持ち前の〝しぶとさ〟光った! 4年・徳持が90キロ級を制覇/講道館杯全日本体重別選手権

2024.11.05

 体重別日本一を決める講道館杯全日本体重別選手権(道館杯)が開催され、明大からは6名の選手が出場した。徳持英隼(政経4=崇徳)が90キロ級で優勝、関本賢太(商4=習志野)が60キロ級で2位となった。

◆11・3 講道館杯全日本体重別選手権(高崎アリーナ)
▼60キロ級
 関本――2位
▼66キロ級
 光岡主将――2回戦敗退
▼73キロ級
 藤本――2回戦敗退
▼81キロ級
 伊澤――3回戦敗退
▼90キロ級
 徳持――1位
▼100キロ超級
 工藤――2回戦敗退  

 全日本学生体重別選手権大会(全日本学生)で優勝を果たした伊澤直乙斗(政経2=習志野)は3回戦で反則負けとなり、今大会を終えた。試合の主導権を相手に握られ、得意の背負投げや寝技を生かせなかった。「この悔しさを忘れないで、来年は優勝を目標に頑張りたい」(伊澤)と話し、明大のエースは決意を新たにした。

 全日本学生3位で絶好調の関本は4回戦までを順当に勝ち進んだ。準決勝では残り1分29秒の時点で大外刈を決め、技ありの判定。終始攻めの姿勢を崩さず、優勢勝ちで決勝戦への出場をつかみとった。迎えた決勝戦では、序盤から技ありを取られ劣勢へ。「投技を自分のスタイルにしていて、決勝戦も投げにいったが返されてしまった」(関本)。最後まで果敢に一本勝ちを目指す姿勢を見せたが、相手の粘りを崩しきれず敗れた。

 2回戦を不戦勝で進めた徳持は、3回戦で相手の反則負けを誘発して勝利。4回戦も内股で一本勝ちを決め、準決勝へ勝ち上がった。GS(ゴールデンスコア)にもつれ込んだ準決勝は、先に2つ目の指導を受け追い込まれる展開となったが、相手の隙を見逃さなかった徳持が大外刈を成功させ、一本勝ち。続く決勝戦は、GSも含め11分を超える激戦となった。徳持は、試合の序盤から組手で優位に立ち続け、自分のペースで試合をつくる。「相手の特徴として技をかけて指導で勝つことが多いのは知っていたので、そのパターンにはまらないように自分から技を出していくことを意識した」(徳持)。相手の粘りに苦労したものの、最後は技ありの大外返を決め、優勢勝ち。中学3年時の全国中学大会2位以来、7年ぶりの個人戦での好記録で、待望の全国制覇を果たした。昨年度90キロ級で優勝を果たした森健心(令6文卒・現パーク24)に続き、明大は同じ階級で栄えある2連覇を手にした。

 優勝の要因について、徳持は「階級を上げたことが勝因だと思う。昨年度までは1個下の81キロ級でやっていて、今年度に入って90キロ級に上げた」と話す。また「組手でしぶとく戦うのが自分の柔道だ。決勝戦、延長戦が長かったが、その中でも自分のしぶとさを生かして最後まで戦い抜くことができた」と語り、自身のスタイルを貫いた戦いぶりを振り返った。

 4年生にとって最後の公式戦となった今大会。徳持、関本が躍進を遂げ、有終の美を飾った。4年生の活躍を胸に、明大柔道部は悲願の団体戦制覇に向けて新たに動き出す。

[武田隼輔]

試合後のコメント
徳持
――明大として階級連覇を成し遂げました。
 「去年、森選手の付き人として講道館杯に連れてきてもらって、その時初めて森先輩が優勝した姿を見ました。自分もそんな風になりたいという刺激をもらったので、今日まで1年間頑張ることができました」

――この後の意気込みをお願いします。
 「日本一になるという目標を掲げて、今日まで柔道に取り組んできました。それが今回達成できたので、次は世界に向けて頑張っていこうと思います」

関本
――早い段階で技ありを取られたことで、焦りはありましたか。
 「正直、投げ返せる自信が自分の中にありました。残り1分の時点では焦りが出てきましたが、取られてすぐは投げ返してやると思っていました」

――今大会を通じて足りないと思った部分はどこですか。
 「メンタルです。決勝戦で勝ち切れないところだと思います。メンタルを強くして、最後まで戦い抜く精神面を身に付けたいです」

伊澤
――3回戦の試合を振り返っていかがですか。
 「調子は悪くなかったのですが、敗れてしまいました。自分が負ける時は競り合いで負けることが多く、そういう状況で勝ちに行く練習を普段からしておくべきだったと思います」