
インカレ開幕前直前特集 座談会②
1年の集大成となる大会がいよいよ始まる。11月29~12月1日にサイデン化学アリーナにて全日本大学対抗選手権(インカレ)が開催。夏の東日本大学対抗選手権では、チームとして9年ぶりの団体3位を達成。今大会も3位入賞に向け、チーム一丸となって全国の猛者たちに挑む。

本特集ではインカレ登録メンバーによる座談会の様子をお届けします。第2回は堀口実篤(政経1=宇陀)、木村梁(営2=紀北工)、道畑陽識(政経4=常翔学園)、大久保直倖(法4=宇佐)ら4選手による対談です。(なお、この取材は11月16日に行われました)
――インカレメンバーに選ばれた感想をお伺いします。
木村「東インカレ同様に選んでいただいて、実力として物足りなさを感じるところはあるんですが、いい結果を残せるように頑張りたいと思います」
堀口「1年生ながら選んでいただいて、より一層『ミスできないな』と感じていますが、回数を多く取っていきたいなと思います」
道畑「インカレメンバーに選んでいただくのは3回目ですが、今年で最後のインカレなので明治のために最大限の成果を持ち帰ることができるように頑張ります」
大久保「去年に続き2回目の出場となりますが、今回もかなりギリギリで選ばれて。自分としては記録が少し足りないところがあるので、それを一つでも上の順位につなげていけるように頑張ります」
――この1年間を振り返っていかがですか。
木村「やはり去年に比べると成長できたかなと思っています」
堀口「去年はまだ高校生で、パワー重視の試技をしていました。大学に来てからパワーを使うことよりもフォームを意識するようになり、記録も上がってきましたね」
道畑「今年は急激に〝ウエイトIQ〟が伸びたんじゃないかと思うほど、いろいろと考えるようになった1年でした。4年生としてラストで、いろいろな補強であったりフォームであったりにたどり着いて、もう少し早くそういう部分に出会えたらよかったなという年でもありましたね」
大久保「そうですね。ケガが多く、あまり思ったように成長できない1年になったかなと思っています。5月の個人戦(全日本個人選手権)でやっと記録が伸びてきて、そこから東インカレまででもう少し伸ばせるかなと考えていたら、肘をケガしてしまって。やっと東日本の個人戦でまた記録が戻ってきたのですが、5月の勢いで行けていたら、もう少し記録が伸びたんじゃないかと思っています」
――お互いの印象をお伺いします。
木村「(堀口選手は)高校生の時の自分とあまり成績が変わらない選手だったので、入学してくると決まった時は少し焦りというか『入ってくるなよ(笑)』という気持ちも正直ありました(笑)。ですがこの1年間ずっと一緒にやってきて、なんだかんだ結果を残してくれる選手なので信頼はしていますね」
堀口「(木村選手は)自分と重量がほとんど同じなので『木村先輩に負けないように』というか、目標として取り組んできたので。その目標を超えられるよう頑張りたいなと思います。ライバルですね」
道畑「そうですね。(大久保選手とは)4年間、ずっと一緒だったというのもあって、部屋も一緒なんですよね。私生活や食生活を見ているとかなりストイックでした。ケガをしたと言っていましたが、試合に出てもしっかりと結果を出すので、そういうところはちゃんとやってくれる選手だと思っています」
大久保「(道畑選手は)入学時から階級も一緒でした。入学した時はトータルの記録で5キロも変わらないくらいほぼ一緒の選手だったんですが、今は少し差がついてきてしまって。道畑の方が少し強いんですが、今回同じ階級で出るということなので、負けられない、負けたくないです。自分の得意なスナッチだけでも勝ちたい、そういう相手でもありますね」
――現在のチームの雰囲気はいかがですか。
木村「雰囲気としては、練習場の雰囲気から去年とは少し違っていて、去年は少しピリついた、緊張感がありました。今年は『全員で頑張っていこう』という感じで、全員で声を出していますね。自分はそっちの方が好きなので、自分はやりやすく、楽しめていますね」
堀口「練習の雰囲気でいうと、1人が試技に取り組むときには周りが1人のために応援してくれたり、逆に周りの人を一人一人が応援したり、競技に集中できるような雰囲気づくりができていると思っています」
道畑「木村と同じで、やりやすいなと思います。ピリつきはありませんが、その代わりにウエイトにはすごく取り組みやすい空気だなと思います」
大久保「インカレに出る人だけではなくて、出ない人であっても選手がどうすれば競技に集中できるかを考えたり、話し合ってくれていますね。ここの3人が言った通り、すごく競技のしやすい、してもらいやすい環境にあるのかなと思います」
――インカレに向け、どのような取り組みをされていますか。
木村「1週間前に少し風邪をひいて体調を崩し、今は調子を落としている状態です。一応補欠の選手がいらっしゃって、その方の調子も良く、記録としてはどっこいどっこいですかね。 自分の調子が良ければいいですが、現状の調子の悪さであれば負けてしまうので。もうインカレまで2週間ちょっとしかないですが、調子を上げていくために補強や種目に取り組んで、なんとか調子を上げていきたいなと思っています」
堀口「木村先輩と同じように、補欠の人がかなり重量を触るので、その人に負けないよう、種目の方で重量を上げる練習をしています」
道畑「今から筋力トレーニングをしてもあまり意味がないと思うので、最近はずっとフォームのことについて考えています。できる限りのフォーム改善はしていて、あとは練習終わり、小さな筋肉をゴムチューブで鍛えたり、腹筋は毎日やろうという意識で練習しています」
大久保「道畑と一緒ですが、主にスナッチのフォームに意識しています。自分は力があまりないので、スナッチからどれだけ競技に入り込めるか、1キロでも重くスナッチを触れるようにする練習ですね。後のジャークやクリーンでより引き出しが軽くなるように、デッドリフトする際には引き出しを意識して、早く引くということを意識してやっています」
――競技の原動力はなんでしょうか。
木村「やはり練習を頑張れば数字として結果が出るので、そこが競技をしていて一番うれしいですね。新記録が数字として出るので、そこがやはり原動力なのかなと」
堀口「自分は、親にいい記録を見せてあげたいです。高い学費を払って東京までわざわざ送り出してもらったので、恩返しというか、ウエイトリフティングで記録を取って、頑張っている姿を見せてあげたいですね」
道畑「そうですね。高校の時、明治のOBの方から『どうせやるなら上を目指せよ』と言われたことが一番の原動力です。それから常に上を目指して取り組んでいますね。あとは、関わってくれた人全員に感謝することが自分の原動力になっています」
大久保「原動力というと難しいです(笑)。目標になってしまうんですが、インカレ団体3位という今のチーム目標で、もし今年で取ったら18か19年ぶり。目指せそう、達成できそうな状況なので、もう自分が少しでも貢献できるように頑張ることを目標にしてやっています」
――本番前のルーティーン、験担ぎなどあればお伺いします。
木村「自分は、前日の夜も緊張しすぎて寝れないようなタイプなので(笑)、お風呂には長く入ってスッと寝られるようにはしています。ちょっとでもずれたらもう全く寝られなくなってしまうので、それがルーティーンですかね」
堀口「前日のルーティンはありませんが、試合前にはあのDARS®︎のチョコレートを食べると決めています」
道畑「かなりふざけたことなんですが、試合前、明治神宮にティンバー(Timberland®︎:ブーツ)を履いて行って、その足裏に小石を詰めて持って帰ってくるというのを願掛けにしています(笑)」
大久保「早寝早起き朝ごはんですね(笑)」
――息抜きにはどのようなことをされていますか。
木村「寮に居たくないので、一人で外へ出てカフェに行ったり、ご飯を食べに行ったりして一人の時間を大事にしていますね。 それがもう趣味みたいになっています」
堀口「自分は外に出てサバゲーをしたり、体を動かしていますね」
道畑「最近はそうですね。後輩と一緒に出かけたり、あとはスポーツ観戦するのに最近ハマっていますね。明日も後輩と帝京のラグビーを見に行きますね。硬式野球の明法戦も見に行きました」
大久保「体を休めるために温泉行ったり、サウナに入ったりしています。ここら辺であれば高井戸や仙川とか、あとは京王永山。色々行ってますね(笑)」
――インカレとしては2日目の試技となります。軽量級からラストの重量級へつながる階級になると思いますが、難しさ、立場などはどのように受け止めていますか。
木村「自分の階級は1日目が終わった2日目の一番初めで、そこでどれだけ点数を取って後ろの試技に貢献できるかが、団体戦では重要だと思っています」
堀口「1日目の人が頑張ってたくさん点数を取ってくれても、2日目の自分たちで落としてしまったら本当に申し訳ないので、自分たちも取れるところは取って、3日目の寺西先輩(洸志郎・営4=滑川)たちに預けたいなと思っています」
道畑「89キロ級はかなり激戦なので、そこでどれだけ他を抑えて点数取れるか『自分はこれだけやったんだから後ろのお前たちも頑張れよ』という気持ちで渡せるような試技をしたいです」
大久保「自分たちが点数を落としてしまうと、団体3位になるために競っている大学と点数に差がついてしまって、3日目の選手たちの勢いに影響を与えてしまうと思います。3日目の選手が伸び伸びできるよう自分たちが2日目で点数を稼いでいかないと、と思っています」
――団体3位に向けて、それぞれ目標をお願いします。
木村「そうですね。スナッチでは自分より順位が上の人と重量が近いので、そこでどれだけできるかでやはり点数が大きく変わってくるので、今回頑張って点数を取りたいです」
堀口「自分は木村先輩に負けないこと、あとはスナッチで3、4キロ伸ばせば得点が増えるので。それを取れるように頑張りたいと思います」
道畑「全試技成功の自己新を取って終わりたいです。(現在の自己ベストは)スナッチが135キロ、クリーアンドジャークが162キロなので、140キロ・170キロを目標に頑張ろうかなと思います」
大久保「自分も最後の大会なので、自己ベストをしっかり取りつつ6本成功させたいです。(現在の自己ベストは)スナッチ130キロのクリーンアンドジャークが150キロですね。89キロ級の試合でのベスト記録を見ると、スナッチ130キロを取ってる人が3人で、その人たちより1キロでも多く、自分以外の残り2人に勝てるように頑張りたいと思っています」
――ありがとうございました。
[松下日軌]
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