両者譲らぬ激闘 明大が試合を制す/関東大学ジュニア選手権

2024.10.22

 関東大学ジュニア選手権(ジュニア戦)3戦目が行われた。前日の悪天候により早大グラウンドでの開催予定が変更になる中、多くの観客が駆けつける注目の一戦となった。前半はハンドリングミスや相手の低いタックルで攻撃に苦しむが21―10でハーフタイムを迎える。後半は逆に明大の粘り強いディフェンスでリードを許さず、35―24で勝利した。

◆10・20 関東大学ジュニア選手権(明大八幡山グラウンド)
▼対早大戦
○明大35{21―10、14-14}24早大

 先制したのは明大。前半13分、自陣22メートルライン付近で左ウイング坂本公平(情コミ4=東福岡)がインターセプトし、そのまま約70メートルを独走しトライを決めた。「ディフェンスがうまくはまって自分のところにボールが来てそのままトライできた」(坂本)。しかし21分、30分にトライされ逆転を許してしまう。「今までの相手だとうまくいっていた部分があったが、早稲田さんのプレッシャーがすごくて、受け入れる形になってしまった」(ナンバーエイト中村つぐ希・営1=目黒学院)。 しかし32分、スクラムハーフ田中景翔(文2=常翔学園)がラックからスキをついてボールを持ち出しインゴールに飛び込んだ。直後の34分には、ディフェンスで左プロップ伊藤潤乃助(文3=常翔学園)が強烈なタックルで見せると、ターンオーバーに成功し、右センター山田歩季(商4=京都成章)がキック。複数人が競る中、山田は俊足を生かし自らボールを抑えトライ。21―10で試合を折り返す。

 迎えた後半。9分にはトライを許すが、13分にはスタンドオフ伊藤利江人(商2=報徳学園)がディフェンスのいない外側に蹴り、坂本がクリーンキャッチに成功。そのままグラウンディング。しかし、その後は約20分間自陣から抜け出すことができず、ディフェンスの時間が続いた。フル出場の選手の疲労がたまる中、この時間で許したトライは39分の1トライのみ。「タックルしてボールに絡み行かないと始まらなかったので、とにかくラックに入る回数を増やそうと思って、ひたすら走ってタックルしようと話していた」(右フランカー大川虎拓郎・法2=東福岡)。明大の驚異的な集中力と体力が見られた時間だった。4点差に詰め寄られ、試合の行方が分からなくなり迎えたロスタイム。46分、相手のペナルティーにより敵陣ゴール前まで攻めると、ラインアウトで再開しフェーズを重ね、空いたところを途中出場の登根大斗(法4=御所実)がインゴールに飛び込み値千金のトライを決めた。「前半ベンチから見ていて、ラック周辺が空いているのが分かっていたので、でもそこを狙いすぎず空いていたら行くと割り切っていけた」(登根)。このトライで点差を広げ35―24でノーサイドとなった。

 全勝対決で迎えた今試合。ジュニア戦『早明戦』は明大が勝利する結果となった。「すごいタイトな試合になるというのは分かっていたので、その試合を勝ち切れたことは成長できるいい試合になった」(ゲームキャプテン・右ウイング安田昂平・商4=御所実)。両者とも激しい熱戦を繰り広げ、ジュニア戦とは思えないレベルの高い試合だった。次戦は昨年度ジュニア王者・帝京大戦。勝てば決勝トーナメントに進出できる。この勢いのまま、明大は結束し決戦へ向かう。

[木曽琴乃]

試合後のコメント
安田
――良かったところ、悪かったところはありますか。
 「良かったところは勝ち切れたところだと思います。しっかり流れに乗るときは流れに乗れるようなアタックができたっていうのはすごく良くて、悪かったところはディフェンスは差し込まれちゃった部分が多かったので、そこは修正できるところだと思います」

大川
――個人で良かったところ、悪かったところを教えてください。
 「後半からゲームキャプテンがいなくなって、キャプテンとしてしっかりレフェリーとコミュニケーションを取って、しっかりチームをいい方向に持っていけたので良かったかなと思います。改善点としては、80分持つ体力と、どこかで修正しないといけなかったので、チームとしての修正力っていうのをもう少し高めていきたいと思います」

中村
――この試合で勝ち切れたところは大きいと思いますが、いかがですか。
 「ディフェンスの時間帯がすごく長くて、苦しい時間が多かったんですけど、 明治のプライドを持って守り切れたのが、相手にトライを取らせなかった一番大きい要因だったと思います。そこで自分たちはボールを持ったら強いし、前に出れる選手は多いので、敵陣でアタックできたときはトライ取り切れたので、取り切れる、取り切らないこの差が出たかなと思います」

坂本
――オフェンスでの攻撃の組み立てはいかがでしたか。
 
「早稲田のディフェンスは流してくるので、外に振るのではなくて、小さいスペースを縦で攻めていこうっていう話でやっていました」

登根
――前半外から見ていていかがでしたか。
 
「やろうとしていることはすごく良かったんですけど、 1個パスが逸れちゃったりとか、連携っていうところで急ぎすぎているなっていうのが前半の印象だったので、自分が入ったらもう少しコントロールして、慌てるクイックじゃなくて、連動したクイックっていう、クイックの区別っていうところをしっかり意識してやろうかなっていう風に思って見ていました」