10年ぶりの快挙 関東大会インタビュー/関東学生グライダー競技会

2024.11.05

 10月13日から20日にかけて行われた関東学生グライダー競技会(関東大会)。明大は10年ぶりの快挙となる団体4位という成績を収め、さらに髙田雄祐(政経4=愛知県立旭丘)が2018年以来の個人入賞を果たした。本記事では、廣澤樹(総合4=星野)、仲尾次政豊主将(商4=ラ・サール)、髙田、古田純也(理工4=桐蔭学園)のインタビューをお送りする。(この取材は10月20日に行われたものです。)※写真は航空部提供

仲尾次主将
――大会全体を振り返っていかがですか。
 「条件がある日は上昇気流(サーマル)の強い日が多く、どの団体も得点する大会だったので、どの大学が全国に出てもおかしくないし、入賞してもおかしくない状況で、激しい戦いになった大会だと感じています」

――特に何日目が印象的でしたか。
 「やっぱり今日(20日)です。全国選出点と団体得点が懸かっているという緊張感がマックスで、条件もあって一番激しい戦いでした」

――今大会に向けて意識して練習したことを教えてください。
 「今回からGPSが導入され、大会中に機体が高度何メーターだというのを把握しながら戦略を立てるのが選手たちにとって新しかったと思います。対策としてはGPSをいかに分析するかというところです」

――今回の機体(DJ)を選んだ理由を教えてください。
 「(航空部が)持っている機体の中でDJが一番性能がいいとされています。去年からDJで大会に出たかったのですが、機体の故障だったり、機体をしまうトレーラーの故障だったりで出場が叶いませんでした。今年はやっと念願のDJでの出場ができました」

――今大会の天候のコンディションはいかがでしたか。
 「今日は条件爆発でみんなガンガン上がって回ったんですけど、終盤の2時間くらいは爆発するような条件ではなく、なかなか難しい気象だったと思います。そこで慶大とかは強いのでちゃんと回ってきますが、うちは3周回目できなかったこがやっぱり悔しいです」

――一番印象に残っている周回を教えてください。
 「先週(14日)、髙田の選手全員の中で一番高い点数を出した周回です。全国に選ばれるのが個人の点数で、そこで一番高い点数が出たので、全国選出点で9位以内に入るのにつながっていると思います」

――良かった点、改善したい点を教えてください。
 「全国大会も今回みたいに条件がいいことが予想されるので、今回の教訓としは条件いい日でもしっかりタイムを求めていかないと、簡単に他大に負けてしまうので、条件がいいからと何も考えずに回ってしまいがちですが、タイムにもシビアになって回る練習をしないとと感じます」

高田
――大会全体を振り返っていかがですか。
 「今大会は終日コンディションのいい日が多かったので、周回経験もたくさん積めたし、それを今後に活かせるかなと思います」

――印象に残っている日程を教えてください。
 「大会2日目に自分が初めてその日の一番早いデイリーを取ることができたので、すごく印象的です。1日目が点数が伸び悩んだ日だったので、点数を取り返さなきゃというプレッシャーもあった中、結果を残せて本当にほっとしたし、うれしかったなと思います」

――今大会に向けて、練習で意識したことを教えてください。
 「サーマルを捕まえて上昇していくことを練習したのはもちろんですが、 サーマルで上がった後にどのルートを通って旋回点までいくかを意識しながら飛ぶようにしました。具体的には、GPSで自分の機体と旋回点までの距離を見て、今機体がどれだけ下がっているのか、上がっているのかを考慮しながらこのフォードまであれば旋回点に届くなと考えながら意識して飛ぶようにしていました」

――今大会で良かった点、改善点を教えてください。
 「強いて言うなら運が良く、 強いサーマルに当たった時に日々の練習の成果を生かして、チャンスを逃さずに上がれたのは良かったと思います。改善点は、大会という普段の練習とは違う環境の中で他の機体との距離を保ち、他の機体とコミュニケーションをしっかり取りながらやるのがまだ慣れない部分で、そこをもっとうまくやれれば、他の機体の隙間に潜り込んだりもっとチャンスが増えるのかなと思いました」

――次の大会に向けての意気込みをお願いします。
 「航空部人生4年間の集大成なので、しっかりと結果を出せるように頑張りたいと思います」

廣澤
――飛ぶ順番はどのように決めましたか。
 「元々決めていませんでしたが、 自分が一番経験が多いのと、練習日に全体の中で個人1位を取ることができたので、自分が一番目に行こうという判断をしました」

――印象に残った日程を教えてください。
 「やはり練習日です。練習日は点数に入りませんが、周りの人たちの誰よりも早く飛ぶことができて、自分にとってすごくいい経験になりました。飛んでいる時はちょっと時間かかっちゃったかなと思ったんですけど、結構短く素早く飛べていたので、地上に戻った時にすごくいいフライトしたなと思いました」

――良かった点や改善点を教えてください。
 「周りの機体が素早くポイントをクリアできている時に、自分が少し時間をかけていたので、周りの機体を見ながらどう先に進んでいけばいいのかをもうちょっと予測することが改善点だと思いました」

――練習と本番で違うところはありますか。
 「予想より機体が多かったので、どうしても機体間の距離が近くなってしまったり少しひやひやした場面もありました」

――全国大会に向けての意気込みをお願いします。
 「全国大会優勝を目標に頑張っていこうと思います」

古田
――大会全体を振り返っていかがですか。
 「自分にとって公式大会は初めてで、まずワンポイントを狙ってあわよくば周回という心持ちで参加しました。振り返ると、1日目.2日目がすごく条件がよくて、初日に選手全員が周回を達成できたことで、いいスタートが出せて個人的に気持ちが前のめりになって取り組むことができたと思います。ただ1人目、2人目、3人目、それぞれのプレッシャーがあり、3人目だと全員周回とか、ポイントをどんどん増やすというプレッシャーがあって、これが大会かというのを実感しました」

――良かった点、反省点を教えてください。
 「良かった点は、今年から導入したGPSの解析担当がどこで上がっているのか、どこがあまり上がってないかをよく見られて、当てがつきやすくなったことです。今年は特に運行的な注意もなく学校としての反省点はありませんが、やはり個人的実力というか、自分が降りた後も他大が回っていたりというところで他大やチームメイトとの実力の差を感じてまだまだ精進しないと、というところが反省です」

――コンディションはいかがでしたか。
 「コンディションとして気象条件はばっちりでした。最後の最後まで結果が読めず、非常にドラマチックで安心できないといういい緊張感の中で行けたのかなと思います。個人的には夏の六大学大会(東京六大学対抗グライダー競技会)から関東大会の間であまり気象条件が整わず周回経験がなかったので、わりかしぶっつけ本番感がちょっとありましたが、シミュレーターで個人的に練習していたおかげで、周回するイメージは持って取り組めた部分は良かったと思います」

――普段の練習で心掛けていることを教えてください。
 「自分は一番にグライダーを楽しむことを重視しています。楽しむのも、高く上がって遠いところに行くという目標やモチベーションがあり、今(練習を)やっている自分が大会に向けた動きや目指しているやりたいことにつながるという認識でモチベーションを維持してきました」

――全国大会に向けて意気込みをお願いします。
 「部として全国大会優勝っていう目標があるので、たくさんコミュニケーション取ってやっていきたいところです。個人的にはもっといろんな選手と仲良くなって、まずグライダーという世界の交流を深めたいという思いもあります」

――ありがとうございました。

[七海千紗、岩本文乃]