日本一届かず 代表戦で惜敗し準優勝/全日本学生体重別団体優勝大会  

2024.10.22

 兵庫県尼崎市・ベイコム総合体育館にて全日本学生体重別団体優勝大会が行われた。 明大はシード校として2回戦から戦い、決勝まで順調に勝ち進む。 決勝では因縁の相手・東海大と対戦。 2点先取されるも代表戦まで持ち込む。 しかし、最後は技ありで優勢勝ちを取られ、2年連続準優勝に終わった。

◆10・19~20全日本学生体重別団体優勝大会(ベイコム総合体育館)

▼明大――2位

 明大が目標とする〝団体日本一〟を狙う今年度最後の機会だ。 昨年度は東海大を破るも準優勝に終わった今大会。 初戦・札幌大戦では5連続一本勝ち。 3回戦・帝京大との対戦では五将・竹村虎之(政経4=私立大成)の一本を契機に4-0で快勝した。 続く準々決勝は中大と対戦。 先鋒・松原咲人(政経3=私立大成)が反則負けを誘発し先制。 さらに中堅・伊澤直乙斗(政経2=習志野)、大将・関本賢太(商4=習志野)の一本で危なげなく勝ち進む。 準決勝の相手は国学院大。 先鋒・松原が敗北するも、次鋒・竹村は激しい組み合いを制し一本勝ち。 さらに五将、中堅戦では技ありを取り、大きくリードした。 副将・光岡岳人主将(商4=大牟田)が引き分け、最後は大将・関本が大外刈からの袈裟固で勝利。 「チームは過去最高でいい状態」(松原)。 明大は圧倒的な強さで勝ち上がった。

 迎えた決勝。去年はここで敗れ日本一にあと一歩足りなかった。そして決勝の相手・東海大は今年度、明大の優勝を何度も阻んできた宿敵だ。先鋒・松原は序盤抑え込まれそうになるもその後は両者譲らず引き分けに。次鋒・甲木碧(政経3=木更津総合)は一瞬のスキを狙った小外掛から抑え込まれ先制を許す。この一本勝ちに会場を包む東海大の声援がさらに大きくなった。五将・竹村は身長差のある相手の猛攻を前に甲木と同様、抑え込まれ一本を献上。完全に相手に流れをつかまれた状況下、中堅・伊澤がチームを救う。序盤から激しい攻撃を仕掛けた伊澤は隅返を繰り出し一本を勝ち取る。伊澤の見事な投技が会場の空気を変えた。続く三将・徳持英隼(政経4=崇徳)、副将・光岡は最高学年の意地を見せ、引き分けに持ち込む。勝負の行方は大将戦に託された。

  大将勝負は圧巻であった。 大将・関本はプレッシャーをものともせずに開始約1分で送襟締を繰り出し華麗に一本を獲得。 2-2の両校同点により、GS方式で代表戦が行われた。 沸き立つ明大選手たち。 ついに悲願達成となるか。 最後の勝負は73㌔級・松原にゆだねられた。 両者技を繰り出し合い、果敢に攻めるも拮抗(きっこう)した展開が続く。 しかし、試合時間が4分を超え緊迫感が増す中、相手の内股が決まり技あり判定。 代表戦の勝者は東海大となった。

  日本一を掴むことができなかった。 しかし今大会を通して、頂の景色目前まで近づいていることを実感できた。 中濱真吾監督は今年度のチームを「光岡がキャプテンとしてしっかりまとめてくれたいいチームだった。この大会に向けてチームを作ってくれてありがたかった」と評した。 光岡を始め、明大を支えていた4年生にとって今大会が最後の団体戦であり、講道館杯全日本体重別選手権大会に出場しない選手にとっては引退試合となった。 優勝を目前にまたも敗戦した明大だが、その意思は次代に受け継がれていく。 「チームの目標はあくまで日本一」(中濱監督)。 来年こそは優勝を。 新体制になる明大の勇姿に期待したい。

[藤原茉央]

試合後のコメント

中濱監督

――今大会の結果はいかがですか。

 「2年連続で優勝に手が届かず悔しい思いです。2失点したことが大事な敗因かなと思います。1失点だったら多分気持ちが勝っていた」

――決勝の試合展開はいかがでしたか。

 「伊澤は学生チャンピオンにもなって、チームの柱になってきています。あとは光岡と徳持が1点取れていればというところですが、相手の守りも固かったという印象です」

――来年度に向けていかがですか。

 「今まで4年生が引っ張ってくれた分、ちゃんと危機感を持ってやらないといい成績が取れないと3年生にしっかり伝えました。団体日本一を目標に頑張っていきます」

松原

――今大会を振り返っていかがですか。

 「去年は決勝で大敗して、そこから自分としては今日はいい柔道ができたと思います。ただ、やっぱり優勝を目指して1年間やってきたので悔しいです」

――決勝の振り返りをお願いします。

 「あと一歩が足りない。その一歩を勝つのが難しいと改めて思いました。代表戦はもうやるしかないという心境でした」