
今後へ弾み、念願の1部復帰/関東学生対校選手権
まず大会3日目の24日。3000m障害決勝で、ルーキー上山田と好調を維持している星が快走を見せた。「調子は悪くなかったけど、悪いなりのペースを守れた」(上山田)。「(普段の)力以上のものを出してくれた」(山本コーチ)、とそれぞれ7位、8位に入賞し、1部復帰へと着実に歩みを進めた。
最終日となる25日。ここまでで、本学は暫定3位の上武大に対して3ポイント差のリード。1部復帰を懸けて、まさに正念場を迎えた。この日は朝から雨足が強く、朝9時に始まったハーフマラソンは、厳しい状況下でのレースとなった。
しかし、それでも安田、中村の両名は最後まで先頭集団としてレースを展開し、貴重なポイントを手に入れた。続く短距離の各種目でも、吉田、粟津ら1年生の活躍が光り、全員が入賞。各種目で順調に得点を重ねていき、良い雰囲気を作り出したところでついに長距離ブロックの主力である松本(昂)、石川(卓)、そして期待の新人鎧坂が出場する5000mを迎えた。先週の10000mで圧巻のワンツーフィニッシュを見せた松本(昂)、石川(卓)は、今回も常に先頭をキープし3位以下を全く寄せ付けない。他を圧倒するレース展開で、またも1位と2位を独占した。松本(昂)に至っては、13分台の大台にタイムを乗せた。鎧坂も「持久力が足りず、中盤の走りが悪かった」と反省点を挙げながらも8位と入賞圏内に入る健闘を見せた。
終わってみれば、本学は総合3位の上武大に大差をつけ、見事1部への復帰を果たした。しかも、本学にはフィールド競技に参加する選手がおらず、すべての得点はトラック競技のみで稼ぎ出されたものだ。この得点は2部総合1位の国武大が得たトラック競技の得点をも上回り、1部昇格とともにトラック競技の部門優勝も手に入れた。
見事に最短期間で1部への復帰を果たした本学だが、この結果はまだ今年の明大競走部の序章でしかない。「1部へ上がりたいという思いで、選手・スタッフが一つになって1年間やってきた。これが起爆剤になって、今後どんどん良くなっていくと思う。1部昇格は一つ目の目標。箱根予選会の突破・本戦出場、そしてシード権獲得といった次の目標に向かって、これからが本当の勝負」(遠藤監督)と早くもこれからの戦いに目を向けている。
去年どん底を味わった明大競走部が、強くなって帰ってきた。一度挫折を経験しているからこそ、それを乗り越えた彼らの姿はどんな常勝軍団よりも頼もしく見える。目下次の大会は、1ヵ月後に控える全日本大学駅伝予選会。次の舞台では彼らはどんな活躍を見せてくれるのか、ぜひとも期待したい。今年のシーズンはまだ始まったばかりだ。
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