦い方に違いはありますか。
 「一発勝負ではないところに甘えてはいけないと思っていて、最初に差をつけられても後から巻き返せると思ったら負けだと考えています。なので、初立から丁寧に、巻き返しが利くと思わずに詰めていくという気持ちを大事にしています」

――明大弓道部での4年間を振り返っていかがですか。
 「明大弓道部で弓道がしたいと思って一般入部し、当初はここまでできると思っていませんでしたが、最終的には明大の落を任せてもらうことができ、本当に怒涛(どとう)の4年間でした。悔しいことばかりでしたが、4年間すごく楽しく弓道させてもらえました。日本一最高の弓道部だと思います」

増田
――今日の試合を振り返っていかがですか。
 「チームとしても個人的にも万全ではない状態だったのですが、それにしても全試合で練習より的中数が下がってしまったので悔しいです」

――信州大戦の同中競射で勝利した後、どのような気持ちで小林選手に駆け寄りましたか。
 「小林さんは自身の最後の1本を外したら同中競射になることが分かっていた上で引いていたので、その1本外してしまった時にすごくプレッシャーを感じていらっしゃったと思います。一人一人が頑張るのではなく、チーム一丸となって頑張る。学年関係なく、チームメイトとして対等に接することができるのが弓道というスポーツで、チーム全体のメンタルをよい方向に持っていくには、そのようなことが必要だと自分は思っているので、あの場面で小林さんだけに責任を感じさせるのではなくチーム一丸となって競射で勝とうという気持ちがありました」

――来年度から最上級生になるにあたって考えていることはありますか。
 「最上級生になるとその責任感に押しつぶされて自分のプレーが思うようにできないという話を今までの先輩方から聞くので、プレッシャーも感じつつ、自分のプレーをどのようにしたらできるかを考えていきたいです。また、最上級生になるとできることが増えるので、練習の仕方を考えて個人個人が強くなるだけでなく、チーム全体で強くなれるような部活づくりをしたいです。自分自身もまだまだやり残したことが大学弓道にあるので、個人的にもさらに強くなってまたここに戻ってきたいと思います」

若林
――東西学生選抜対抗試合に選ばれた時の気持ちを教えてください。
 「リーグ戦最終週までで既に6本外していたので、東西には選ばれないと思って最後のリーグ戦に臨んだら、そこで皆中して後から東西への出場が決まりました。高校生の時からずっと東西の大会の動画を見ていたので、長年の夢の舞台で引けることが決まった時はとてもうれしかったです」

――緊張はありましたか。
 「緊張しましたね。やはり東軍の壱の大前を背負うというのは、想像以上に射場に入ってから責任感や重圧を感じて、その中で引くのはまだ練習が足りないなと感じました。また来年ここに戻ってきて、今度は自分が満足できるまで引き切れるように頑張りたいと思いました」

――来年度に向けての思いを教えてください。
 「絶対に来年も伊勢に来て、王座、東西ともに出場したいです。インカレ優勝はもちろん、リーグ戦で優勝して王座に出場できるように、最上級生としてチームを強くしていきたいと思っています」

里見州平(理工2=北見北斗)
――今日の試合を振り返っていかがですか。
 「1本目を多く外してしまって、1本目を外すと気持ち的にきつい状況を自分でつくってしまうので、その点が良くなかったと思います」

――監督やOBの方からどのようなアドバイスがありましたか。
 「とにかく中ないとと思って、頑張って引きすぎていたみたいで、ブレが起きていたので、もう少し楽にやってきてというアドバイスをもらいました」

――今後意識していきたいことはありますか。
 「今年度は同期の中嶋や増田さん、若林さんに的中で引っ張ってもらっていたので、来年度は上級生になりますし、的中でチームを引っ張っていけるような選手になりたいと思います」

中嶋航大(農2=帝京長岡)
――今日の試合を振り返っていかがですか。
 「いつも通り悪い立ち上がりから始まってしまって、そこから巻き返す形になってしまったのですが、巻き返すのはとても難しいことなので、前々からの課題である立ち上がりの悪さが今回の反省点です」

――「大前で引く」ということにはどのような思いがありますか。
 「1年生の頃からずっと若林さんの後ろで引いていたのですが、もう若林さんの後ろを卒業して、自分が前に立って後ろの人のために道を切り開いていこうと思いでいました。その中で意識していたのはやはり初矢を絶対に中ること。大前の初矢で始まるので、それを絶対に抜かないという強い思いで大前に挑戦しています」

――試合を重ねるにつれてチームの的中数が上がっていった要因はどうお考えですか。
 「1回戦、2回戦で場数を踏んだこともありますが、それ以上に準決勝は国武大が最初中っていて、自分たちが追いかける展開で、意地でも勝ちたいという思いで食らいついて追い上げられたと思います」

金子拓矢(農1=木更津)
――今日の試合を振り返っていかがですか。
 「高校まで全国大会に行ったことがなく、初めての全国大会でした。自分は一般生で普段の練習であまり的中が出ていなかったのにもかかわらず、細川さんが自分をスタメンで出してくださったので、最初は期待に応えようと的中を意識して頑張っていて、皆中も1回出すことはできました。ですが、王座の場で1中は出したくないと決めていたものの、2回も1中を出してしまい、それが悔いに残っています。今後の大会ではそのようなことがないようにしたいです」

――4年生から学んだことはありますか。
 「直前まで行われていたリーグ戦で、自分たちが1部リーグ最下位で入替戦に行ってしまった時も、4年生の諦めない姿勢があって、何とか逆転して勝つことができました。その翌週の練習試合でも、4年生が最後まで諦めずに自分たちを引っ張ってくれて、そのような出来事から諦めない姿勢を学びました」

宮下
――今日の試合を振り返っていかがですか。
 「インカレで悔しい思いをしてから練習してきて、最初こそ良かったですが、やはり中盤で集中力が切れて適当に引いて抜いてしまいました。それでも先輩方が粘ってくださったり、同期が頑張ってくれたおかげで準決勝まで勝ち上がることができました。準決勝で12射しっかり引き切れたことが自分の中ではすごく満足のいく結果で、いい経験をさせてもらいました」

――来年度に向けて克服したいことはありますか。
 「自分自身で行動できるように、自分から率先して動くことを徹底したいと思っています。今年度は4年生や3年生の先輩方に励ましてもらったり、助言をいただいたりしていますが、2年生になったら『もうお前は大丈夫だろう』と思ってもらえるように、自分自身で行動して、しっかり的中も出して、みんなの前で胸を張っていけるように頑張ります」