森川準優勝 全国の舞台で個の能力の高さを証明/全日本学生個人選手権

2024.10.30

 学生ナンバー1拳士を決める今大会。明大トップは昨年度王者の森川征那(文4=三井)が連覇を逃すも2位。ベスト8に6人が入り全国でも常勝・明治の力を見せつけた。

◆10・28 第39回全日本学生個人選手権(天白スポーツセンター)

▼男子の部

森川――2位

井上、土屋賢――ベスト4

越智、山田健、土屋泰――ベスト8

大谷、山田太――4回戦敗退

長倉――2回戦敗退

砂川――1回戦敗退

 今年度最後の個人戦となった今大会では4年生の活躍が光った。4年生からは井上晴陽主将(法4=三井)、越智通友(営4=明大中野)、森川の3選手が出場。準々決勝に明大から6選手が駒を進めると、そのうち2試合は明大同士の対戦となった。井上は9月に行われた総合選手権で優勝した土屋泰生(文1=関西福祉科学大)との対戦。「ほんとにめちゃくちゃ緊張した。泰生は1年生ですごく勢いもあって強いのは知っているし、総合選手権も優勝していたので、なんとしても負けられないなと思っていた」(井上)。言葉通りに先輩としての意地を見せる結果となった。開始30秒、胴突きで一本を先取すると、その10秒後には面突きで2本目を取り勝利。準決勝進出を決めた。試合後には両者称え合うシーンが見られた。別カードでは越智、森川の4年生同士の対戦が実現。互いのことをよく知る者同士の一戦は後半まで膠着(こうちゃく)状態が続くが、森川がフックで一本を先取すると、その勢いのまま2本目は関節技で決めた。「2本とも今まで森川から練習でもあまり受けたことのない技で決められた。ちょっと悔しいですね。自分的には森川に勝って、もっともっと上に行こうっていうのを計画に入れていたので、 2―0で負けちゃうっていうのが特に悔しいです」(越智)。森川は「元々やるつもりはなかったが、多分普段やっていることをしても、去年と一緒の結果になるかなと思ったので、ちょっと違うことを試したら、それがうまくはまって、勝ちにつながりました」と振り返った。

 準決勝には井上、森川さらに土屋賢生(法3=関西福祉科学大学)が残った。井上は過去に何度か対戦経験があり、今年度対戦した際には引き分けに終わった前田悠登(龍谷大)との一戦。自分のプラン通りの試合ができないまま2本連続で取られ、前回大会のベスト8を超える3位で今大会を終えた。森川は準々決勝に続いて準決勝でも明大同士の対戦。「今大会だったら一番意識した相手でした」(森川)と準決勝まで危なげない試合で勝ち進んできた土屋賢を相手に両者譲らない試合展開となった。試合は森川がパワーで土屋賢を倒すと、最後は面突きで一本。その後も粘り強く戦い、先輩の意地を見せつけた。

 決勝戦は昨年度と同じカード。森川の連覇がかかる一戦となったが先取したのは前田だった。しかし森川も王者のプライドですぐさま取り返し同点とする。が、再開直後、前田の蹴りが森川の面に入り2本目を取られ準優勝に終わった。しかし、惜しくも連覇は逃した森川だが試合後には「団体戦って言っても正直1対1の戦いになるので、今日の個人戦みたいに 一人一人確実に倒していけるような拳法をしていきたい」(森川)とすでに全日本学生選手権(府立)へ動き出していた。

 優勝こそ逃した今大会であったが6人の拳士がベスト8以上、さらにそのうち3人が表彰台にあがり全日本学生選手権府立につながる大きな結果となった。「チーム力っていうのは1番大事だと思います。最後府立で優勝してグラウンドスラムしたいです」(井上)。井上メイジがグラウンドスラムを取るまであと一つ。

[竹本琉生]

試合後のコメント

井上

――大学生活最後の個人戦となりましたがどうでしたか。

 「本気で優勝する気だったので、本気で日本一とる気だったので、一言で言うとやっぱり悔しいです。ラスト府立。もう本当にこのチームで、日本一なれるように、僕が持っている技術であったりとかそういうのを、いろんなことを後輩にしっかり還元して、切り替えて府立では絶対日本一を取ります」

越智

――府立の目標をお願いします。

 「団体戦じゃないですか。自分の目標で言えば、やっぱり全勝したいし、その重要な試合は全部出たいです。 ただ、チームの目標っていうのであれば、勝つだけじゃなくて7―0とかで圧倒して勝ちたいです」

森川

――大会を振り返っていかがですか。

 「課題だと思ったことはしっかりトレーニングとかここの期間中できなくてちょっと足があんまり動けなかったっていうところが多分今回の決勝での敗因だと思ったので、次はしっかりそこを復習として次の試合に向けてがんばっていきたいです」

土屋賢

――チーム全体の結果についてはいかがですか。

 「ベスト8以上に6人入れたのはチームとしてプラスですし自信につながったと思います」

土屋泰

――総合王者として迎えた個人戦の心境はいかがですか。

 「正直なこと言うと、ちょっと楽になったなっていうのはありますけど、でも絶対勝たないとダメな試合だったなっていうのはあります」