(男子)SP自己ベストから一転総合6位に 「自分の実力が足りない」/GPシリーズNHK杯

 9日、GPシリーズ(グランプリシリーズ)NHK杯男子FS(フリースケーティング)が行われた。自己ベストを更新しSP(ショートプログラム)2位発進の三浦佳生(政経1=目黒日大)だったが、ジャンプでミスが相次ぎFS11位。総合6位となり演技後には「練習でどれだけ跳べていても本番に決めなければ意味がない。ただ自分の実力が足りない」と悔しさをにじませた。

◆11・7~10 GPシリーズNHK杯(国立代々木競技場第一体育館)

 前日のSPで自己ベストを更新し、大台の100点超えを成し遂げて迎えたFS。三浦は観客の大歓声に包まれての登場となった。「映画の中に入り込めるような幸せ、悲壮感などのいろいろな感情を見ている方々に感じ取っていただけるように」と意気込んでいた『シェルブールの雨傘』。曲がかかるとダイナミックな動きで世界観をつくり上げた。

 しかし「跳ぶタイミングから何か違った。滑る前の助走から、いつもより自分が理想としている助走に入れていなかった。これに尽きる」と振り返ったジャンプ。冒頭のジャンプを6分間練習で着氷できていなかった4回転ループからトリプルアクセルに変更したものの着氷が乱れた。続く2本目も回転が抜け3回転サルコーに。4回転トーループは2本とも転倒しコンビネーションが付けられず「トーループはコンビネーションを付けなければいけなかったところで、2本目なんてあんなに軸が外れて話にならない」と振り返った。6本目はトリプルアクセルとダブルアクセル2本のコンビネーションを着氷、最後のジャンプは3回転フリップと3回転ループのコンビネーションを決め、会場は拍手に包まれた。レベル4を獲得したスピンで締めるも、演技後のリンクには肩を落とす三浦の姿が。「大きな大会でやはり結果を残したかったという思いはあるので、これでもうファイナル(もいけず)、点数もパーソナル(ベストを)更新できずに何も残せなかった。もう本当に帰って練習するだけ」と悔やんだ。

 「今は状況を理解するのに時間がかかっていて、多分明日以降どうするか、どういう練習をしていくかはその時に決めていくと思う」と戸惑いながらも「完璧な演技で二度と今シーズンこういう思いがないようにしっかり練習をしていければと思う」と次戦を見据えている。SPでつかんだ手応えとFSでの悔しい思いを胸に全日本選手権まで調整を続ける。

[堀口心遥]

試合後のコメント
三浦
――今後何を練習していきたいですか。
 「もう全部ですね。プログラムでまずは滑り込めてなかったので、まず滑り込んでしっかり全部入れて練習するところから始めていきたいかなと思います」

――跳ぶ状態の理想にならかったのは助走が原因ですか。
 「はい。それじゃなきゃ跳べないことはない。あそこまで軸が外れて失敗するということは跳ぶ前に原因がある。 精神面うんぬんじゃないですけど、シンプルに技術が足りなかったと思います」