JESTERSインタビュー拡大版/明大スポーツ第542号チアリーディング企画

2024.11.25

 体育会の活動に花を添える応援団バトン・チアリーディング部(JESTERS)。部責任者の田邊栞(情コミ4=共立女子)、渉内の豊増菜々実(商4=帝塚山)、トレーニングチーフの後藤凪(商4=両国)に演目のこだわりやラグビー早明戦のハーフタイムショーの見どころについて伺った。本記事では「明大スポーツ」542号に載せきれなかったインタビューを掲載する。

(この取材は11月11日に行われました)


――JESTERSに入部した理由を教えてください。

後藤「父が慶大の応援指導部のOBで、 幼少期から大学生になったら入るのだろうとなんとなく思っていたのと、ずっとクラシックバレエをやっていたので、それが活かせるかなと思ったからです」

豊増「私は幼い頃からクラシックバレエをやっていた影響と、中学高校の6年間創作ダンス部に入っていたこともあって、踊りを続けたいなという思いが漠然とありました。その新入生歓迎活動でのいろいろな団体を見ていく中で、すごく私自身直感で物事決めるタイプなのですが、その直感でここがいいなってすごい思ったのがきっかけで入りました。部活という厳しめのところに入っていたので、同じようなところに身を置きたい思いがありました」

田邊「私は中学時代にバトントワリング部に3年間所属していて、結構毎朝朝練があったりだとか全国大会目指して結構厳しいとこでやっていました。高校時代は1回お休みという形でほとんど何もしてなかったですが、やはり大学で何か1つのことに打ち込みたいと思って、ダンス経験を活かしたいこともあり、チアリーディング部に入部しました」

――プログラムはどのように作られていますか。
田邊 「学生主体で作成しています。定期演奏会やチアのステージに関しては、ステージ企画という役職の部員が作っていて、応援活動などは渉内が担当して、ハーフタイムの演目を作っています」



――チアリーディング経験者が代に数名のみという中で、プログラム作成にあたり情報はどのように得ているのですか。
後藤「少なからずダンスやバレエの経験者が多いこともあるので、その知識を活かしてあの構成だったりダンスを作る部員が多い のにプラスでやはりその六大学の応援同盟に所属してるので、その他大学の演技だったり動画を見て学ぶというのも1つ情報源の1つではあります」

――プログラムの明大と他大との違いや、明大らしさはどのようなところですか。
後藤 「構成の特徴としては、JESTERSのチーム名にもあるように、道化師というか、グレイテストショーマンのようなイメージで、個性を活かして一人一人が輝ける場所を作るところが、毎回違うプログラムを用意している中でも共通している要素かなと思います。 田邊だったらバトンが得意なのでバトンの見せ場が入ったりだとか1人1人の個性が光るような、曲目全員にスポットライトが当たるような演技を大事にしています」


――ラグビー早明戦は国立競技場に4万人以上の観客が来場しますが、緊張など気持ちの面で変化はありますか。
豊増「リハーサルを一度行うことができるのですが、普段と違ってすごく開けた場所でスタンツ(組体操のようなもの)を行うこともあって、かなりリハ時点では戸惑う部員も多いです。気分も上がる面もあるのですが、やはり緊張もそれと同等にあると活動の1つです」

――観客に写真を特に撮ってほしいところはありますか。
豊増「ラストの1つ前の構成で、スタンツを5つを立てて明大のMをつくる構成があるので、そちらがおすすめです」

――試合中はどのような気持ちで応援しているのですか。
後藤「バレエで育ってきたので、衣装を着て踊っているっていうだけで自分を見てほしいっていう気持ちで最初は応援の場所にいました。しかし、年月を経てルールも理解してくると、自分のパフォーマンスをしつつも、本気で野球だったらここで出塁してほしいなみたいな気持ちが自然と湧いてくるようにはなってきました。演技に対するその応援の気持ちの乗り方が年々増しているかなという風には感じます」

――早明戦に来場する観客に向けてメッセージをお願いします。
豊増「JESTERSのその人数だったりの物理的な迫力もそうなんですけれども、スタンス中の声だったり、その明るさのパワーみたいなものを感じ取っていただける演技になっていたらいいなっていう風な思いがあるので。そうですね。見ている方に印象に残る、元気を与えられるとパフォーマンスを目指して、残り少ない期間ですけど、練習を頑張りたいと思います」

 JESTERSは競技チアリーディングの大会でも活躍している。8月のUSAチアリーディング&ダンス選手権2024EASTでは、「Brights」チームがNovice部門で3位、「Ace」チームが上級のAdvance&Large部門で3位入賞を果たした。「Ace」は2月に行われるUSA Collegiate Championships 2025への推薦を獲得し、今後の活躍が注目される。

――Aceチームのプログラムで一番難しかったところはどちらですか。
後藤 「Advance&Large部門ではグループスタンツをプログラムの中に入れなくてはならないのですが、スタンツが何個か同じ技を同じタイミングでやることで点数が入るっていう仕組みの構成があります。先ほど申し上げたように、個性を活かしてっていうことを大事にしてるチームなので、 悪く言えば結構得意分野が人によって違うっていうのがあるので、同じ技を誰と組んでも絶対に成功させないといけないことが大会の難しい点でした。それこそ私の得意な技と別の部員の得意な技が違って、両方成功させることが難しかったので、そこをどれだけ成功率を上げられるかということが一番苦労しました」

――出場メンバーを決めるトライアウトはどのような雰囲気で行われましたか。
田邊 「テストの形で成績がつくのでかなり緊張もしますし、複雑な感情がもちろん生まれることになりますが、チアリーディングでは、1人がやっているのをみんなで見て、終わったら拍手するという形で自分でやっていくので、誰かがやっているのを応援して、『お疲れ~じゃあ私行きます』というような流れでした。雰囲気としては緊張感もありつつ、応援し合う感じでした」

――Aceチームの3位という結果をどのように感じていますか
後藤 「大会前にもいろいろな苦悩があったので、3位ではあるんですが、入賞っていうのは昨年から1歩足を進められたところにほっとしたっていうのが正直な感想です。私たちとしてはかなりベストな演技をした中で3位だったというところが、これから順位を上げていく難しさだったり、根本的に技術向上に取り組まないと結果を出すのは難しいなと痛感した順位でもあります」

――大会を経て練習で変えられたことはありますか。
後藤 「難易度としてはやっぱり大会がある夏の時期がスキル的な面でかなり上まで高められる時期なのですが、それが結構チームに分かれているので、大会が終わった後は、Aceで得た経験とかを下級生のチームに還元したりだとか、みんなで一緒になって技術の底上げに取り組んでいくところが大会のテーマなので、上のチームがやっていた技を全員でもできるようにみたいな練習を入れるようには心がけています」

ーーありがとうございました。

[杉田凜]