悔し涙のリーグ2位 日大に4中差で王座逃す/東京都学生女子部リーグ戦

2024.10.29

 都学1部リーグに所属する日大、明大、桜美林大、早大、法大の5校総当たり戦で競った東京都学生女子部リーグ戦。前週に行われた最終戦で日大、明大、桜美林大の3校の勝敗数が並び、三つ巴の優勝決定戦にもつれ込んだ。優勝を目指し決定戦に挑んだが、明大は68中で2位。優勝は日大で72中、桜美林大が54中で3位に。約20年ぶりのリーグ優勝とはならなかった。

9・15~11・3 東京都学生女子部リーグ戦(各大学弓道場)
▼10・27 順位決定戦(早大東伏見弓道場)
明大――68中
〇日大――72中
桜美林大――54中

 各校4人ずつ各自20射、計80射の合計的中数を競う形式で行われた。優勝すれば全日本学生女子王座決定戦(以下、王座)への進出が決まる重要な一戦。夢舞台への切符を懸けて日大、明大、桜美林大の3校で競い合った。試合の流れをつくりたい初立、明大と桜美林大は16射中12中の的中を見せる。これに対し日大は14中という高的中で一歩リード。続く二立目でも日大は好調ぶりを見せつける16射皆中で他を圧倒した。それでも、明大も負けじと16射皆中で追いかけ2中差をキープ。見米彩(理工4==文化学園大杉並)は「初立に12中を出してしまったけれど、大丈夫だという自信になった」と安堵の表情。しかし三立目で再び12中に沈むと、14中を決めた日大との差は4中差に広がった。

 巻き返しを図りたい四立目。差を詰めるためにも「全ての立で一本も抜けないという緊張感がいつもよりあってとても緊張した」(齋藤和音・農1=小笠)。張りつめた空気感の中、日大を1中上回る15中という高的中をたたき出す。四立終了時点で明大が55中、日大が58中と3中差で、勝負の行方は5立・最終立に。しかし、先攻の日大が最終立を14中で終え、合計80射中72中。四立までにすでに9本外していた明大が五立で皆中しても届かない的中差をつけられ、明大は最終立を前にして優勝を逃すこととなった。それでも、ここまで皆中でチームを引っ張った大前・加藤ほの美(政経2=前橋育英)が最終立にも意地を見せる。この日放った全20射全てを中てる皆中賞に輝き仲間の大きな拍手に迎えられると、二的・齋藤も最終立を皆中で締め、合計18中と全体の9割の的中率を残す奮闘を見せた。その中で、この週の調子の波が激しく不安を抱きながら挑んだという見米。前日練習の調子が良すぎるあまり「もう少し中らなくてここを気をつけようとかできたら良かったが、今自分のやってることを信じるしかなかったことがしんどかった」と振り返る。また14中という結果に悔しい表情を浮かべた野村真奈(営3= 坂戸西)は「まだまだだった点が多かったので、とにかく反省するところしかないと感じている」と試合後には涙をこぼした。

 最終結果は68中。高的中を見せるも日大に及ばず、王座進出とはならなかった。最終学年で今回が最後の団体戦となった見米は「私が1年生の時はこんな70中に近い的中なんて出なくて60中に乗って『やった』みたいな感じだった。それに比べたらチームとして圧倒的に成長できた。それはちゃんと後輩が毎年毎年中ててくれていたからで、上が中てたら下も頑張ろうと思えるし、下が中てていたら上もなおさら頑張ろうと思える、いい循環ができていたのかなと思う」と切磋琢磨(せっさたくま)しながらともに戦った仲間に思いをはせた。団体での王座出場は逃したものの、王座と同じく11月に三重県・伊勢で開催されるリーグ的中率上位者のみ出場する東西学生選抜対抗試合に見米と加藤が出場予定。都学10傑に輝いた自信を胸に、今年最後の大舞台で弓を構える。

[布袋和音]

試合後のコメント
見米
――団体戦はこの試合が最後となりますが一緒に戦ってきたメンバーにメッセージがあればお願いします。
 「関根(里沙・政経4=白河旭)は4年になってからあまり調子が出ず、一緒に選手立で引く機会がなくなってしまったんですけど、でもその分助席として、後輩だけじゃなくて私もすごく精神的に支えられていたので、すごく感謝しています」


野村
――順位決定戦で再びメンバーとして出場されました。練習からどのように調子を上げてきましたか。
 「とにかく私は数をかけないとどうにもこうにもならないので、いっぱい引いて、その中で考えて、自分で解決できなかったら周りの人に頼ってという風にやっていました。だんだん周りの方からも『今のいいんじゃない』と言ってもらえる矢が増えて自分も納得できるような矢も増えてという感じだったので、自分だけの成果じゃなく、周りの方のおかげだと思っています」

加藤
――試合を振り返っていかがですか。
 「いつも通りの練習の的中が出せたのは良かったんですけど、それより日大が上手だったかなという感じなので、あと少しのところで届かなかったから悔しいです。 個人としてはいつも試合で9割出せればいいかなと思ってるんですけど、自分が今20射全部中て切れるなんて思っていなかったので、そこは素直に喜びたいなと思います」

齋藤
――今回良かった点やさらにブラッシュアップさせたい点があれば教えてください。
 「結果的には18中で9割は出したんですけど、初立と、(二立で)16射皆中させた後に3立目で外してしまいました。全て重要なんですけど、特に大事な場面で抜いてしまったので、周りが抜いたとしても惑わされずに中て続けたいと思います」