(男子)大島が圧巻の演技で優勝 菊地5位で全日本出場決定/東日本選手権

 全日本選手権(全日本)への出場を懸け行われる東日本選手権。大会2日日のシニア男子FS(フリースケーティング)に明大からは3人が出場した。SP(ショートプログラム)首位の大島光翔主将(政経4=立教新座)がFS1位で完全優勝。SP12位の菊地竜生(政経2=目黒日大)がノーミスの演技で追い上げ総合5位、SPでは悔しさをあらわにしていた丸山英希(法1=宇都宮短大附)は渾身(こんしん)の演技を見せ総合15位だった。今大会の結果により大島、菊地が全日本出場を決めた。

◆10・25~27 東日本選手権(テクノルアイスパーク八戸)

(写真:演技終了後、笑顔を見せる大島)

 SPではステップシークエンスで転倒するなど悔いの残る演技となった大島。「ただ優勝というよりは本当に自分との戦い」と覚悟をもって挑んだ。FSは父・淳さんがプロスケーターとして最後のアイスショーで披露したという思い入れのある『デスペラード』。前半でトリプルアクセルを2本成功させると、レベル4を獲得する完成度の高いスピンも披露。続くコンビネーションジャンプは乱れてしまったものの、最後のコンビネーションジャンプはきれいに着氷。自身も100点と評価する圧巻の演技で2位と20点以上の大差をつけFS1位に。総合優勝を果たした。

(写真:『もののけ姫』の世界観を表現する菊地)

 SPではジャンプが乱れ「SPで失敗した分をしっかり取り返す」と意気込んでいた菊地。冒頭のトリプルアクセルを成功。続くコンビネーションは3回転トーループの予定が2回転になってしまった。しかしその後、完成度の高いスピンでレベル4を獲得。東日本学生選手権では不安定で疲れが見えた後半にジャンプが乱れたものの、転倒なしでまとめた。FSは「昔から『もののけ姫』が好きだった。その曲をやっとシニアで使えたのでやはり思い入れも強い」と語るプログラム。『もののけ姫』をイメージした衣装と振り付けで世界観を表現し、気合いの入った演技を見せた。スコアはシーズンベストの116.51だったが「120点超えをマストにしていかないといけないと思っていた。やはり今回は今季の自己ベストというよりは今までの自己ベストに乗りたくて、130点くらいは出す気持ちだった」と結果に満足はしていない様子だった。

(写真:ノーミスの演技を見せた丸山)

 SPの演技終了後には悔しさのあまり涙を見せた丸山。「昨日は全然思ったような演技ができていなくて悔しい思いをしてしまったので、FSは絶対にノーミスする気持ちで」FSに臨んだ。昨シーズンからの継続のプログラムである『ロミオとジュリエット』のロマンチックな曲調にのせ優雅に滑る。冒頭のコンビネーションジャンプ、3回転トーループを成功。続くジャンプは「今シーズン通して(成功する)確率がずっと悪い」という3回転サルコー。これを決めると流れに乗り、続くコンドネーションジャンプも成功させた。一方「試合で緊張もあってあまりうまくいかなかった」と話すようにスピンの完成度には課題が残る。しかし、前日の悔しさを晴らし「東日本という舞台でノーミスの演技をすることができて、サルコーも2本きれいに入ったので、少しうれしくてガッツポーズが出た」とうれしさをあらわにしていた。

 SPでの悔しさをバネにそれぞれの選手が飛躍したFS。しかし、選手はこの結果に満足していない。全日本という大きな舞台に臨む2人を含め各選手の成長から目が離せない。

[野原千聖]

試合後のコメント
大島
――演技を振り返って今日はいかがでしたか。
 「難易度を落としての構成だったんですけれども、本当に最後まで集中力を切らさずできたことは本当にいい結果だったかなと思います」

――全日本にはどのような演技を見せたいですか。
 「もちろんSP、FSともに今回以上のクオリティーを発揮しなければならないと思います。全日本という大会は一段と重くなってくると思います。また試合の運び方だったりというのが、本当にあそこは一段と難しくなってくる場でなかなか自分も苦戦しているので、そこをやはり集中して今回のように自分の気持ちに勝つことができれば、いい演技につながってくると思うので、本当に集中して全日本までの期間はその自信をつける練習をしていきたいなというふうに思います」

菊地
――昨日の演技を踏まえて、今日はどのように意気込んでいましたか。
 「やはりSPですごく失敗してしまったので挽回する気持ちで挑んだのですが、挽回はし切れなかったかなというのが自分の中であります」

――ジャンプを振り返っていかがですか。
 「アクセルは良かったと思うのですが、それ以外のジャンプでミスをしてしまいました。やはり得点が高いジャンプを決め切れても他のジャンプでミスが出てしまったらほぼ帳消しであまり点数が伸びないので、全部をしっかりまとめるということが課題だなと思いました」

丸山
――昨日の演技を踏まえて、今日はどのように意気込んでいましたか。
 「昨日は全然思ったような演技ができてなくて悔しい思いをしてしまったので、FSは絶対にノーミスする気持ちで頑張りました」

――良かった点と悪かった点をそれぞれお聞かせください。
 「良かった点はジャンプが全部きちんと入ったというところとやはり体がしっかり動いていた部分です。悪かった部分はスピンの回転速度などは少し入った時から悪くて、少し微妙だったなという感じです」