
(男子)三浦2位発進 自己ベスト更新で初のSP100点超えにガッツポーズ/GPシリーズNHK杯
GPシリーズNHK杯(以下、NHK杯)男子SP(ショートプログラム)が行われ、最終滑走で登場した三浦佳生(政経1=目黒日大)が2位スタートを切った。全てのジャンプを成功させる完璧な演技で、GPシリーズアメリカ大会(以下、アメリカ大会)に続き自己最高点を更新する102.96点を記録。これが初の100点超えとなり、得点発表後は雄たけびをあげ喜びをあらわにした。
◆11・7~10 GPシリーズNHK杯(国立代々木競技場第一体育館)
▼男子SP

逆境に強い男・三浦の真骨頂はここにあった。左太もものケガの影響が危ぶまれていた中での完璧な演技。加えて、午前の曲かけ練習時の4回転ジャンプのミスなど不安を残した中での自己ベスト更新。決して万全とはいえない中で力を発揮する、三浦の本番への強さを示した。
自国開催となるNHK杯のSPは、客席を埋め尽くすほどの日本国旗に出迎えられた。冒頭の4回転サルコーからの連続ジャンプは、軽々と2本目を跳ぶ余裕の着氷。続く3回転アクセルも成功させると、午前の公式練習から苦戦していた4回転トーループも着氷させた。「やるしかなかったので、もう腹をくくっていった」。目標とするGPファイナル進出のために順位を落とせない今大会、腹を決めた。4回転トーループは練習から調子が上がらなかったが「やっぱり跳ばないと上に行けないなという思いがあった。こっちにきてからの練習になったので不安がすごくあった」「サルコーは練習から全然軸がまとまっていなかった。アクセルもアメリカ大会でq(1/4回転不足判定)取られているのでその不安もありながらだった」とし「全部怖かった」と全てのジャンプに不安要素を抱えながらの挑戦となった。

それでも、演技開始後は三浦の世界観で会場を沸かせる。滑り出しから力強くダイナミックな振り付けで観客の目線を引きつけると、最後まで三浦色全開の疾走感あふれる滑りでプログラムを演じ切った。さらにスピンとステップも全てレベル4を獲得。演技後は大きく何度もガッツポーズを残した。「終わった瞬間にこれはいってくれ、という気持ちが強くて」。たたき出した102.96点は、自己ベストの更新、そして初の100点超えとなりあふれんばかりの笑顔を見せた。この好成績の背景にはSP首位の戦友・鍵山優真(中京大)の存在も。「今日のお昼くらいに、優真が先に滑るから『流れをつくってほしい』と頼んだら、頼んでなくてもノーミスしてたと思いますけど(笑)ちゃんとノーミスで終えてくれて流れを持ってきてくれて、結果的に日本人3人で上位トップスリーを取ることができた。すごくうれしい」。三浦の頼みに鍵山は「苦笑いして、最終的には自信なさげに『任せろ』って(笑)」と答えたと話す。大舞台でも仲間の存在を力に変え、ともにSPをノーミスでそろえてみせた。

SPを2位で終え、迎える決戦のFS(フリースケーティング)は9日18時過ぎに滑走予定。SPに続き三浦ワールド全開の好演技披露となるか。
[布袋和音]
試合後のコメント
三浦
――朝の公式練習の後、ホテルに戻ってからリラックスして過ごしたそうですがどのようにしてうまく切り替えたのですか。
「やっぱりまずは練習が終わった後のケアをしっかり。お風呂に入って温めて、その状態で少し仮眠を取って、その後はゲームをしたりして。気分を一旦リラックスさせて、スケートのことを1回忘れて、それで行く前に自分の良かった時の映像などを見て、 いい時の感覚を入れてこっちに来ました」
――今日は痛み止めは飲みましたか。
「今日は飲んでいないです。昨日の練習と今日の朝の練習で痛みが出てないというところで今日は大丈夫という判断でした。極力飲みたくないので、今日痛みが出てないので飲まなかったです」
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