6年ぶり優勝! 帝京大を下しジュニア戦『奪還』/関東大学ジュニア選手権 順位決定戦

2024.11.26

 関東大学ジュニア選手権(以下、ジュニア戦)順位決定戦が帝京大百草グラウンドで行われた。エリアマネジメントがうまく刺さり前半をリードで折り返し、後半は押されながらも逆転は許さなかった。29―26で勝利を収め、2018年度の福田組以来のジュニア戦優勝。早明戦、大学選手権に向け勢いづける結果となった。

◆11・24 関東大学ジュニア選手権 順位決定戦(帝京大百草グラウンド)
▼対帝京大戦
〇明大29{26―14、3―12}26帝京大

 先制点こそ許したものの、前半は明大が流れを握った。明大の初得点は6分、スクラムからピックアンドゴーでフェーズを重ね、最後は右フランカー藤井達哉(政経2=東福岡)がねじ込んだ。さらに15分。スタンドオフ萩井耀司(商1=桐蔭学園)が裏にキックを蹴ると、ボールは高く弾み1か月ぶりの出場となったゲームキャプテン右ウイング安田昂平(商4=御所実)のもとへ。対抗戦の慶大戦以来となる公式戦でのトライを挙げた。「裏があったので、スタンドオフに蹴ってというコールをかけて、いい形でトライにつながった」(安田)。前半驚異的な活躍を見せたのは先制トライも記録した藤井だ。20分、30分にもトライを挙げ、開始わずか30分でハットトリックを達成した。「ゴール前になったときに取り切ると言っていたので、しっかり取り切れてよかった」(藤井)。前半は萩井、竹之下仁吾(政経2=報徳学園)が50:22を計3本決めるなどエリアマネジメントの部分もはまり、26―14で試合を折り返す。「対抗戦の帝京戦で出た課題を修正して、エリアマネジメントのところで優位に立とうというプランで前半からキックを使って、敵陣に入って攻め続けられたのはすごく良かった。自分でも裏のスペースがよく見られていたなというのをすごく感じて、結果的に50:22という結果で、FWを楽に前に出させることができた」(萩井)。

 後半は明大が押されながらも粘りを見せた。前半終盤にシンビンを受け、さらに後半の先制点も許し5点差となった嫌な場面。萩井がワンプレーで嫌な空気を払拭した。帝京大のインゴールドロップアウトをキャッチすると中央の萩井にボールが渡る。ここで萩井が選択したのはドロップゴール。ポールに当たりながらも成功し点差を8点、ワンプレーで逆転されない安全圏にチームを導いた。「自主練で練習していて、今回のJr.の試合は接戦になることが予想できたのでチャンスがあったら狙おうと決めていた。運もあってうまく風に乗ってギリギリ入れられたのでよかった」(萩井)。その後は防戦一方になりつつも、ラインアウトのスチールなどで流れを帝京大に完全には渡さず、最後は3点差のワントライで逆転のシーンでの堅守でノックオンを誘いターンオーバー。スクラムでもペナルティを獲得し明大が6年ぶりのジュニア戦制覇を決めた。

 2018年度の福田組以来のジュニア戦の『奪還』を果たした明大。福田組は大学選手権も制覇しており、この勢いのまま大学選手権での『奪還』にも期待がかかる。しかしそのためには来週末行われる早明戦で、対抗戦首位の早大にも勝ち切る力を証明することが大切になる。21世紀初の早明戦3連覇、そして『奪還』へ。今日の『奪還』は一つ大きな糧となったはずだ。

[佐藤比呂]

試合後のコメント
フッカー金勇哲(営4=大阪朝鮮)

——個人で良かった点と反省点をお願いします。
 「個人ではスクラムは良かったと思います。ラインアウトスローも(成功率が)100パーセントでできてよかったんですけど、1個のキャリーのオフロードミスが課題じゃないかなと思いました」

——優勝して率直な気持ちを教えてください。
 「ばりうれしいです。ジュニア選手権でずっと勝っていなかったので勝ててよかったと思います」

藤井
——個人で意識したことはありますか。
 「接点で負けないというところで、前に出てチームに勢いをつけるというところだったり、ディフェンスもアタックもそうですね。ブレイクダウンでしっかりジャッカルが入って色々あったんですけど、やっぱりトライを取り切れてよかったです」

——優勝した瞬間の気持ちを教えてください。
 「帝京に勝ったというので本当に嬉しかったです」

萩井
——良かった点と反省点をお願いします。
 「キックをうまく使ってそのスコアにつなげることができて、ずっと敵陣でプレーできたのがすごく良かったと思います。今日での課題としては、アタックのところでちょっと前に出る時間が少なくて、横に横にと振ってしまったシーンが多かったので、そういう時に敵陣でもキックをうまく使って攻めていけたらなというのは思いました。ディフェンスではキックを蹴った後の、FWとBKのコミュニケーションの部分がうまくいかなくて、 ギャップを突かれて、トライを取られてしまったシーンがあったので、練習中からトーク量をもっと増やして、次の早明戦に向けてやっていきたいなと思います」

——優勝の率直な感想をお願いします。
 「初ジュニアということで、すごく緊張していたんですけど、結果的に優勝できて素直にうれしく思います」

安田
——優勝が決まった瞬間の気持ちを教えてください。
 「みんなでつかみ取った勝利だったので素直にうれしかったです。すごいいい1週間を過ごしたので、勝利に繋がったなという風に思いました」

——早明戦への意気込みをお願いします。
 「最後の代なので、しっかり勝ち切っていい選手権を迎えられるようにしたいなという風に思います」