
35年ぶり昇格!/関東学生1部2部入替戦
まずはフルーレ部門。対戦相手は強豪の拓大だった。本学は相手エースの一戸にポイントを先取され、相手リードのまま最終戦へ持ち込んだ。そこで登場したのは本学のエース・佐久間主将。「気持ちで負けたくない」(佐久間主将)とあきらめず攻め、ついに40-40の同点へ。だがここから「体力がもたなくて集中力が切れそう」であったため、相手に3本先行を許す。残り時間はわずか7秒。だが佐久間主将も、ベンチも勝負を捨ててはいなかった。ベンチからはチームメイト、そして昇格の瞬間を見守ろうと30数名のOBも一体となって声援を送る。
「あの場面は負けていたけれど、絶対に1本ずつ返そうと思っていた」(佐久間主将)。粘り強く戦い、1本取り返す。41-43。残り2秒、持ち前の豪快なアタックで再び1点ビハインドへ、42-43。「1本勝負へ持ち込むことができるかもしれない――」。そう誰もが思った瞬間、無常にも試合終了の合図が鳴り響いた。「拓大は強かった。でも、悔しい。今日勝って1部に昇格して、来年春後輩に良い経験をさせたかった」(佐久間主将)と肩を落とした。
だが入替戦はフルーレだけではない。「ロッカールームで気持ちを落ち着かせた」(佐久間主将)と気持ちを切り替え、次に迎えたのはサーブル。サーブル部門で本学は負けられない理由があった。「今日勝てば35年ぶりに1部に昇格。明治が2部落ちしたときのメンバー全員が応援に来ている」(井原監督)。相手は早大。試合は早大に先行されるものの、「今日のMVP」(佐久間主将)名和(営3)のカウンター狙いの面白いようにアタックが決まり、ポイントを奪い本学リード。佐久間主将も抜群の安定感を見せ、相手にほとんどつけいるすきを与えなかった。「佐久間主将が点を取るとチームが盛り上がる」(名和)。佐久間主将が最後のポイントを決めるとベンチに向かって力強いガッツポーズをし、雄たけびをあげた。「フルーレで負けたから、サーブルでは絶対負けられないと思っていた」(佐久間主将)。本学は1部昇格という歓喜を部員、監督、コーチ陣、全員で味わった。
「サーブルでの勝因は、練習試合で早大を破り、不安を自信に変えることができたから」(佐久間)。積極的に出稽古を重ね、気の遠くなるほどの基礎トレーニング地道な努力をこなしてきた。「主将になって、一人だけ戦えば良いというわけではなくなったから、プレッシャーがかかった。本当にうれしい」(佐久間主将)。惜しくもフルーレ部門では1部昇格を逃したが、サーブル部門では「夢にまで見た舞台」(井原監督)へついにたどり着いた。

関連記事
RELATED ENTRIES