
人懐こいエリート馬――明訓(めいくん)
人懐こい――明訓を一言で表すとこの言葉に限る。人が厩舎(きゅうしゃ)に近づくと自ら寄ってきてにおいを嗅いだり、なめたりと興味を示す。実際、写真を撮るため近寄ったときも、見慣れない人間に怖がることなく近寄ってきて手をなめてきた。おとなしい上、人懐こく親しみやすい馬だ。昨年度、共に戦った篠原(営3)も「悪さもしないし、乗りやすくとてもいい子」と明訓の長所を語る。20歳という年齢から試合出場回数も多く、場数を踏んでいることやその性格ゆえ、「勝つことができる馬」(篠原)と安定感は抜群だ。また、「明訓が試合にでるきっかけをくれた」と篠原をはじめ、今まで乗り手を育ててきており、多くの経験を積んでいることから乗り手のミスをカバーするという能力にもたけている。
もともとは総合馬として活躍していた明訓。しかし足の不調から障害馬へ。総合競技は3日間続けてさまざまな審査が行われるため、それだけの体力が必要。足への負担もかかることから明訓は障害馬へと移った。それでも足に気を使いながらの練習と練習後の足のケアなど不安要素はぬぐえない。加えて年齢的に耐久力など厳しい面も。
しかし、総合競技、2日目に行われる耐久審査は野外で複雑な障害や長い距離を走行する難易度が高いもの。体力と技術が要求される総合競技を経験してきた明訓にとって、障害競技はお手の物だろう。さらに、「求めればそれだけ返ってくるし、応えられる能力がある」(篠原)と乗り手の部員たちは信頼をおいている。また今年、本学馬術部に入部した吉田((賢)・政経1)は、「明治に来る前、大会で明訓を見ていい馬だと思いあこがれていた」と外から見ても明訓は有能で人目を引くほどの馬。強豪明治が障害競技で勝つためになくてはならない存在だ。
まだまだ現役で活躍するエリート馬・明訓。今後の大会でも年齢や足の負傷に負けず乗り手と共に素晴らしい走行を見せてくれるに違いない。
関連記事
RELATED ENTRIES