
(女子)江川が東日本王者に 3年連続で全日本出場/東日本選手権
東日本選手権(東日本)最終日には女子FS(フリースケーティング)が行われた。江川マリア(政経3=香椎)が圧巻の演技で優勝し、3年連続で全日本選手権(全日本)への出場が決定。元榮愛子(商2=目黒日大)は7位、堀見華那(商4=愛知みずほ大瑞穂)は16位につけた。
◆10・25~27 東日本選手権(テクノルアイスパーク八戸)
(写真:総合1位で全日本出場が決まった江川)
真紅の生地にゴールドの装飾があしらわれた衣装に身を包んだ江川は、荘厳な音色の『トゥーランドット』を披露。冒頭の3回転ルッツを降りると、その後も安定した高さのあるジャンプを次々に決めていく。「2回転ループになってしまったところ以外は、すごく落ち着いて演技できた」。ループには若干の悔いが残るも、情感豊かな楽曲の展開に合わせ、表情豊かに氷上を舞った。ダブルアクセルと3回転トーループのコンビネーションジャンプは見事な高さと美しい軌道を描き、GOE(出来栄え点)1.01の高評価を獲得した。後半に入っても勢いは衰えず、3回転サルコー、3回転フリップをともに着氷。初出場の2年前と同様、東日本王者として全日本への切符を手にした。「SP(ショートプログラム)もFSもそろえて190点を超えられるようにしたい」。国際大会出場という目標に向け、さらなる進化が期待される。
(写真:伸びやかに演技する元榮)
SP8位の元榮は、伸びやかな身のこなしで『鉄道員』を披露。冒頭の3回転サルコーと2回転トーループのコンビネーションは、高さと幅のある見事なジャンプに。続く3回転ルッツも降り「練習ではルッツが決まらないことが多かったので、着氷できて良かった」。演技後半はサルコーでの転倒もありジャンプに乱れは出たものの、重心の安定した大きな動きで流れるような美しいステップシークエンスを見せた。持ち味のスピンではそのスピードと安定感で魅了し、演技を締めくくった。次戦の都民大会に向けて「ジャンプの強化が必要」と語る元榮。東日本7位という今回の結果を糧に、さらなる高みを目指す。
(写真:笑顔で客席を見上げる堀見)
柔らかな音色に乗せた表現力豊かな滑りで会場を魅了した堀見。冒頭の3回転トーループとダブルアクセルのコンビネーションジャンプは着実に決めたものの、その後はジャンプで安定感を欠く場面が続いた。一方で、レベル4を獲得した二つのスピンでは美しいラインを描き、終盤の軽やかなステップシークエンスでは疲れが見える中でも全力で踊り切った。「ジャンプだけでなく、音楽をしっかり聴いて、地に足をつけて滑ろうという意識が強かった」。腰のケガに苦しみながらも、試合に向けてコンディションを整えてきた努力は実を結び、表現面では自己評価「80点」という手応えをつかんだ。ラストシーズンを迎える堀見だが「FS90点超えを目指して、最後の最後まで上を目指したい」と意欲を見せる。今大会での課題を糧に、最後まで駆け抜ける。
[増田杏]
試合後のコメント
江川
――全日本までにどのようなところを磨いていきたいですか。
「まだSPの構成をもう少しレベルを上げるか迷っているのと、FSはジャンプの構成自体は同じ構成で臨むんですけど、もっと余裕を持ったジャンプというものを磨いていきたいなと思っているので、そこを強化したいなと思います」
――表現面について、現時点での完成度はどれくらいですか。
「『トゥーランドット』という曲は自分が想像してる何倍も難しくて、スローパートもあれば力強い部分もあって、そのスローパートというのもSPみたいな優しい感じのスローパートというわけではないので、そこをしっかり使い分けたり滑り分けるのがすごく難しいなとシーズン前半は感じていたんですけど、今はだいぶそれが形になってきてるのかなというのは感じています」
元榮
――今日の演技の振り返りをお願いします。
「あまり動けなくて、サルコーでもこけてしまったし、他のジャンプも少し斜めったりして、あまり良くはなかったかなと思います。最初のジャンプと次のジャンプは結構いい感じでできたかなと思うんですけど、その後が低くなったりとか、あまり自分的にはうまくいきませんでした」
――スピンやステップの面ではいかがでしたか。
「すごく悪いところは出なかったんですけど、やはり少し緊張が出てしまったので、もっと伸びやかにできたらよかったなと思います」
堀見
――今日の演技で良かった点を教えてください。
「最初のジャンプと、あとは途中でも笑顔を忘れなかったりとか、客席に向けてとか、審査員の方に向けて、その表現面という部分を大事に滑れたところは良かったところかなと思います」
――大会を通して振り返ってみていかがですか。
「何回も腰をケガしてから調子を上げたりするのが難しい中で、万全ないい演技とまではいかなかったんですけど、いつもの練習よりはいい演技ができたかなと思っています。 今回の試合がピークという気持ちではやっていたんですけど、自己ベストだったりとか、これからもう少し最後の最後までもがいて、上を目指して頑張りたいなと思えた試合でした」
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